【バックナンバーインデックス】



大河原克行のデジタル家電 -最前線-
BRAVIA生産の地、ソニー稲沢テックを訪ねて
~「あそこにやられた」と言われる拠点に~



愛知県稲沢市にあるソニー稲沢テック

 ソニーの薄型テレビ「BRAVIA」の国内向け生産を担っているのが、愛知県稲沢市にあるソニー稲沢テックである。

 もともと、ブラウン管のトリニトロンの量産工場として、'69年に操業を開始。ブラウン管の生産終息に伴い、2005年からは液晶テレビ「BRAVIA」の生産工場に再編。2007年には、有機ELテレビ「XEL-1」の生産を開始するなど、ソニーのテレビ事業の基幹拠点として、常に中心的役割を果たしてきた。

 いま、ソニー稲沢テックでは、どんな取り組みが行なわれているのか。このほど、同拠点を訪問する機会を得た。ソニー稲沢テックの様子を紹介しよう。



■ トリニトロンの量産工場としてスタート

ソニー稲沢テック内集中事務所。ここにすべての事務部門が置かれている。

 ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」シリーズは、大画面液晶パネルは、サムスンとの合弁会社である韓国S-LCDから調達。また、20インチ台以下の製品については、台湾などのパネルメーカーから調達したパネルを使用している。

 これらパネルを使用した薄型テレビの最終製品の組み立ては、メキシコやニトラ(スロバキア)といったそれぞれの消費地に近い場所で行なわれている。そして、日本市場向けの「BRAVIA」シリーズの最終組立が行なわれているのが、ソニー稲沢テックである。

 現在の稲沢テックの生産体制に触れる前に、まず簡単に、稲沢テックの歴史を振り返ってみたい。稲沢テックが操業したのは'69年12月。当時の社名はソニー稲沢株式会社。'68年に開発されたトリニトロンの量産拠点としてスタートした。その翌年5月には、15kmほど離れた場所に、テレビの組み立てを行なう一宮テックが操業。それぞれが、ソニーの第1工場、第2工場と位置づけられ、稲沢でトリニトロンを生産し、一宮でアセンブリを行なうという体制が確立された。

 トリニトロンを使用した第1号機の「KV-1310」をはじめ、'91年のキララ・バッソシリーズや'97年のWEGAシリーズ、2000年に登場した液晶テレビの液晶WEGAのほか、業務用モニター、コンピュータ用ディスプレイなどのソニーの代表的ブラウン管製品は、すべて一宮・稲沢テックで生産されている。

 ソニーでは2001年に、国内10カ所の生産拠点および2カ所のサービスサイトを、ソニーイーエムシーエス(EMCS)株式会社として統合。稲沢テックと一宮テックは、距離的に近いこと、過去からテレビ生産において連携してきたことなどを背景に、品質保証、資材購買、実装、人事総務などの組織は、「一宮・稲沢テック」として一本化され、両テックがひとつの工場のようにして運営されている。

 なお、EMCSは、「エンジニアリング」、「マニュファクチャリング」、「カスタマーサービス」の頭文字を組み合わせたもので、商品設計から試作、資材調達、製造、修理までのモノづくり全般に関わる事業を担当している。

BRAVIA Streetと社内で呼ばれる廊下 BRAVIAのロゴとともに、新製品や稲沢テックの歴史などが紹介されている



■ 2004年10月に大転換を迎えた稲沢テック

ソニーEMCS一宮テックプレジデント兼稲沢テックプレジデント 藤富和良執行役員

 その稲沢テックが、大きな転換を迎えたのが、2004年10月19日のことだ。ソニーは、トリニトロンの国内生産を停止すると発表し、稲沢テックはこの日、ブラウン管工場としての役割を終えることになった。工場内には、ブラウン管を生産するための炉があちこちに放置されたままではあったが、広い空間を利用し、第2の人生として物流倉庫としての役割を担おうとしていた。

 ところが、海外の生産拠点のトップから日本に呼び戻され、新たな液晶テレビの生産拠点を模索していた現・一宮テックプレジデント兼稲沢テックプレジデントである、ソニーEMCSの藤富和良執行役員は、稲沢テックを液晶テレビの生産工場として再生できる可能性に着目した。

 「BRAVIAによる新たな液晶テレビの投入が決定するとともに、S-LCDから安定的に液晶パネルを調達できる仕組みが整った。当時は、稲沢テックの活用について賛否両論があったが、経営トップの判断を仰ぎ、稲沢テックをBRAVIAの生産工場として稼働させることを決定した」(藤富執行役員)。

 藤富執行役員が稲沢テックに目をつけたのは、柱が少なく、レイアウトフリーの構造となっていたこと、近い場所に、長年に渡りテレビのアセンブリを行なってきた一宮テック(その時点ではすでにプロジェクタなどの生産を開始)があり、テレビ生産のノウハウを活用しやすかったこと、そして、テレビ技術のDNAを持った社員が稲沢テックに在籍していたことなどがあげられる。

 「日本以外の国での生産や、国内に新たな工場を建設するという検討も行なわれた。だが、4カ月後には、S-LCDからソニーパネルが大量にやってくる。新たに工場棟を建てて、稼働させるには、少なくとも1年は必要。各種の条件を考えれば、稲沢テックを転換するのが最善の選択だった」(藤富執行役員)。

 そこから、稲沢テックの大転換が始まった。テレビ事業に長年関わってきた藤富執行役員にとっても、稲沢テックは思い入れの深い場所だ。ところが、「炉を撤去する際にも、ノスタルジーに浸っている時間はなかった。寂しさを感じる暇すらなかった。とにかく、早期に炉を撤去し、新たな製品ラインを敷設することに邁進した」と、苦笑しながら当時を振り返る。

 2005年2月、稲沢テックは、わずか4カ月でBRAVIAの生産工場に生まれ変わった。「稲沢テックの強みをあげるとすれば、ソニーのテレビ事業、映像技術のDNAを持った人たちが、ここにいること。このDNAが、BRAVIAにも脈々と受け継がれている。トリニトロン発祥の地において、BRVIAが生産され、世界初の有機ELテレビの量産が開始された。まさに、ソニーのテレビ事業のDNAが継承、蓄積された場所」(藤富執行役員)というわけだ。



■ 画質を左右する回路基板を内製

稲沢テックの上空写真(ソニー提供)。SONYのロゴがあるのが2号棟、左が1号棟、右が4号棟、上方が3号棟となる

 稲沢テックの敷地面積は11万1,310平方メートル。生産棟は、1号棟から4号棟まであり、建物面積は7万1,770平方メートル。人員数は約1,500人。そのうち、正社員は約400人だ。

 工場の近くには、名古屋環状2号線の清洲西インターチェンジおよび甚目寺北インターチェンジがあり、東名阪自動車道へのアクセスが容易であるほか、50km圏内に名古屋港、100km圏内にセントレア空港があり、物流にも適している立地といえる。

 1号棟には集中事務所や品質保証部門、部品倉庫、2号棟には組立ライン、3号棟には環境関連施設、4号棟では基板実装ラインが稼働している。有機ELテレビの生産も4号棟で行なわれているが、有機ELテレビの生産ラインには、一部の関係者しか入ることができないよう厳重に管理されている。

 4号棟の基板実装ラインでは、1階に20ライン、2階に15ラインを設置。2005年3月の稼働以来、これまでに19億1,000万個の電子部品を実装してきたという。全35ラインのうち、2本が、少ロット生産が可能なフレキシブルラインとしており、生産変動に対応できる仕組みとしている。現在、10種類以上の基板を生産しており、大きなものでは、ひとつの基板に約2,000点の部品を組み込むという。

 1人あたりの月間実装部品点数は、稼働当初の230万点から、現在では436万点へと2倍近くに効率化されている。また、2005年には20ppm(1ppmは100万個に一個の不良)レベルでスタートした品質は、現時点では5ppmを下回り、今年は3~4ppmが目標になっているという。

 「エアシャワーの導入や、壁の下部にステンレスの板を張ることで塗装の剥げを防止するなど、クラス10レベルのクリーン度も実現している」(ソニーEMCS企画管理部統括部長・木田逸夫氏)ことも品質向上に影響している。

