会場:Las Vegas Convention Center
昨日のSANDSの大混雑に比べると、LVCCはいくらか人が少なめ。ホテルからのシャトルバスでも、SANDSで降りる人がほとんどで、LVCCの来場者は年々少なくなっているようだ。業界が求めるソリューションが、徐々にコンピュータ寄りにシフトして来ているのを感じる。 今日は、日本でお馴染みのメーカーが作る放送機器を中心に見ていこう。
■ DVCProを完全に浸透させたPanasonic
Panasonicのブースは、雛段のようにちょっと高くなっているエリアが定位置。ちょうどSONYブースを見下ろす場所にあり、なんとなくそのあたりに両社の確執を垣間見るようだ。 そんな Panasonicブースは、DVを拡張したプロ用独自規格であるDVCProが展示の中心。DVCProは、業界の間でも完全に定着し、ブライダル業務から放送用HDTVまでカバーする幅広いラインナップで、設備投資の大幅な削減に貢献している。 またPC系デバイスとしては、DVD-RAMとDVD-Rが一台で書けるというコンボドライブが発表になった。しかし具体的な仕様や、型番などはまだ決まっておらず、ブースでは小さなパネルと無記名のそれらしきドライブが展示されているだけであった。
■ NAB2001で最大規模のSONYブース
VTRを始め、ビデオカメラ、スイッチャーで放送業界を席巻するSONY。ブース入口のロゴマークはあまりにも巨大すぎて、カメラに収めきれないほど。業界での力を見せつけた感じだ。しかも、ここでの展示は主にソリューション紹介で、具体的な製品は別の場所にあるデモンストレーション センターで行なわれている。そのセンター内は、日本人の姿が多く、全体の3割ぐらいが日本からの見学者で占められていた。
HDTVとSDTV両方に対応したハイエンド スイッチャーで、最大の特徴は、操作パネルが細かいユニットに別れていること。ユーザーが使いやすいレイアウトにカスタマイズできる。パネルまで自由に組み替えられるスイッチャーは、史上初だ。
ノンリニアシステムでは、新製品の「XPRI」が注目を集めていた。様々なフォーマットに対応できるが、展示ではHDの1080 24Pのシステムでデモを行なっていた。
■ HDTVまで対応したD-9シリーズのJVC 業務用Digital-Sとして歴史のあるD-9が、ついにHDTVにまで対応した。「BR-HD95F」は、720p/24フレームに対応したDigital-S VTR。720p方式は、国内ではテレビ朝日と日本テレビが推進しており、今後の動向が注目される気になる製品だ。
■ NTTとTBS、共同でHDTV+カメラ制御の電送デモ
展示ではラスベガスの会場から、直接渋谷交差点付近に設置したTBSのHDTVカメラを、リアルタイムでリモートコントロール。操作には約1秒ほどのタイムラグがあるものの、昼間のラスベガスから真夜中の渋谷の風景を自在に見ることができるデモンストレーションは、衝撃的であった。
■放送局に強いHitachi Hitachiブースでは、HDTVのスタジオ用カメラなどを展示。より放送局に近い、大掛かりなシステムを得意としているHitachiらしい、展示となっていた。
■ センスがいいブースが多いLVCC LVCCでは、SANDSよりもベンチャー企業の出展が圧倒的に少なく、いわゆる常連のメーカーが立ち並ぶ。それだけに展示方法もこなれており、一目で何をやっているのかがわかるものや、センスのいいデザインのブースが多い。 また同時に出展メーカーも、放送全般なんでもやっている巨大企業か、1つのこと専門という企業の2種類にキッパリ別れている。したがって来場者にとっては、誰もがかならず立ち寄るブースと、関係ない業種には全く無関係のブースが明確であり、広い会場でも効率よく見てまわることができるのだ。
明日は再びSANDSに戻り、コンピュータ ハードウエア系のソリューションをお送りする。
(2001年4月25日)
[Reported by 小寺信良] |
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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp