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第86回:ロバート・デ・ニーロとエディ・マーフィーが初競演!!
銃撃戦とカーチェイスが大音量で迫る「ショウタイム」

怒涛のように発売されつづけるDVDタイトル。本当に購入価値のあるDVDはどれなのか? 「週刊 買っとけDVD!!」では、編集スタッフ各自が実際に購入したDVDタイトルを、思い入れたっぷりに紹介します。ご購入の参考にされるも良し、無駄遣いの反面教師とするも良し。「DVD発売日一覧」とともに、皆様のAVライフの一助となれば幸いです。


■ ロバート・デ・ニーロとエディ・マーフィーが共演

ショウタイム 特別版

価格:2,980円
発売日:2003年6月3日
品番:DL-22440
仕様:片面2層
収録時間:本編 約95分 + 映像特典 約28分
画面サイズ:シネマコープ(スクイーズ)
音声:1.オリジナル英語(ドルビーデジタル5.1ch)
   2.日本語(ドルビーデジタル5.1ch)
   3.音声解説
字幕:日本語/英語/音声解説用/吹替用
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
 今週、取り上げるのはワーナー・ホーム・ビデオの「ショウタイム 特別版」。劇場公開時に爆発的ヒットしたという記憶もないし、個人的にも特別注目をしていたわけではないのだが、弊誌に掲載しているDVDの売り上げチャートを見ていると、6月6日付けで初登場10位、6月13日付けで5位と、売り上げは好調だ。

 作品としても、ロバート・デ・ニーロとエディ・マーフィーが初競演という話題性もある。価格も、ワーナーのタイトルということで、新作ながら2,980円とお手ごろ。ということで、今回はあまり深く考えずに「ショウタイム 特別版」を購入した。


■ 刑事もの定番のストーリー

 パトロール警官トレイ・セラーズ(エディ・マーフィー)は、役者志望の夢を捨てきれぬ目立ちたがり屋。ある夜のロサンゼルスのコンビニ。トレイは、怪しげな男どもと密談する不審な人物に目をつけた。しかし、その男はロス市警きっての堅物で、勤続28年のおとり捜査官であるミッチ・プレストン刑事だった(ロバート・デ・ニーロ)。ミッチは麻薬ディーラー(モス・デフ)におとり捜査を行なっているまっ最中。しかし、勘違いしたトレイは、これぞ待ちに待ったチャンスと無線で応援まで呼んで、密売の現場に踏み込む。

 警察無線を傍受していたマスコミは、空からヘリ、地上からTV中継車でやってきた。動転した麻薬ディーラーは、大型マシンガンをぶっ放しつつ逃走。ミッチは追いかけるが、取材陣もしつこく追い回す。キレたミッチは、思わずピストルでTVカメラをぶち抜いてしまう。

 ミッチは、次の日の新聞の一面を飾ってしまうが、それに敏腕女性プロデューサーのチェイス(レネ・ルッソ)が目をつけて、ミッチとトレイを主役としたTV番組を企画。前代未聞の警察ドキュメント番組「ショウタイム」がスタートした。

 監督は「シャンハイ・ヌーン」の監督を務めたトム・デイ。脚本はこれがデビュー作となるキース・シャロンと、「リーサル・ウェポン4」のアルフレッド・ゴウ&マイルズ・ミラー。音楽はアラン・シルベストリ。製作は「レッド プラネット」のジョージ・サラレギーと、デ・ニーロの映画会社トライベッカ・プロダクションズからジェイン・ローゼンタール。製作総指揮には、ウィル・スミスも名を連ねている。

 やはり、こ映画でもっとも注目されるのは、ロバート・デ・ニーロとエディ・マーフィーの共演だろう。それも、刑事コンビとしての共演だ。エディ・マーフィーは、「48時間」や、「ビバリーヒルズ・コップ」と刑事アクションに数多く主演しているが、デ・ニーロは、警官に扮した作品は「フローレス」や「15ミニッツ」などがあるものの、アクションものではなかった。しかし今回は、デ・ニーロも身体を張った、体当たりの演技を見せている。

 新米刑事と、ベテラン刑事がコンビを組まされ、最初は衝突しているが、次第に友情のような連帯感が生まれるというのは、刑事ものとしては定番中の定番のストーリー。だからこそ、難しいことを考えずに観ることができる。デ・ニーロとエディという実力のある2人の丁々発止のやりとりも、安心して見ていられる。

 また、見所としては、やはり激しい銃撃戦とカーチェイス。そして、8万トンの水を使ったクライマックスと、とにかく派手なシーンが目白押し。それも、CGやVFXが前面にでたものとちがい、リアルなシーンがほとんど。本編が95分と、テンポよく、肩肘張らずに楽しめる作品にまとめあげられている。

 さらに、'80年代に刑事ドラマ「パトカー・アダム30」としても人気を集めたウィリアム・シャトナーが、デ・ニーロとエディ・マーフィーに刑事役の演技指導をする本人役で特別出演しているのも注目だ。個人的には、「あっ、カーク船長だ!」と思ってしまったが……。