 基板実装ラインでは、はんだ印刷、印刷検査、部品装着、一括リフロー、外観検査という工程を経て、完成する。

 この基板実装ラインでは、CF-1と呼ばれる生産管理システムを導入しており、これによって、効率的な生産と高い品質を維持することに成功している点も見逃せない。計画立案の最適化を行なうKOMPAS、プログラムの最適化を行なうGRID、マシン装着のコンディションを管理するi-DANDY、部品が充填されているカセットのコンディション管理を行なうi-Candy、部品ステータス管理のPICS、生産コンディション管理のSIGMAなどを、CF-1データベースに統合し、すべての工程を一元管理している。

 工程内の部品は、バーコードで管理されており、部品単体の時点情報を把握。どこに、なにが、いくつかあるか、といったことがリアルタイムで確認できるようになっている。

基板実装のライン ここで生産されるBRAVIAの基板



■ 18本のBRAVIA組立ラインを設置

 一方、S-LCDをはじめとするパネルメーカーから調達した部品などは、倉庫に入庫したあと、2号棟の組立ラインに投入される。同時に、完成した基板も組立ラインへと投入される。

 現在、テレビの生産ラインは18本。繁忙期にあわせて、稼働させるライン数を変えており、取材時には、13本のラインが稼働していた。一日8時間の生産で、1ライン200台から800台までの変動生産ができるという。

 生産ラインは、S字で構築されており、基本ラインは20人で組み立てを行なう。中には、26人体制としたり、コの字型の形状で、9人体制で行なうものもある。画面サイズと生産量にあわせて、それぞれに最適化したライン構成を採用しているのが特徴だ。

 生産されたBRAVIAは、倉庫に置かれ、物流倉庫へと配送される。稲沢テックには約5~7日の在庫が置かれ、東京の物流倉庫などを含めると7~10日分の在庫が管理されていることになる。

 なお、今年7月からは、ソニーマーケティングと連動した形で、「Love AICHI Project」を開始。愛知県内という地の利を生かして、愛知県内の特約店が稲沢テックを訪れたり、稲沢テックの社員が特約店を訪れて、現場の状況を知るといったことが行なわれている。

 こうした活動が、生産現場と販売現場を相互に知ることにつながり、結果として、愛知県内でのBRAVIAの販売増につながっているほか、生産現場の社員が、販売時点までを視野に入れたものづくりに取り組むなど、モチベーションの向上にもつながっているという。

 まだすべての特約店との連動が図れているわけではないが、成果を見ながらLove AICHI Projectの活動を活発化させていく考えだ。

部品倉庫。S-LCDなどから入庫した部品が置かれる 完成品倉庫の様子。約5~7日の在庫が置かれている。 Love AICHI Projectのマーク



■ 徹底した品質管理体制を敷く

 一方、品質管理にも余念がない。生産が完了した製品の中から、一日に50台程度を抜き取り、梱包用のダンボールの汚れや印字の状況、開梱といった部分から、実際に通電しての画像表示、耐久性、傷などを検査している。1台あたり約1時間の検査時間で、300項目をチェックするという。また、生産ラインの横には品質管理の担当者を配置し、一日に100台以上、約30項目の検査を行ない、品質の安定化を図っている。

 加えて、一部製品では、約2週間に渡る通電試験を行なうほか、40度の環境下での利用試験、1万時間に渡る耐久試験などを行なう。

 さらに、信号試験室での放送電波の受信試験や、臭気試験室による出荷初期状態における臭気のチェック。輸送時などを想定した振動落下試験なども行ない、品質の安定化に務めているという。臭気試験の結果、接着剤の量を変更したり、出荷前に一度暖めて臭気を飛ばすといった改善も図られているという。

 また、S-LCDの技術者が稲沢テック内に常駐しており、常に情報交換を行ないながら、品質の向上に務めている。

抜き取り検査の様子。約300項目をチェックしている エージングの様子。ここでは約2週間に渡る通電試験を行なう(ソニー提供) 臭気検査室を設置して、初期の臭気状態を見る



■ 環境対応にも力を注ぐ

 稲沢テックでは、環境対策にも精力的に取り組んでいる。

 廃水処理施設に自動測定装置を設置し、常時監視を行なっているほか、工場廃棄物の発泡スチロールをBRAVIAの部品として再生する資源循環型リサイクルシステムの導入などを行なっている。

