■ 今週はCES特集 CES~はひろいーなー大きーいなー、というわけで`「Electric Zooma! in ラスベガス」である。CESが開催されているLVCCの会場は、大きく分けると3つのエリアに分かれている。昨日のZooma!でお送りしたセントラルホールはAudio/Videoエリアと位置付けられており、我々AV Watchチームに関係のあるブースは、ほとんどここに集まっている。 一方セントラルホールの右側に位置するサウスホールは2階建てで、1階がホームシアター関係、2階が携帯電話などのワイヤレス系となっている。反対の左側のほうがノースホールで、こちらはカーオーディオがメインだ。 本日のZooma!は、ノースホールとセントラルホールの間にあるミーティングルームと、サウスホール1階の模様をお伝えする。
■ Digital Handycamの新製品続々のSONY
主立った製品は、すでにプレスカンファレンス篇でお伝えしているが、Digital Handycamの新製品はあまりにも数が多くてご紹介できなかったので、ここでまとめておこう。 新モデルのメインは、TRVシリーズの拡充だ。上位モデルとなるDCR-TRV80は、2メガピクセル 1/3.6インチのCCDを搭載したモデル。Bluetoothを内蔵し、ワイヤレスでネットへの接続が可能。またUSB 1.1コネクタも装備している。モニタサイズは3.5インチと、従来のTRVシリーズの標準的なスタイルとなっている。米国での価格は1,499ドル。
その下位モデルとなるDCR-TRV70は、光学系は同じだが、モニタのサイズが2.5インチとやや小さい。Bluetoothはなく、USB 1.1を搭載。別売でUSBをEthernetに変換するケーブルを使用すれば、ネットワークにダイレクトに接続できる。ルックス的にはRTV-70はレンズ部が突出したスタイルになっており、かなりスマートな印象だ。 インターネットに接続することを考えれば、Bluetoothは無線だが、ネットに接続する際にはBluetooth専用モデムを使って電話回線などを使う必要がある。しかしこの方法では速度が限られるため、画像のアップロードや重たいコンテンツにアクセスするには不向きだ。しかし変換ケーブルを使えば、USB 1.1ながらもEthernetにダイレクトに接続することで、速度的にかなり快適な環境が得られるだろう。
DCR-TRV39は、1メガピクセル 1/4.7インチCCDを搭載したモデルで、3.5インチモニタを装備するスタンダードモデル。USB 1.1端子を搭載し、上位モデル同様ネットワーク接続が可能だ。
そして、エントリーモデルとして登場したのが、DCR-TRV33、同22、同19の3モデル。TRV33は、1メガピクセル 1/4.7インチCCDを搭載したモデルで、2.5インチのモニタを採用したため、かなりコンパクトになった。 3モデルともサイズおよびデザインはほとんど同じで、USBなどのインターフェイスはない。TRV22はCCDの画素数が少なくなり、TRV19はさらにビューファインダもモノクロと、段階的にコストダウンが行なわれている。これらのモデルは、日本国内でも販売される予定だ。そのほか、米国向けの製品として、Hi8やデジタルHi8の新モデルも発表された。
今回のCESでは、各メーカーとも、DVカメラの市場投入が著しいのが特徴だ。米国ではいまだにコンシューマのビデオカメラの主流はアナログだが、そろそろデジタルへのリプレースの時期と見ているのだろうか。このあたりの事情を、米ソニーのプロダクトマネージャに伺ったところ、米国のユーザーが最も気にするのは、価格であるという。 DVカメラはどんどん小型化されているが、こういった小さいモデルは米国では受けが悪いという印象がある。しかし実際には、小さすぎることを気にする人はほとんどいないとのこと。 小型モデル、あるいはDVカメラと言ってもいいかもしれないが、これが今まで米国であまり売れなかったのは、単に値段が高かったからというところが真相のようだ。そういう意味では今回のTRV-33以下のモデルは、日本市場ではスペック的に物足りない感じだが、画質に対してこだわる人が比較的少ない米国では、完全にストライクゾーンということになるだろう。
