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第42回:スタートレックファンならば間違いなく買い!
「新スタートレック コンプリートシーズン1
完全限定スペシャルプレミアムボックス」~

 怒涛のように発売されつづけるDVDタイトル。本当に購入価値のあるDVDはどれなのか? 「週刊 買っとけDVD!!」では、編集スタッフ各自が実際に購入したDVDタイトルを、思い入れたっぷりに紹介します。ご購入の参考にされるも良し、無駄遣いの反面教師とするも良し。「DVD発売日一覧」とともに、皆様のAVライフの一助となれば幸いです。


■ 長寿を誇るSFテレビドラマ

新スター・トレック
DVD コンプリート・シーズン(1)
完全限定スペシャル・プレミアム・ボックス
価格:23,800円
発売日:2002年7月5日
品番:PDS-1013
仕様:片面2層7枚組み
収録時間:1,183分
画面サイズ:4:3
音声:ドルビーデジタル5.1ch(英語)
   ドルビーデジタルモノラル(日本語吹き替え)
販売元:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

 「スタートレック」ってご存知だろうか。スタートレックは、元々はアメリカで製作されたテレビドラマで、過去30年の間に「スタートレック・ザ・オリジナルシリーズ('66-'69)」「スタートレック・ザ・ネクストジェネレーション('87-'94)」、「スタートレック・ディープスペースナイン('93-'99)」、「スタートレック・ヴォイジャー('95-2001)」の4本が製作・放映された(その他にもアニメーションもあるが……)。

 アメリカでは現在もスタートレックの新しいシリーズ「スタートレック・エンタープライズ(2001-)」が製作・放映されている、数あるテレビドラマの中でも長寿を誇り絶大な人気のあるテレビドラマなのだ。

 日本国内でも「オリジナルシリーズ」が「宇宙大作戦」として、「ザ・ネクストジェネレーション」は「新・スタートレック」として、また「ディープスペースナイン」などが民放でも放映されていたため、ご存知の人も多いのではないだろうか。

 今回紹介する「新スタートレック コンプリートシーズン1 完全限定スペシャルプレミアムボックス」は、オリジナルシリーズ終了から実に20年後の、'87年から放映された2本目のスタートレック「スタートレック・ザ・ネクストジェネレーション」の完全DVDバージョンだ。

 スタートレックというと、日本ではオリジナルシリーズに登場する「カーク船長」、「ドクターマッコイ」、「ミスター・カトウ」、「ミスター・スポック」といったクルーが有名なのだが、「ザ・ネクストジェネレーション」はその名前が示す通り次世代のスタートレックなのである。


■ 宇宙人嫌いでも安心! ただのSFドラマではないのだ

 「宇宙、そこは最後のフロンティア……」おなじみのナレーションでストーリーは始まる。時は24世紀。惑星連邦の新造ギャラクシー級宇宙戦艦「USSエンタープライズ NCC-1701D」の「ジャン=リュック・ピカード」艦長をはじめとしたクルー(エンタープライズ・ファミリーと言ってもいいかもしれない)が、宇宙や惑星、さまざまな異文明を舞台に冒険を繰り広げるドラマである。

 時は未来、宇宙を舞台としたドラマということもあり、初めて目にする人はガチガチのSFドラマを想像するかもしれない。しかし、スタートレックがなぜこんなに人気があり、こんなに長寿なのかは、スタートレックがただのSFドラマではないからなのである。「SFドラマってちょっと……」とか、「宇宙人が出てくるのはなんとなくイヤっ」ていう、B級SF嫌悪症の人でも安心して見ることができる良質のドラマなのだ。B級SFにありがちな、薄っぺらいストーリーが展開するのではなく、SFの味付けをしたヒューマンドラマだと思って欲しい。

 全177話のなかには、時にはクルー同士の恋愛物語もあり、また人種差別をテーマにし、社会問題を扱っているエピソードや、法廷ドラマもある。見終わったあとにハッピーな気分になるエピソード、ほろっとさせる悲しい物語。敵対する宇宙人との激しい戦闘もありと非常にバラエティーに富んでいるのである。なんというかドロップ缶に色々な味のドロップがたくさん入っている、そんな感じかもしれない。

 シーズン1完全限定スペシャルプレミアムボックスに納められているのは全177話のうち、第1シーズン第1話「未知への飛翔(Encounter at Farpoint, Part I/Part II)」から26話「突然の訪問者(The Neutral Zone)」まで。また、映像特典も収録されているのも嬉しい。

 なお、「ザ・ネクストジェネレーション」は、パイオニアLDCから全エピソードのレーザーディスクが発売されていたが、映像面では当然のことながらレーザーディスクとは段違い。三菱「LVP-L10000」(プロジェクタ)、パイオニア「DVL-919」(プレイヤー)、ヤマハ「DSP-R795」(AVアンプ)、ボーズ「AM-10II」(5.1chスピーカー)という環境(一世代ほど前の環境であるが)で比べてみたが、やはりDVD版は素晴らしい。

 段違いの迫力で迫ってくる。音声は英語が5.1chドルビーデジタル、日本語がモノラル。日本語がモノラルなのは残念だが、英語で視聴すればテレビで見たときとはまったく違った迫力のある音声で楽しむことができる。保存版としては最適だといえるだろう。


■ スタートレックファン必携だ!

