気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】

第68回:定番のテレビ試聴/録画ソフトがバージョンアップ
インタービデオ「WinDVR 2」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

定番ソフトのバージョンアップが気にかかる

 我が家で現在稼動中のテレビキャプチャ/録画ソフトはアイ・オー・データの「mAgicTV」でございます。これは使いやすくていいソフトだとは思うんですが、ノートPC用に購入した「GV-BCTV5/USB」だとキャプチャユニットを接続していないと起動すらしないなど、ちょっと不満が残る部分も残ります。

 しかし、これまでに使用したテレビ試聴/録画ソフトの中で一番使いやすいのはコレ。我慢して使うかなー、と思ってるところに、なかなかよさげなソフトがリリースされました。それがインタービデオの「WinDVR 2」でございます。

 「WinDVR」といえば、現在我が家のデスクトップPCで活躍中のビデオキャプチャカード、カノープス「WinDVR PCI NE」に付属していたソフト。それが今回メジャーバージョンアップした、というもの。他のビデオキャプチャカードにも結構バンドルされていて、いわば「定番」とも言えるソフトでございます。

 「WinDVR」は結構使い慣れたソフトだから、バージョンアップしてもこれまでの感覚で使っていけそうだし、なによりも魅力的なのが新機能。

 高画質化のために、テレビの映像をプログレッシブ化し、さらにノイズを低減する表示する「アドバンス・デインターレース機能/ノイズフィルター」を搭載。ほかにもさまざまな新機能を搭載しているのだとか。うーん、気になる。


要求スペックはちょっと微妙かも?

 ということで、やってきました秋葉原。パッケージを確認してみると、対応OSはWindows 98 SE/Me/2000/XPで、必要動作環境はPentium III 500MHz以上、またはAthlon 600MHz以上。なお、タイムシフト再生時は「さらに高速なCPU」が推奨されております。

 そのほかにもWDMドライバのあるビデオキャプチャ製品が必要。ま、これは低価格帯のビデオ/テレビキャプチャカード製品は大抵WDMドライバを使用するタイプ。現在デスクトップ環境でメイン使用中の「WinDVR PCI NE」ももちろんWDMドライバを使用するタイプ。

 CPU環境については、タイムシフト再生時に「より高速なCPU」が推奨されております。が、具体的なクロックスピードなどの記述はなし。まー、カード付属のビデオキャプチャソフトと違って、単体販売されているこのソフト、ビデオキャプチャカードとCPUの組み合わせなど、環境によって動作状況は異なりますから、一概に定義するのは難しいのはわかりますが、目安くらいは欲しいかなーと思います。結果がまちまちで、検証に多大な労力がかかるのはわかりますけどね。

 なにせマイデスクトップPCはWindows 2000をインストールして、CPUにCeleron 800MHzを搭載したもの。条件的にはかなり微妙。んー、タイムシフト時の推奨環境が少々気になりますが、ま、動かないってことはないでしょう。

 ということで、ご購入。標準価格は5,980円ですが、販売価格は4,680円で約2割引き。安いぞ。


インストールはドライバ導入もなくラクチン

 では、インストールをば。DirectX8.1を必要とするため、CD-ROMを挿入すると、まずDirectX8.1がインストールされ、その後に「WinDVR」のインストールが始まります。一緒のインストーラーでDirectXまで導入してくれるので、DirectX導入を忘れて「WinDVR」が起動しない、というミスも防いでくれます。

 で、インストール完了。特にドライバ導入を要求することもなく、普通のアプリケーションを導入するのと同様に終わりました。んー、「mAgicTV」は別途ドライバをインストールする必要があったけど、これは大丈夫なんでしょうかねー? とりあえず「WinDVR PCI NE」を挿した状態で起動してみますか。

 すると、問題なく起動できました。どうやらWDMの汎用ドライバで普通に起動するみたいです。うーん、なかなか優秀。簡便にインストールできるので、テレビキャプチャが初めて、という方でも迷うことはないと思います。

 それでは「WinDVR」を起動してみますかね。前バージョンの起動スピードは約40秒程度。それに対して「WinDVR 2」では起動スピードは20秒程度。うーむ、かなり高速化してますね。これだけでもメリットは大きいかも。

 ほかのテレビ試聴/録画ソフトでは、初回起動時に居住地域の選択などを聞くダイアログでチャンネル設定を行なうものもありますが、「WinDVR 2」では特にはなく、まずは受信チャンネルを設定する必要があります。

 とはいえ、チャンネルの設定は簡単。起動後にセッティングのダイヤログを開き、「チャンネル」のタブを選択。するとチャンネル設定画面になるので、ここで「オートスキャン」を選択するだけ。これで受信可能なチャンネルを自動的に検索してくれます。

 さすがに局名までは自動で設定されませんが、手動で設定することも可能。もちろん、ここで設定した局名はチャンネルサーフィン時などにも反映されます。ま、問題ないんじゃないでしょうか。

パッケージ。なんというか、アメリカンな感じ? 同梱品一覧。うーん、シンプル・イズ・ベストな内容


新機能の効果はいかほど?