 ソニーEMCS人事総務課総務2課統括課長の三矢康夫氏は、「液晶パネルなどが梱包され、その後廃棄物となる発泡スチロールを、熱減容機を使い、体積を300分の1に削減し、インゴットとして稲沢市内のリサイクル会社に移送。BRAVIAの筐体に使用可能な、難燃性ポリスチレンとして再生し、それを成形メーカーにおいて部品として成形。BRAVIAの2008年春モデルから、プラスチック部品の一部として採用している」という。

 製造現場からの排出物を中心に、分別収集の細分化と、その徹底活動によって、再資源化率を向上させており、同時に、定期的な現場確認とコスト管理を行なっているという。

 また、C02排出量は、ブラウン管生産時代の2000年に比べて約6分の1となる1万1,000トンとなっている。

まず熱減容機に入るように切断する それを熱減容機に入れる。下は圧縮されたもの 熱減容機を使い、発泡スチロールの体積を300分の1に削減



■ ATPをキーワードに行動を改革

 一宮・稲沢テックでは、行動指針として、「ATP(Arrival Time Promise)」を掲げている。

 直訳すると「到着時間を約束する」ということになるが、同テックでは、この言葉を、従業員の行動フィロソフィーを示す言葉として使い、社員の意識向上に取り組んでいる。

 ATPでは、「お客様の満足度をあげることを目的に、皆で合意し決めたこと、約束したことは、しっかり守る。そして、お客様の信頼を勝ち取る」ことが定義され、「最高の製品品質を実現すること」、「市場へ商品をきちんと供給すること」、「競争力のあるコストを実現すること」、「常に挑戦し続ける活気ある集団であること」、「企業市民として地域・社会・地球環境保全に貢献すること」を具体的な約束として掲げている。

ソニーEMCS企画管理部統括部長 木田逸夫氏

 「もともとは、4カ月という短期間に、液晶テレビの生産拠点へと転換する上で、この期日に遅れてはならないという姿勢をもとにして生まれた言葉。現在では、それぞれが『私のATP』として目標を設定し、行動するといったことも行なっている」(木田統括部長)という。

 例えば、「交通安全運動における私のATPとして、早めにブレーキを踏むことを心がける」といった使い方もある。さらに、行動目標として「ZUBANUKE!」を掲げ、「クオリティ、テクノロジー、オペレーションといった観点で、単に一番になる、何%改善するという目標に留まらず、圧倒的な一位を獲得することを目指している」(木田統括部長)とする。

 また、拠点の方向性や短期的な課題の解決を目的に、組織横断型Cross Functional Projectを立ち上げ、「スピード感を持って、難易度の高い経営課題を確実に解決していくことを目指している。これによって、ZUBANUKEオペレーションの実現と、内外の拠点に認められる機能の確立、時代の変化や技術革新を先取りした新技術への挑戦を実現している」(木田統括部長)としている。

 この2年間で45のプロジェクトを立ち上げ、すでに35のプロジェクトが完了したという。



■ 目指すのはGlobal Solution Hub

 現在、稲沢テックが目指しているのは、「テレビグループにおけるGlobal Solution Hubの役割を担うこと」だと、藤富執行役員は語る。

 Global Solution Hubとは、ワールドワイドのモノづくり拠点の中心となるべく、常に模範となるクオリティ、デリバリー、コストといったパフォーマンスを創出し、モノづくりに関する先進の情報、技術の発信基地として存続しつづける拠点のことを指す。

 一般的には、マザー工場という言い方をされる役割にも似ているが、藤富執行役員は、マザー工場という呼び方を嫌う。そして、「ソリューション」という言葉を使うことに意味があるとする。

