気になるグッズを衝動買い


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第3回:dts対応機器もここまでお手軽になりました
魔窟に最適な5.1chシステム「ヤマハ TSS-1」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

ヘッドフォンでサラウンドを聞けるアンプが欲しい

 前回DVDプレーヤーを購入し、DVDを視聴できるようにはなったけど、これではもの足りない。やはりサラウンド環境が欲しいところ。給料日に買い直したPS2は基本的にゲーム機だし、「DVD-618J」についているヴァーチャルサラウンド機能「Q-surround」では全然サラウンドに聞こえないんだよね。

 とはいえ、友人に「魔窟/九龍城」と言わしめたほどモノが雑然とあってきたない部屋に、5.1chスピーカーを置くスペースが無いし、壁が薄いし、なにより予算が追いつかない。まぁ、使えて30,000円くらいかなぁ~。これらを勘案した結果、狙うはヘッドフォンでのヴァーチャルサラウンドアンプとあいなった。さあ、お買い物、お買い物。

 家電量販店に足を踏み入れ、ヘッドフォンでdtsをシミュレートする「Vurtual dts」機能搭載のコードレスヘッドフォン付きのアンプを発見したのだが、こちらの価格は34,800円。ううむ、ちと予算オーバーだ。

 AVアンプコーナーに目を移してみると、そこにあったのはヤマハの「TSS-1」というコンパクト5.1chシステム。「あ~、AV Watchのプレゼントにもあったなぁ」と思いつつ、仕様を確かめて見てみると、dts、ドルビーデジタル/プロロジック対応アンプ、スピーカー×5、サブウーファのセットで、ヘッドフォンでもサラウンド効果をシミュレートする「サイレントシアター」機能付き。で、お値段は25,800円。これだ! まぁ、スピーカーはしまっとけばいいだろ。あまった予算でソフトも買えるしね。

小さいながらも工夫次第で4系統入力

 この「TSS-1」、入力系統は光/同軸デジタル、アナログステレオ(ミニプラグ)。アナログスレテオは2つの端子があり、PCゲームなどの4chサラウンドに対応。カタログでの入力系統は2つとなっている。

 接続ケーブルも光デジタルケーブル1m、同軸デジタルケーブル1.8m、ステレオミニプラグケーブル1.8m×2が付属しているので、買い足す必要もない。

 接続に際して、デジタルは光をPS2に、DVDプレーヤーを同軸、アナログはFRONTをTV(ヘッドフォン端子)に、SURROUNDをPCに、という接続で試してみた。すると、デジタルは光が優先、アナログは本体の2ch/4ch切り替えボタンで、2ch時がTVのみの音声、4ch時が双方の音声のミックス状態、となった。FRONT側はドルビープロロジックの入力にも対応。しかし、アナログのSRROUND側の入力はサラウンド用なので、当然ながら音が後ろから聞こえてくる。無理をすれば4つの機器まで接続可能。実質はデジタルが2系統、アナログは1系統、といった接続ができる。

 ビデオ×2、LDプレーヤー、DVDプレーヤー、PS2などゲーム機各種と、結構な物持ち(ゆえに貧乏)の自分にとって入力は少しでも多い方がよく、こういった接続も可能なのはポイントが高い。

 アンプ本体はコンパクトで、設置場所の選択肢は多いだろう。ただ、ACアダプタが結構巨大。ケーブルののたくっている機器設置棚の後ろに転がしておくには少しきびしい。

 リモコンはなし。これも痛い。視聴位置と設置位置が近いPC用というコンセプトなのだろうが、TVで視聴するときはアンプ本体を手元に設置しないとコントロールできない。

 「やはり手元でコントロールできた方がいいか」と考え、座椅子となりのちゃぶ台に置いてみる。すると、付属の光ケーブルでは短くてPS2まで届かない。あらまぁ、どうしよう。考えた結果、ちゃぶ台とテレビの間に文庫本を積み、その上に設置することで解決。ここなら少し前にかがむだけでコントロールが可能。ちなみにACアダプターはちゃぶ台の下だ。

     
アンプ前面。入力やモードは上部のキーで切り替え、ボリュームはセンター、フロント、ウーファとメイン アンプ背面。ケーブルすべてをつなぐと結構大変なことに アンプ側面。CDケースとの比較はこんな感じ ACアダプタは大きめ。コード長はコンセント、プラグそれぞれ約1.8m


ヘッドフォンでのサラウンド感は……

 さて、いよいよサラウンド体験に。ヘッドフォンアンプのつもりで購入したため、とりあえずはヘッドフォンで聞く。テストトーンではバッチリ後ろからも音が聞こえたので、実際の視聴でも楽しみである。ソフトは映画「U-571」と映画「パーフェクト・ストーム」を視聴した。

 全体的な音質はなかなか良好。ただ、dts/ドルビーデジタル入力時に本体のサラウンドモードセレクトキーを押すと、サラウンド、2chを切り替えられるのだが、その時に音質も変わり、2ch時はダイナミックレンジが広く、サラウンド時は狭く、といった形になるようだ。

 「U-571」でのサラウンド感は、飛行機の旋回するシーン、深く潜行した際に船殻がきしむシーンで音がぐるぐる回っている、という印象。他のシーンではそれほどサラウンド感がなかった。爆雷が艦上で爆発しているシーンがあるのだが、画面では上を向いているのに爆発音は真横に、といった感じ。上下のサラウンド感はない、といっていいだろう。dts/ドルビーデジタルでサラウンド感や音質に大きな違いはないようだった。

 ドルビーデジタルオンリーの「パーフェクト・ストーム」でも波に船が洗われるシーンなど、一部を除いてサラウンド感はさほど感じられない。ううむ。ハズレだったかな?

 試しに普通のミニコンポ「onkyo CR-185」(6年選手)を使って「U-571」をヘッドフォンで聴いてみると、ああ、こっちでも同じシーンでぐるぐる回ってるよ……。これ、ソフト自体の音響設計がうまかったのね。

 気合い入れて同じシーンを聴き比べたところ、違いは確かにある。「U-571」の船穀のきしむ音、漏水音、スクリューのキャビテーションノイズなどは、「TSS-1」の方が音の位置がはっきりしている。とはいえ、ほかのシーンでの違いはほとんど感じない。おお、なんたることか。


コンパクトスピーカーはレイアウトの自由度高いかも

 ……ヘッドフォンサラウンドは、この際まあよい。もともと5.1chのスピーカーをセットにした製品なのだ。スピーカーにつないでの視聴が本道というもの。

 セットのスピーカーは、センター、フロント、サテライトは同一で、サブウーファが1台という構成。スピーカーはコンパクトで、14インチテレビの上に置いても気にならない大きさ。スピーカーにチルト機構はないが、ネジ止め式の台座の止め位置を変えることで角度をつけることができる。

 ただ、サブウーファは多少大きめ。とはいえ、容積としては通常のスピーカーといったレベルだ。スピーカーのケーブルは直出しで、長さはセンター、フロント用が3mで、サラウンド用が7m。サブウーファが7m。よほど大きな部屋でなければ対応できる長さ。

 アンプ本体に6本ものケーブルをつないでみると、背面がごちゃごちゃとしてしまう。自分の部屋はもともと「魔窟」なのでさほど気にはならないが、小ぎれいな部屋で、アンプとTVを離して置きたいユーザーにはちょっと考えどころだろう。

 スピーカーの設置はコンパクトなので問題ない。フロント側は高さを合わせたが、サラウンド側はどうしても高さ調整できず、デスクとPCの上にそれぞれ設置した。

 問題はサブウーファの設置場所。ううむ。あるにはあるのだが、そこに置くとベランダへの出入りができなくなってしまう。ま、とりあえず置いてみますか。

  
スピーカー正面。正面の面積はサイドに比べて小さい スピーカー背面。ケーブルは直出しで、壁掛け用の切り込みもある スピーカー底面。スタンドはネジ留め式 スピーカースタンド。留める位置は切り込みの範囲内

  
スピーカーの最大上向き角度 スピーカーの最大下向き角度 サブウーファ前面。CDサイズとの比較はこれくらい サブウーファ側面。容積は通常のスピーカーといったところ

  
我が「魔窟」での設置例。赤丸部に設置してあるので注視ください フロント、センターとアンプの設置位置。汚ない部屋お見せしてすいません サラウンドの設置位置。PCの上とデスクの空きスペースに設置


さすが5.1chシステム。サラウンド感、低音再生はバッチリ

 スピーカー、サブウーファをつなげて「U-571」を再度視聴。おお、動いてる! 音がちゃんと動いてるよ!

 サラウンド感はヘッドフォン時とは雲泥の差。ヘッドフォンでは動かなかった音がぐりぐりと動いている。潜行警報のベルも、カットが切り替わったときは音の位置も違ってくるし、サラウンドスピーカーを頭より上の位置に置いたからか、爆雷の爆発音も上から聞こえてくる(ような気がする)。なるほど。サラウンドとはこういうことなのですね、ヤマハさん。

 サラウンド側スピーカーの高さが違うため、影響があるかと思ったが、高い側のスピーカーの角度を目一杯下げたのが功を奏したのか、特に影響は感じられず、自然に視聴できた。多少設置場所に無理があっても設置してしまえばなんとかなるようだ。やはり後ろにスピーカーがあると直接音が聞こえるため、よりリアリティを感じられる。

 PS2のゲームソフトでも効果の感じられるものがあった。「スキャンダル」のメニューBGMが、サラウンド側からも聞こえてくるのだ。まさに「包み込まれる」という感触で、なかなか心地よい。ただ、サラウンド感があったのはBGMのみ。これはソフトによるのだろう。

 ついで、驚いたのはサブウーファの効果。艦のすぐ脇で爆雷が爆発するシーンでは低音がなかなかの迫力で響く。BGMも低音が追加されることで深みが増し、場面を盛り上げてくれる。PS2の「スキャンダル」もダークでベースメインのBGMなので、低音の加味で雰囲気が増し、思わずBGMに聞き入ってしまうほど。

 ただ、音質としては、ちと物足りない。少なくともウチのミニコンポ「CR-185」には負けている。音の伸びが感じられず、ただ鳴っている、という印象だ。とはいえ、映像とあわせて聴く用途であれば、映像に注意が行くので、まあ我慢できるし、音割れが発生するわけでもない。音量も6ch合計48Wで、小さなアンプなのにかなり大きなレベルまで鳴ってくれる。少なくとも壁の薄い我が「魔窟」でフルボリュームは無理だ。

 気になったのは、ビデオソフトの視聴。HiFiの「アポロ13」では、サブウーファをデジタル入力時と同じレベルで鳴らすと低音がつぶれてしまってほとんど聞き取れなかった。燃料ポンプがうなるシーンでは、肝心のポンプの効果音が聞き取れずセリフと合わない。アナログソース視聴の際はサブウーファのレベルを抑えるのが無難かと思う。


5.1chシステム最安値。サラウンド環境入門用に

 「TSS-1」はヘッドフォンでサラウンドを楽しむには不足であるが、5.1chスピーカーで再生するとサラウンド感はバッチリ。しかも、家電量販店では一番安く揃えられる環境だ。「とりあえずサラウンド、でもそんなにお金をかけたくない」と考えている人にはおすすめできる製品。dts/ドルビーデジタルのソフトであればサラウンドの音場感は確実に楽しめる。サブウーファの低音の迫力もなかなか。

 しかし、自分が帰宅する時間にはちょっとスピーカーを鳴らせないなぁ。ああ、「U-571」は繰り返し見たいソフトなんだけどなぁ。

□ヤマハのホームページ
http://www.yamaha.co.jp/
□製品情報
http://www.yamaha.co.jp/product/av/jpn/prd/cinema_st/tss1/tss1.html

(2001年2月27日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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