 ストーリーとは直接関係ないのだが、密着カメラマンがCanonのDVカメラ「XL1S」(XL1かもしれないが)を使っていたことに驚いた。欧米では、かなり使われているという話は聞くが、放送局関連でも違和感なく使っている様子が垣間見えた。


■ 大迫力・大音量の銃撃戦とカーチェイス

 DVD Bit Rate Viewer Ver.1.4で見ると、本編の平均ビットレートは6.36Mbpsとあまり高くはない。しかし、実際に見た画質は、十分高画質。あまり、暗いシーンがないこともあるが、画質の面で不満になるようなところはなかった。

 音声は英語、日本語吹替えともにドルビーデジタル5.1ch。ビットレートは英語が448kbps、日本語が384kbpsとなっている。とにかく、銃撃シーンや、カーチェイスが多く、LFEも効果的に使われ音響面の迫力は高い。ボリュームに注意しておかないと、大音量に飛び上がるほど驚くかもしれない。是非とも、DTSでも収録してほしかった。一方、取り囲まれるようなサラウンド感があるシーンはほとんどないので、その点はあまり期待しない方がいいだろう。

DVD Bit Rate Viewerで見た平均ビットレート
 映像特典は約28分収録。メインは、音声解説がON/OFFできる未公開シーン集(13分)、「メイキング・オブ・ショウタイム」(14分)。そのほかにも、キャスト紹介もテキストで収録されている。

 未公開シーン集は、「トレイの告白コーナー」が最注目。告白シーンを、エディ・マーフィーが何通りもアドリブで演じていて、エディ・マーフィーのすごさを実感できる。

 一方、メイキング・オブ・ショウタイムは、ウィリアム・シャトナーが司会で面白くまとめているのだが、この映画の見所である銃撃シーンや、カーチェイスのメイキングがないのが残念なところ。収録時間も短いし、もう少し充実させて欲しかった。

 また、隠しボタン(いわゆる、Easter Egg)で、「ショウタイム プロモーションクリップ」(1分)を見ることができる。たいした内容でもないけれど、わざわざ「隠しボタン」と製品情報に書くぐらいなら、隠さなくてもと思ってしまう。ここでネタをばらすのも興味をそがれるかも知れないので、どこにあるかは書かないけど、結構探してしまった。

 さらに、監督トム・デイ、製作ジョージ・サラレギーによるオーディオコメンタリ(192kbps)も収録。トム・デイ監督は「2作目で、2人のスターと仕事ができて、学ぶことが多かった。スムーズに撮影が進んだのは2人のおかげだ」かなり影響を受けたようだ。

 「実力がある俳優なら、思うままに演じてもらうことが必要だということを肝に銘じた」、「デ・ニーロからは、スコセッシ監督の監督法を教えてもらった」とも語っている。また、エディ・マーフィーについては、「汚い言葉が散りばめられているはずだが、編集でうまく落としている」とのこと。ただ、アドリブでエディ・マーフィーが「エホバの証人」といっているところは、日本語の翻訳では単に「宗教」としているのが気になった。

 コメンタリーを聞いてはじめて理解できたシーンもあった。トレイがミッチに「格子柄のシャツはダサい。無地の方がいい」というシーンがあるのだが、本編だけ見たときはミッチは無地のシャツを着ていて、どいうことだろうと、疑問だった。コメンタリで、「柄が細かくて、映像で見るとほとんど無地に見えてしまう。後悔している」ことが明かされる。これを聞いてやっと理解できた。


■ デ・ニーロ父娘の共演も見逃せない

 豪華キャストに隠れがちだが、デ・ニーロの実娘ドレナ・デ・ニーロが出演しているのも見逃せない。出演シーンはそれほど多くはないが、父娘が同じフレームに入っているシーンも、ちゃんとある。また、本編最後にNG集があるのは、ハリウッド映画としては珍しいだろう。「シャンハイ・ヌーン」を監督したときに、ジャッキー・チェンに手法を教えてもらったのだろうか……。

 見終わった後、考え込まされ何かが残るという映画ではないが、とりあえず素直に楽しめる。95分にまとめているのも、スピード感が出て見易さに貢献している。週末、何も考えずに近所迷惑にならない程度に大音量で、リラックスして楽しむのには最適なタイトルだ。2,980円分の価値はあるだろう。

●このDVDについて
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総投票数982票
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14%

□ワーナーホームビデオのホームページ
http://www.whv.jp/
□オフィシャルサイト
http://www.showtime.jp/showtime/
□製品情報
http://www.whv.jp/database/database.cgi?cmd=dp&num=1024
□関連記事
【2001年7月16日】キヤノン、レンズ交換可能なプロニーズ対応MiniDVカメラ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010716/canon.htm

(2003年6月17日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]



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