■ DaewooはDVD+RW 同じくミーティングルームでは、Daewooがブースを構えていた。セントラルホールにもブースがあるのだが、そちらではCDプレーヤーなどの既存製品を出展し、ミーティングルームでのみAV製品や洗濯機、電子レンジなどを展示していた。
日本で流行のミラー張りフロントパネルを採用するなど、デザイン的にも綺麗にまとまっており、なかなか好感が持てる。日本ではまだDVD+RWの据え置き型レコーダが発売されていないだけに、日本に入ってくると面白いことになりそうだ。
もう一つ「DQN-2000D」は、DVDプレーヤーとHDDレコーダのコンボモデル。40GBのHDDを搭載し、Highで12.7時間、Normalで35.7時間の録画が可能。ディスクのほうは、DVDビデオの他にDVD+RW、VCD、SVCD、CDDA、MP3となっており、DVD+RWの再生を正式にうたったプレーヤーは珍しい。
他製品に比べればデザインは悪くないが、ちょっと円形を強調しすぎてくどいような気がしないでもない。DVDプレーヤー + HDDレコーダの組み合わせは、日本ではあまり見かけないが、それだけにうまく隙間が狙える可能性がある。
□Daewooのホームページ(韓国語)
■ オーディオ系が充実のサウスホール1階 では場所を変えて、今度はサウスホールに行ってみよう。1階はホームシアターという位置づけだが、若干ピュアオーディオ製品も混じっている。 ここには日本では名前すら聞いたことがない有象無象のメーカーが、サラウンドシステムを出展しており、日本とはまったく違う市場を形成していることが伺えた。全体的にどのシステムもかなり大きめで、筆者の身長よりもデカいスピーカーとかが平気でドカドカ置いてある。各ブースごとに仕切りがないため、ほどんどのブース実際に音は出していないが、見ているだけでエラいことである。ここではとりあえず、日本市場に入ってきそうな製品をピックアップしてみよう。 ●Monster Game まず、日本では「モンスターケーブル」で知られるMonster製の、ゲーム機用小型サラウンドシステム、その名も「Monster Game」。青いのがプレイステーション用、緑のがXBox用だ。
同時にこのシステム用のコンポーネントビデオケーブルとオプチカルオーディオケーブルのパックもリリースされる。サテライト用スピーカーのケーブルは直出しだが、よくありがちな情けない電線ではなく、かなり太めのシールドが施されている。どんな音がするのか楽しみだ。
□Monsterのホームページ(英文) ●TANNOY FX5.1
最近のTANNOYはローエンドモデルもなかなか充実してきたこともあり、身長よりも高いスピーカを置く勇気と場所がない、多くの日本人の住宅事情からすれば期待が持てる。
□TANNOYのホームページ(英文) ●SENNHEISER PXC 250
実際に試してみたところ、会場内のノイズのうち、中低音から低音域にかけてのキャンセリングはかなり効く。逆に人の会話帯域はあまりキャンセルされずそこそこ聞こえるので、話しかけられても知らん顔ということにはならない。
従来のノイズキャンセリングヘッドフォンは、耳栓型か耳をすっぽり覆う密閉式のものが主流だが、PXC 250は普通の小型ヘッドフォンと変わりなくフィット感がいいので、長時間のリスニングでも疲れないだろう。
□SENNHEISERのホームページ(英文) ●StereoStone
そして、岩型スピーカー。色や形など、コダワリのバリエーションが沢山ある。ホテルや会社のロビーなどで、さりげなくサウンドレインフォースメントを行なうときなどにいいだろう。
□StereoStoneのホームページ(英文)
■ 総論 ビデオ関連製品では、日本や韓国といったアジア圏メーカーが中心となって市場をリードしている感が強い。一方オーディオ関連のほうは、米国でホームシアター市場が立ち上がってきたこともあり、かなり沢山の米国メーカーがひしめき合っているといった状況だ。 明日は比較的小さいもの、ポータブルデバイスを中心に見ていこうかと思っている。次のレポートをご期待いただきたい。
(2003年1月11日)
[Reported by 小寺信良]
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