 さて、期待の「アドバンス・デインターレース機能」や、ノイズフィルタの効果はといいますと。うん。インターレース特有の櫛状のノイズ感は全くなし。以前は、動きの早いシーンでは結構気になっていただけに、この効果はかなり大きいですね。

 ノイズフィルタの効果はというと、うーん、どうなんだろ? て我が家の受信状況は、ケーブルTVが導入されかなり改善されていて、これまでもあまり不満は感じてなかったんだよねー。正直あまり変わらないような……。

 ということで、ロッドアンテナ接続時はノイズがバリバリに気になるアイ・オーのUSB接続テレビキャプチャユニット「GV-BCTV5/USB」でも試してみることにしました。

 マイノートPC、ソニー「PCG-SRX3」にインストール後、とりあえずデバイスなしの状態で起動してみましたが、「GV-BCTV5/USB」に付属のテレビ試聴/録画ソフト「mAgicTV」と違って、この状態でも起動はします。一応「デバイスを参照できませんでした」との警告は出ますが、テレビの試聴、録画以外の機能は使えます。つまり、iEPGサイトの参照や、録画した番組のチェックが可能ということ。うーん、「mAgicTV」の最大の弱点はこれですから、これだけでも乗り換える価値があるかも……。

 それはそれとして、デバイスを接続して、ロッドアンテナでの受信状態を確認すると、うーん、やはりまだまだですねー。しかし、これまでの「mAgicTV」に比べると多少見やすい画面になっているのは確か。でも、メリットはあまり感じられない、というのが正直な感想でしょうか。

 しかし、ノートPCで、しかもUSB経由のデバイスでも問題なく利用できるってのはいいですね。インストールはデバイスを接続してない状態で行ないましたが、インストール後にデバイスを接続してもすぐに認識してくれて、デバイスの情報を確認してみると、ちゃんと「GV-BCTV5/USB」と表示されてます。

メインウィンドウ。全画面表示にするにはここをダブルクリック キャプチャデバイスは自動で認識。かなり優秀

コントロールバー。スキンを2種類から選択可能


録画関連機能はちょと使いにくいかも

 では、続いて録画予約関係。前バージョンでは「インターネットテレビガイド」が設定されていましたが、今回のバージョンでは新たに「On TV Japan」と「テレビ王国」がテンプレートに登録されてます。で、デフォルトで設定されているのはSo-netの運営するiEPGサイト「テレビ王国」。

 EPGを参照するには、コントロールバーの「EPG」ボタンを押すだけ。「テレビ王国」の番組情報は1ページに全局のデータを表示して、1ページで参照できる時間帯は4時間。うむ、この程度表示してくれれば一覧性は高いですね。サーバーのレスポンスも良好で、ページ切り替え時のストレスもあまりありません。

 しかし、やはりインターネット上の情報。目当ての番組を検索したり、1週間先の番組を参照する際には相変わらず手間がかかります。んー、自分ランキングの中ではADAMS-EPG+が最強の位置を保ってます。

 録画予約は、サイト上の「予約」ボタンを押すと、録画予約ダイヤログが表示され、録画品質などを選択し、「スケジュール追加」を押すと予約完了。ただ、ソフト上で地域設定が行なえないため、チャンネルを手動で入力する必要があるのが少々手間。ま、数字を入力するだけなんですがね。マウスから手を離さないといけないのは面倒なのは確かです。

 しかし、録画開始時間の微調整が行なえるので、「定刻から30秒程度流れるCMを録画したくない」というようなマニアックな録画には結構いいかも。録画時に作成されるファイルは普通のMPEG形式ですから、録画後の編集や試聴もラクなソフトだと思えます。

 録画形式の設定も、なかなかマニアック。最大ビットレートは14.6Mbpsで、最大録画解像度は720×480ドットのFull D1(プレビュー解像度は640×480ドット)。そして、今回のバージョンアップで便利になったのがプロファイルの設定。

