~ 序章:ノイズ、レベル、波形変化の検証法 ~ |
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■ 24bit/48kHzのチェック用データを生成、WaveSpectraのFFT設定も変更
1番目の実験では、PC内部の雑音が影響する可能性を考え、あまりドライブ類(CD-ROM、HDDなど)が動いていない状態と、ドライブ類が動いている状態の2種類を試したい。そこで、ドライブ類の作動時のチェックは、CD-ROMドライブからHDDへのリッピングをすることにした。また、リッピングに使うソフトはWindows Media Playerを選んだ。さらに、ノイズレベルを見るとともにDCオフセット値がどのくらいあるかも一緒に確認する。なおレコーディングにおけるサンプリングレートおよびサンプリングビット数は多くのオーディオインターフェイス、サウンドカードが対応している48kHz/24bit/ステレオとした。
実験2で使う-20dBの矩形波 |
2番目の実験はあくまでも波形を見るだけであるが、そのレベルがオリジナルと比較してどうなのかも確認してみる。当初、1kHzで-6dBの矩形波を使って実験してみようとしていた。しかし、レベルが小さいほうが差が出やすいのではないかと考え、-20dBのデータを生成。こうしたデータの生成もすべて48kHz/24bit/ステレオのデータで作った。
そして3番目の実験は、-6dBのサイン波を120秒かけてスイープさせる信号を用い、周波数によってどのくらいの減衰があるのかをチェックする。この結果を視覚的に見るために、以前、MP3などのオーディオ圧縮技術の比較記事でも扱ったefu氏のフリーウェア、WaveSpectraというソフトを用いる。ただし、以前のオーディオ圧縮の比較記事のときとは異なり、横軸をリニアではなくLog表示させることにした。
4番目の実験もWaveSpectraで結果を確認する。ただし、こちらもより精度を上げた表示にするために、FFTのサンプルデータ数を最高の65536に引き上げる。
本連載ではおなじみのフリーウェア「WaveSpectra」。次回からは横軸をリニア表示からlog表示に変更する | スペクトラム表示の設定メニュー。ここで縦軸と横軸をdB、Logへと切り替え可能 | 精度を高めるため、FFTのサンプルデータ数を「65536」に |
いずれの実験もノイズや歪みなどは、出力側と入力側の2つの影響を受ける。そのため、ノイズなどは倍増される可能性もあり、当然メーカーが公表している数値などよりも悪い結果にはなるだろう。また、あくまでも筆者の手元のマシンを用いた小規模実験なので、この点でもメーカーの公表値などと比較して悪い結果になると思われるが、より実際の使用環境に近い実験といえるかもしれない。
■ 家庭では難しい? それでもノイズを確認
Sound Engine |
続いてはレベル調整。本来は出力も0dB、入力も0dBに設定して行ないたいのだが、多くのオーディオインターフェイスでは、こうした設定ができない。たとえば、UA-700では出力、入力ともに操作パネル上のボリュームをコントロールして設定する。仕方ないので、テスト信号として1kHzのサイン波を-6dBで出力し、それの入力レベルが約-6dBになるように、各ボリュームを設定することで、基準値とすることにした。
各実験の詳細については、次回掲載したいと思うが、さわりだけを紹介しておこう。たとえば、一番気になる無音時のレコーディング状態、つまりノイズレベルがどの程度あるかだが、UA-700の場合、最高で-75dB程度のレベルでノイズが発生しており、平均的に見ると、-85dB前後のDCオフセットが発生していることがわかる。ただし、CD-ROMドライブとHDDを動かしながらでの測定でも、この結果はほとんど変わらなかった。
疑り深く考えると、ノイズゲートを設置し、一定レベル以下のノイズをカットしているという可能性も考えられるが、それならば、このように表示されるノイズもすべて0レベルになっているはずなので、この結果が実際のところなのだろう。
では、次回以降、代表的なオーディオインターフェイス、サウンドカードなどをチェックしていきたいと思う。
□フックアップのホームページ
http://www.hookup.co.jp/
□製品情報(Vital Audio)
http://www.hookup.co.jp/products/music/vital/vital.html
□関連記事
【2002年8月26日】【DAL】波形編集ソフトの性能とは?
~ その3:Sound ForgeとWaveLabを比較する ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020826/dal68.htm
(2002年12月16日)
= 藤本健 = | ライター兼エディター。某大手出版社に勤務しつつ、MIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。最近の著書に「ザ・ベスト・リファレンスブック Cubase VST for Windows」、「サウンドブラスターLive!音楽的活用マニュアル」(いずれもリットーミュージック)などがある。また、All About JapanのDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも勤めている。 |
[Text by 藤本健]
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