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第34回:“広末涼子”15歳の奇跡の瞬間をフィルムに焼き付けた
 広末ファンのマストアイテム「20世紀ノスタルジア」

 怒涛のように発売されつづけるDVDタイトル。本当に購入価値のあるDVDはどれなのか? 「週刊 買っとけDVD!!」では、編集スタッフ各自が実際に購入したDVDタイトルを、思い入れたっぷりに紹介します。ご購入の参考にされるも良し、無駄遣いの反面教師とするも良し。「DVD発売日一覧」とともに、皆様のAVライフの一助となれば幸いです。


■ 広末涼子を楽しむための映画

20世紀ノスタルジア デラックス版
価格:4,700円
発売日:2002年4月25日
品番:PIBD-1140
仕様:片面1層
収録時間:約93分(本編)
     約27分(特典)
画面サイズ:16:9ビスタサイズ(スクイーズ)
音声:日本語(ドルビーデジタルステレオ)
発売元:パイオニアLDC
販売元:パイオニアLDC

 前回は「トレインスポッティング」ですか。それに比べてこの「20世紀ノスタルジア」はどうですか? 誤解を恐れずに言うならばこの映画は広末涼子の映画であり、広末涼子の魅力がぎゅっと詰まった映画といえよう。あれから7年。いろいろなことがあって“広末人気”もあの当時に比べれば明らかに落ち着いた。だからといってあの当時の広末涼子の魅力は色あせない。このDVDを見ればその魅力を知ることができる。さらにその舞台裏を納めた「広末涼子 in 20世紀ノスタルジア インフィニティ」があれば完璧だ。

 映画は宇宙人チュンセと名乗る少年、片岡徹と広末演じる少女、遠山杏の心の交流が描かれている。構成自体は悪くない。この二人は映画の制作を行なっていた……そう、物語のスタート時に片岡少年はその場にいない。残った膨大なテープを元に杏は映画の完成を目指し、その映画の編集を通して2人の心の交流が描かれていく。いや、交流と言うよりは杏の一方的な“想い”が暴走しているのだが。

 そこにはミュージカルを織り込むなど多彩な演出を活用する一方で、フィルムとテープが交錯する不思議な映像に仕上がっている。ストーリーが進むうち、2人の心の交流と言うよりは片岡の足跡や考え方ををたどる旅のような雰囲気となっていく。

 と解説すればいい感じだが、やはりこの片岡徹というキャラクタが突飛な存在という感は否めない。もちろん演出意図として少年を宇宙人とすることで、引きこもり気味な少年から客観的に社会を眺めるというのはわかる。でも、映画を実際に見ればわかるのだが、やはりこの少年の絶望的なキャラクタを素直に受け入れることは難しいかもしれない。最後には杏の想いに引きずられ、ある意味強引にハッピーエンドとなる。そういった意味でも、やはりこの映画は広末涼子を楽しむための映画という気がする。


■ 広末涼子15歳から17歳までの魅力がイコールこのDVDの魅力

インフィニティ
広末涼子in20世紀ノスタルジア
デラックス版
価格:3,800円
発売日:2002年4月25日
品番:PIBW-1079
仕様:片面1層
収録時間:約57分(本編)
画面サイズ:4:3
音声:日本語(ドルビーデジタルステレオ)
発売元:パイオニアLDC
販売元:パイオニアLDC
 この映画、'95年に一度撮影され、撮影が一時中断。その後'97年に撮影が再開される。回想シーンは'95年に撮影されており、これは広末涼子15歳当時の話。DVDを見ればわかるが、あきらかに雰囲気が違う。'95年当時の広末涼子はやはり素の部分が大きい。むしろ下手に演技をしていないだけに15歳の広末涼子のほうがイキイキした雰囲気さえある。何物にも変えがたい真っ白な魅力がある。特に'95年に撮影された片岡徹と初めて出会う橋の上のシーンでの広末涼子は、少女としての微妙な魅力でいっぱい。

 筆者が初めて広末涼子に注目したのは、ヤングジャンプにはじめて掲載されたグラビアだった。「スポーツ小町、ドキッ」と題されたグラビアで、デビュー間もない広末を高知で撮影したものだった。この掲載が9月で、その冬にNTTドコモのCMで大ブレークとなるのだが、この夏と冬ではガラリと雰囲気が変わっている。'95年の広末涼子はさらにそれ以前と言うことで、本当に普通の女の子としての魅力が素の表情でフィルム(実はビデオだが)に収められている。これは非常に貴重。

 「20世紀ノスタルジア デラックス版」には映画本編の他にメイキングムービー「冬休みの映画日誌」が約27分収録されている。実は「冬休みの映画日誌」と前述の「広末涼子 in 20世紀ノスタルジア インフィニティ」は映像がかなりかぶっている。つまり映画本編が見たい人はデラックス版だけを購入すればいいだろう。では、「インフィニティ」を購入する意味はないのかといえば、それはちがう。

 理由はいくつかある。1つは映画のオーディション映像が収録されいるのは「インフィニティ」だけなのだ。これは貴重であり、広末ファンとしてはかなり重要だ。もう1つは、この「インフィニティ」の編集が犬童一心氏(監督、構成は鈴木秀幸氏と共同)というところ。犬童氏と言えば池脇千鶴が出演した「金髪の草原」を撮った監督である。デラックス版に収録されている「冬休みの映画日誌」がダラダラと映像を流しているのに比べて、「インフィニティ」は1本のドキュメンタリィとしてキチンとまとめられている。その中心には常に広末涼子がおり、魅力が引き出されている。子犬のようにサッカーボールで遊ぶ広末涼子は、いまではどうあっても見られない姿だと思う。

 「インフィニティ」には、広末涼子の撮影の合間のたわいもない会話を納めた「杏の思い出」が11分、舞台挨拶などを納めた「インフィニティplusα (再編集版) 」が19分収録されている。これらもファンにとってはうれしい贈り物だ。ただ、個人的には徳間本社で行なわれた完成披露試写会の様子も収録して欲しかった。このときの広末涼子は真っ赤なドレスで登場して、そりゃもうかわいかったのだから……。会場には自分の映画の制作の合間に会場に駆けつけた、庵野秀明監督の姿もあったのを思い出す。ちなみにこの2本も犬童氏が監督、編集として制作に関わっている。

 映画本編を見たい人は「デラックス版」と書いたが、広末ファンとしてはうまくまとまっているだけに「インフィニティ」だけ買えばいいような気もする……。でも、どうせ買っちゃうんだよね、全部。

●このDVDについて
 購入済み
 買いたくなった
 買う気はない

     

前回の「トレインスポッティング 特別版」のアンケート結果
総投票数243票
[購入済み]
43票
18%
[買いたくなった]
96票
40%
[買う気はない]
104票
43%

□パイオニアLDC
http://www.tdf.toshiba.co.jp/tdf/
□「20世紀ノスタルジア デラックス版」製品情報
http://www.stingray-jp.com/~pldc/view_data.php3?softid=126761
□「インフィニティ 広末涼子in20世紀ノスタルジア デラックス版」製品情報
http://www.stingray-jp.com/~pldc/view_data.php3?softid=127940

(2002年5月7日)

[funatsu@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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