 これは録画するMPEGファイルを、DVDやVCD、SVCDへのライティングに適した設定にするもので、設定はテンプレートから目当ての形式を選択するだけ。うん、これならバックアップも簡単です。

 そして、結構気に入っている新機能が「ビデオデスクトップ」。これはOSのデスクトップ画面をテレビ試聴用のスクリーンとするもので、全画面表示時にウィンドウを全画面で表示するか、「ビデオデスクトップ」にするかを設定できるようになってます。

 最初は「OSになにか悪さするんじゃ」とか思ってましたが、今のこところ普通に動いてますし、何かの作業をしながらニュースを確認する、という使い方ができてなかなか重宝してます。

 ま、デスクトップ上のアイコンは視聴に邪魔だし、ほかにウィンドウを開くとデスクトップ画面が隠れてしまうので、作業中はあまり熱心には見ていません。しかし、タスクバーの「デスクトップを表示」をクリックするだけでデスクトップ画面でテレビが確認できるし、テレビ視聴時でもタスクバーが表示されているので作業に戻るのも簡単。やー、ホント気軽に視聴できるのがいいですね。

 インターフェイスは前バージョンを踏襲したもので、「WinDVR PCI NE」を使っていた自分にとってわかりやすいし、前バージョンを使い始めたときも特に迷うことはなかったので「使いやすい」としていいと思います。けど、マイマッシーンだとタイムシフト再生がちょーっと重いッスね。

 そのほかの機能も前バージョンと変わらず、違和感はなし。チャンネルの切り替えは上下のカーソルキーで可能ですし、右クリックでサブメニューを呼び出すこともできる。ズーム機能やパンスキャンなんかもできるし、静止画で各チャンネルの状況を一覧できる「チャンネルサーフィン」は最大16分割まで拡張。かなりの高機能ですな。基本的に使いやすいソフトだと思います。

 が、番組情報の一覧性や、録画予約の簡便性などを考えると、「mAgicTV」の方が使いやすいかなー。ま、「アドバンス・デインターレース機能」がありますんで、画質的には「WinDVR 2」にアドバンテージがある、って感じでしょうか。

EPG情報は「WinDVR」上から参照。サイト上の「予約」をクリックすると録画予約ダイヤログが開く 録画予約ダイヤログ。開始時間の微調整までできて、かなりマニアック

プロファイル編集のダイヤログ。VCDなどにあわせたテンプレートが用意されている 「チャンネルサーフィン」画面。最大16分割で表示できるが、動作はちょっと遅め


手軽なアップグレード手段にぜひ

 デスクトップでテレビ放送を確認できる「デスクトップビデオ」など、さらに使いやすく、PCと一体化を目指したつくりになっていると思います。

 ADAMS-EPG+に対応していない分、個人的には録画予約環境には満足できませんが、同一のアプリケーション上から録画予約が行なえるなど、このソフトならではのメリットもあり。So-net「テレビ王国」のインターフェイスは、他のiEPGサービスに比べて一覧性も高いし、ページ移動も比較的高速。そこそこ使える録画予約サービスではないかと。

 何よりも録画状況がプロファイルの設定で簡単、かつバリエーション豊富に選択できるのがいいですね。ノートPCなど、容量制限の厳しい環境では、こまめにバックアップしていく必要があるわけで、SVCDやVCDのプロファイルで録画して、そのまま気軽にSVCDやVCDを作成できるのがよろしい。

 録画したファイルも独自形式でなく、MPEG形式で直接保存してくれるのでCMカットなどの編集も容易。他のアプリケーションでも再生できるので、独自形式保存、アプリケーション起動にデバイスの参照を必要とする「mAcicTV」に比べて手間はありません。ま、録画した番組を管理するのは少々面倒ですが、ストレージしておく期間の短いノートPCならば問題ないでしょう。

 価格も安いし、今のビデオキャプチャカード付属のテレビ試聴/録画ソフトに不満を感じている方には手軽なアップグレード手段になるんじゃないでしょうか。ま、リモコンには対応してない様子なので、自分の場合はデスクトップ環境では「mAgicTV」を、ノートPC用に「WinDVR 2」という使い方になると思います。「mAgicTV」と違ってキャプチャボックスを挿してなくても録画した番組を確認できるし。

□インタービデオのホームページ
http://www.intervideo.co.jp/
□製品情報
http://www.intervideo.co.jp/products_dvr.htm
□関連記事
【5月24日】インタービデオ、テレビ録画/視聴ソフトの最新版「WinDVR 2」
-アドバンス・デインターレース機能や、ノイズフィルタを搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020524/interv.htm

(2001年6月26日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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