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第225回:シュールでツッコミ所満載「FNS地球特捜隊ダイバスター」
アニメ+実写の新感覚バラエティー番組がついにDVD化

怒涛のように発売されつづけるDVDタイトル。本当に購入価値のあるDVDはどれなのか? 「週刊 買っとけDVD!!」では、編集スタッフ各自が実際に購入したDVDタイトルを、思い入れたっぷりに紹介します。ご購入の参考にされるも良し、無駄遣いの反面教師とするも良し。「DVD発売日一覧」とともに、皆様のAVライフの一助となれば幸いです。


■ あの、フジテレビの深夜番組がDVD化!

FNS地球特捜隊ダイバスター

(C)2006 フジテレビ/ザ・ワークス
価格:3,990円
発売日:2006年7月14日
品番:PCBC-51011
収録時間:約123分(本編)+19分(特典)
画面サイズ:4:3
音声:ドルビーデジタル モノラル
発売元:フジテレビ映像企画部

 2005年7月7日の深夜に、いつものようにテレビのリモコンのチャンネルボタンで、各局を巡回していると、なんとなく懐かしさを感じる映像が目に飛び込んできて、リモコンを操作する手が止まった。その番組が、フジテレビのニューカマーズ枠で放送されていた「FNS地球特捜隊ダイバスター」だった。

 往年のロボットアニメを思い起こさせるコスチュームと、司令室と博士といったシチュエーションがアニメーションで展開され、そのアニメに実写が組み合わされるという、「恐竜探検隊ボーンフリー」のような演出。セリフもロボットアニメを思い出せるような内容になっている。

 わざと荒らしたアニメ絵など、“低予算感”が漂う映像の中、疑問といえるかどうかもわからないような、どうでもいいような、ささいなことを調査する。しかも、詳しく調査するというわけではなく、適当なところで手を打って、無理やり結論に持ち込んでしまう。一方で、その結論をまじめに報告するというのが、すごくシュール。

 非常に見る人を選ぶ内容だが、個人的に絶妙な外し方が非常に気に入ってしまった。その後、不定期に放送されているのを、ちょこちょこと見かけていたのだが、2005年10月29日に26:15~26:40から土曜日深夜にレギュラー化された。とはいえ、土曜深夜放送なので、放送がないことこそほとんどないものの、スポーツ中継がらみで遅れたりすることもしばしば。なかなか、録画予約もライブ視聴も難しい番組だ。

 「FNS地球特捜隊ダイバスター」は、一部にカルト的な人気を集めたこともあり、DVD化への要望が高まったかどうかはわからないが、番組内でもポニーキャニオンに「ミサイルを撃ち込む」と脅したりして、7月14日にDVD「FNS地球特捜隊ダイバスター」(PCBC-51011)がリリースされた。ちなみに、単行本「FNS地球特捜隊ダイバスター大百科」(1,200円)も扶桑社から発売されるなど、フジサンケイグループ挙げて(?)の、取り組みとなっている。

 DVDの価格は3,990円で、収録時間は本編が約123分と特典が19分。ケースはクリアタイプで、「ポニーキャニオンが、渋々発売!」、「そこのお前、グラビアもんばっか買ってんじゃねぇ~よ!」などと書かれており、価格の割には、こったデザインとなっている。

 さらに、初回封入特典として、「キャラクターヌード!?タオル」(誰が出るかはお楽しみ。一応、ユリッペだと当たりといことになっている)も添付されており、バラエティ番組のDVDとしては、本編が約123分も収録時間されていて、価格もお手ごろな方だろう。

 ということで、これは番組を初めから見ている一ファンとしては、購入しなくてはならない。しかし結局、実際に購入したのは、発売から一週間ほどが経過していたのだが、まだ初回封入特典が付いていた。そのショップでは見た限り、手にしたのが最後の1本だったが、爆発的な売れ行きとまではいかないようだ。


■ 来るべき知的地球外生命体「知的生命体パピルス」

 2025年に宇宙から来たる、知的地球外生命体「知的生命体パピルス」の質問に備え、あらゆる謎を調査・解明するために組織された調査機関、それが地球特捜隊ダイバスターである。

 隊員たちはアニメキャラ、隊員たちが出動する際に使う乗り物「ダイバスター1号」(兎型高速装甲車)、「ダイバスター2号」(鳥型ジェット機)、「ダイバスター3号」(魚型原子力潜水艦)は模型を使った伝統的な特撮(3台ともAUTO CRUISING SYSTEMを使用可能)、そして調査はVTR実写にアニメキャラが合成される。

 地球特捜隊日本支部責任者の博士(銀河万丈)の指令のもと、隊員のリュウジ(三浦祥朗)、ユリッペ(斉木美帆)、マルさん(今村直樹)、ジュンペイ(高松由香)が調査にあたる。キャラクター構成も、男前、紅一点、太っちょ、子供という、ロボットアニメの黄金比ともえいる組み合わせ。ちなみに、ナレーションは高塚正也。

 毎回のお楽しみとしては、番組の最後の視聴者プレゼントコーナーで、博士役の銀河万丈が「声優界のちょい悪オヤジ」とか、「NGを出すと若手がシーンとする」、「趣味で乗馬とかやっちゃってる」、「着メロが大塚愛」といった、真偽不明の銀河万丈の秘密が明かされる。なお、視聴者プレゼントも、全て銀河万丈のサイン入り。

 今回のDVDに収録されているのは、「第1話:走れ!ダイバスター」(2005年10月29日)、「第2話:ダイバスター危機一髪!」(2005年11月12日)、「第3話:翔べ!ダイバスター」(2005年11月19日)、「第4話:まわれ!ダイバスター」(2005年12月3日)、「第5話:行くぜ!ダイバスター」(2005年12月17日)、「第6話:急げ!ダイバスター」(2006年1月14日)、「第7話:撃て!ダイバスター」(2006年1月21日)。

 調査としては「マンホールのフタをまわすと、10円玉みたいにイライラするのか?」、「ホームベースの切れハシは捨ててしまうのか!?」、「夜なのにサングラスをしている人を追え!」、「食欲をなくす手の動き」、「ホワイトバンドで中華テーブルを回せ!」、「全国入れにくい車庫ベスト3」など32個。

 一般的にバラエティ番組がDVD化される場合は、好評だったネタをピックアップして収録するというのが多いが、「FNS地球特捜隊ダイバスター」では、最初の放送から順番に収録するという、変則的な形になっている。今後も、DVDリリースを続けていこうという意志のあらわれだろうか? さらにすべての回に、次回予告や、既に受付が終了してしまっている視聴者プレゼントに加え、オープニングやエンディングまで毎回入っている。

 また、オペレーションルーム内の表記が「DYBASTER OPERATION ROOM」と「DYBASTER MISSION」だったのが、第2話と第3話で修正中の札が貼られ、第4話で「DYBASTAR OPERATION ROOM」と「DYBASTAR MISSION」に修正されているのもそのまま収録されている。これは放送当時も、狙ってやっているのか、本当に間違ったのかよくわからなかった……。

 スポンサー向けの「ウイダーinゼリーのチャージ」もそのままDVDに入っている。途中から番組スポンサーがなくなったことになっているので、これはこれで、大丈夫なのかと心配になってしまった。


■ 4:3かつドルビーデジタル 1.0ch収録のDVD

 DVD Bit Rate Viewerでみた平均ビットレートは6.98Mbps。本編123分と特典が19分を、片面2層ディスクに収めている。アスペクト比は4:3。画質は、まさにテレビ放送のまま。元々、わざと古っぽさや、安物感を狙っているので、DVDとしての画質を評価することは難しい。ただ、アニメ部分がわざとぼけた感じになっているので、プロジェクタで観ると、「フォーカスがズレたのか?」と思ってしまうかもしれないので、気をつけたい。14型のブラウン管テレビで観るのが、一番雰囲気が出そうだ。

 音声も、最新のテレビ番組なのに、ドルビーデジタルのモノラル収録というのも、珍しい。ビットレートは192kbps。地上波もハイビジョン化が進む中で、4:3のモノラルで放送され、それがそのままDVD化されるというのは、低予算という理由だけでなく、こだわりがあるようにも思える。

 もちろん、画質も音質も作品内容に合っているので、不満を感じることはなかった。なお、各調査にはチャプタが付けられており、チャプタメニューから好きな調査を再生することができる。

DVD Bit Rate Viewerでみた平均ビットレート

 映像特典は、「DVDだけの未公開映像」、「ユリッペデビュー曲発表」、フジテレビ社内エレベーター搭載テレビ「えれび」用ビデオを収録している。なお、ある条件を満たすと、隠しメニューに入って、過去の調査を3つ見ることもできる。

 DVDだけの未公開映像は、「女の子のケータイのニオイを嗅ぐ」、「シンクロナイズドスイミングの鼻栓問題」、「コンビーフを普通の缶切りで開けてみる」の3調査。なぜ、未公開なのか説明がないのが残念だが、実際に見ると電波にのせられなかった理由がなんとなくわかるような気もした。

 特に、シンクロナイズドスイミングの鼻栓問題は、シンクロの選手に実際に耳栓などを試してもらって、新たな鼻栓を探すという内容なのだが、「よく協力してくれたな」と感心するような、インパクトのある映像に仕上がっている。

 また、音楽CDのようにクリアケース内に差し込まれているジャケットを開くと、キャラクターのプロフィールに加え、オープニングテーマ曲「FNS地球特捜隊ダイバスター」と、エンディングテーマ曲「ゆけ! ダイバスター」の歌詞が印刷されている。「このよのすべてに こたえがあるのさ」といった、含蓄のある歌詞が味わい深い。

 なお、DVDと同時発売の単行本「FNS地球特捜隊ダイバスター大百科」の両方を購入すると、「特製ムービー」がもらえる連動クイズキャンペーンも2006年9月末まで実施している。


■ 好きな人なら買い。続巻は出るのか?

 このノリが好きな人には、DVDの内容としては3,990円分以上は楽しめる。ただ、問題解決型という体裁をとってはいるものの、トリビアの泉のように、「へぇー」とは思えない結論ばかりなので、この外し方や、シュールさが合わない人には、苦痛かもしれない。

 好き嫌いが大きく分かれると思うので、番組を見たことが無い人は、公式サイトにトレーラーが公開されているので、購入するのはそれを見て、肌に合うかどうか確認してからの方がいいだろう。

 ちなみに、DVDのタイトルは「FNS地球特捜隊ダイバスター」で、特に数字はついていないのだが、映像特典の中で、「毎回貴重な未公開調査を入れる」と謳っているほか、スキップできない冒頭の朝礼では、博士が「これから、ちょくちょく出る『ダイバスターDVD』は、歯ブラシと一緒だ」と絶叫しているので、継続的にDVDをリリースする気まんまんのようだ。

●このDVDについて
 購入済み
 買いたくなった
 買う気はない

前回の「ナイト・ウォッチ 2枚組特別編」のアンケート結果
総投票数498票
購入済み
67票
14%
買いたくなった
291票
58%
買う気はない
140票
28%

□ポニーキャニオンのホームページ
http://visual.ponycanyon.co.jp/
□製品情報
http://www.ponycanyon.co.jp/dybastar/
□「ダイバスター」オフィシャルサイト
http://www.fujitv.co.jp/dybastar/index2.html

(2006年7月26日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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