 「これまでマザー工場という呼び方をされてきた拠点は、マザー工場から、グランドマザー工場になり、最後にはその役割を終える。例えば、コストの面でメリットがある生産拠点があれば、そこに主要な役割が移管されてしまうという例が端的だ。日本において、生産の空洞化が起こったのも、多くの工場が、マザー工場に留まっていたからだ。稲沢テックは、クオリティ、デリバリー、コストのすべてにおいて、最先端のポジションを維持し続け、これらをトータルで捉えたソリューションを提案できる、全世界の中核的拠点であることを目指す。そのためには、開発、設計、要素技術、運用といった点で、常に最先端のものを取り入れ、改革を繰り返していく必要がある。マザー工場の地位に安住するのではなく、自分たちが先頭に立っていく改革を進め、それを世界に展開する使命を担っていく」と藤冨執行役員は語る。

 先ごろ、スロバキアのニトラで欧州市場向けの生産拠点が稼働した。ここでは、稲沢テックの4倍以上の敷地面積を誇る。だが、稲沢テックはここに多くの一線級エンジニアを送り込み、拠点を立ち上げた。こうした規模を誇るブラザー/シスター工場に対しても、常に中心的役割を果たしていくという。

 また、実装工程では、稲沢道場(実装道場)の名称で、全世界の拠点のエンジニアが実装に関する品質管理、設備メンテナンス、運用、管理などの技術、ノウハウを習得し、それをそれぞれの国の生産現場に生かす仕組みを導入している。

 これまでにスペイン、メキシコ、ブラジル、マレーシア、中国、タイ、スロバキアの各拠点のエンジニア59人が、延べ2,000日間の研修に参加した。これも、全世界のテレビ用実装基板を生産している拠点が、同一の品質レベルと効率化を実現できるようにするためのGlobal Solution Hubとしての役割になる。

 なかでも、藤富執行役員がこだわるのが、クオリティだ。「クオリティが高まれば、入庫した部品の数と、出庫した製品の数が同じであれば、それはコストの改善にもつながる。また、クオリティが高まれば、必要量を適切なタイミングで出荷でき、オンタイムデリバリーが可能になる。クオリティを優先することが、すべての改善につながる」というのが藤富執行役員の基本的な考え方である。



■ 「あそこにやられた」と言われる拠点に

 日本市場向けのBRAVIAが、稲沢テックで最終生産されていることは、あまり知られていない。パネル生産まで行なっているシャープの亀山工場と比較しても、認知度は低いのは明らかだ。

 だが、これからも、ソニー自らが、稲沢を強力にアピールすることはないという。もちろん、パネル生産とセット生産が別のところで行われているという観点もあり、シャープのような訴求がしにくいというのもあるだろう。

 だが、薄型テレビの画質を決めるのが、パネルと回路の2つであることを考えると、回路生産を行なっていない亀山と、パネル生産を行なっていない稲沢との条件は同じという言い方もできる。

 しかし、藤富執行役員は、「BRAVIAを、稲沢で生産しているという認知度が低いことに焦ることはない。むしろ、数年後、全世界の薄型テレビメーカーから、あそこにやられた、と言わしめるように、稲沢テックが着々と進化を遂げることに力を注ぎたい。全世界のBRAVIAの成功の陰に、Global Solution Hubである稲沢テックの存在があった、と言われることこそが、我々の役割だといえる」とする。

 Global Solution Hubとして、稲沢テックがこれからどう進化するのかが楽しみだ。


□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ソニーイーエムシーエス株式会社のホームページ
http://www.sonyemcs.co.jp/ichinomiya_tec/index.html
□BRAVIAのホームページ
http://www.sony.jp/products/Consumer/bravia/

(2008年8月29日)


= 大河原克行 =
 (おおかわら かつゆき) 
'65年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を勤め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。BCN記者、編集長時代を通じて、15年以上に渡り、IT産業を中心に幅広く取材、執筆活動を続ける。

現在、ビジネス誌、パソコン誌、ウェブ媒体などで活躍中。PC Watchの「パソコン業界東奔西走」をはじめ、Enterprise Watch、ケータイWatch(以上、インプレス)、nikkeibp.jp(日経BP社)、PCfan(毎日コミュニケーションズ)、月刊宝島(宝島社)、月刊アスキー(アスキー)などで定期的に記事を執筆。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「松下電器 変革への挑戦」(宝島社)、「パソコンウォーズ最前線」(オーム社)など。

[Reported by 大河原克行]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

AV Watch編集部av-watch@impress.co.jp
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.