いかにもスタートレックに登場しそうなパッケージ

 ところで、今回のDVD化にあたり、スタートレックファンならそれこそ泣いて喜ぶような特典がいくつか用意されている。まずは、パッケージ。今回発売されたDVDは「コレクターズボックス」と「完全限定スペシャル・プレミアム・ボックス」の2つがあるが、スペシャル・プレミアム・ボックスのパッケージは、いかにもスタートレックに登場しそうなプロップ(小道具)を模して作られている。これから発売されるシリーズも同様のパッケージで発売されるので、全部揃えれば気分はまさに24世紀なのである。

 2つ目はDVDメニュー。エンタープライズなどに搭載されている「LCARS」と呼ばれるコンピュータスクリーンを模して作ってある。起動時(メニューが表示されるとき)には、起動画面が表示され、操作をするとおなじみのコンピュータ作動音(ピピッとかキョロロロ……とかいうアレ)とともに、画面が切り替わる。メニューもファンを意識した作りで、再生は「ENGAGE」、音声・字幕は「COMMINUCATIONS」、チャプターリストは「CHAPTER LOG」なのである。

 きっと、「CHAPTER LOG」は「CAPTAINS LOG」とかけているんだろうなあ、と思わずニヤりとしてしまうのであった。また、特典映像などの再生終了時には「END OF TRANSMISSION」の文字と共に惑星連邦のシンボルマークが表示されるという凝り具合。いやー、このあたりはほんとにファンを意識して作ってるなあ、って感じというか、きっとファンが作ってるんでしょうね。まさに、気分はエンタープライズのクルーなのである。

 ただ、ユーザーインターフェースデザインはいいのだが、機能的にはやや問題もある。サブメニュー「COMMUNICATIONS」を選択すると音声と字幕の切り替えができるのだが、字幕に関しては「英語」と「日本語」しかえらべない。つまり「字幕なし」がメニューでは設定できないのである。デフォルトは英語音声、日本語字幕だが、音声を日本語にすると、日本語音声、日本語字幕といった感じになってしまうわけ。DVDプレーヤー側の操作(字幕切り替えボタン)で字幕のコントロールをすれば、字幕を消去することもできるが、なぜメニューからできないのか疑問が残る。

 3つ目は特典映像。同梱されている全7枚のディスクのうち、7枚目のディスクにはスタートレックシリーズの生みの親、故「ジーン・ロッデンベリー」や製作スタッフ、「パトリック・スチュワート(ピカード艦長役)」などの出演者インタビュー、製作風景などを収録したメイキングなどが収録されている。スタートレックファンならば、特典映像を見ただけでも「おなかいっぱい」になるハズだし、たとえ熱烈なファンじゃなくても本編と同じくらい楽しめるだろう。


■ 当然、続くシリーズも「買い」でしょ!

 さて、先にも書いたように、今回DVD化されたのは全177話のうちの第1シーズンの26話のみ。つまり、まだまだ7分の1なのである。先は長い。後のシーズンでは、ボーグと呼ばれる強大な敵異星人も登場、映画顔負けの特撮シーンもあり、アンドロイドのデイタがより人間っぽくなるなどクルーの内面を深くつくドラマや恋愛ドラマ、泣かせるドラマあり、コメディーありとますます面白くなっていくのである。

 今後は以降のシーズンも発売される予定なので(シーズン2は9月6日、シーズン3~7も発売予定)、スタートレックファンならば「全部買い」に走るのは当然だと言える。もし、今回初めてスタートレックを見るということならば、是非とも最後まで購入して、どっぷりとスタートレックの世界にハマりまくってほしい。

 そうそう、今回改めて「ザ・ネクストジェネレーション」の第1シーズンを見たわけだが(仕事そっちのけで結局全部見てしまったのは秘密)、「ザ・ネクストジェネレーション」だけではなく、「オリジナルシリーズ」や「ディープスペースナイン」、「ヴォイジャー」など他のスタートレックシリーズも、是非ともリリースして欲しいと強く思ってしまった。全部買うのでぜひともDVD化してください。お願いします。

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106票
30%

□パラマウントホームエンタテインメントジャパン株式会社のホームページ
http://www.uipjapan.com/phej/
□製品情報
http://www.uipjapan.com/phej/startrek/tng/index1.htm

(Text by 広野忠敏)

(2002年7月12日)


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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