【バックナンバーインデックス】

新発売のAV機器をいち早く紹介


追っかけ再生ができるDVD-RAM/Rレコーダ
Panasonic DMR-E20
発売日/7月1日
価格/135,000円



■ 外観

背面の端子部 前面端子 付属のリモコン


■ 主な特徴

トップ画面
 DVD-RAMとDVD-R for General 2.0の書き込みに対応したDVDビデオレコーダ。DVD-RAMはDVDビデオレコーディング規格、DVD-RはDVDビデオ規格で記録する。そのほか、音楽CD、ビデオCD、CD-R/RWの再生にも対応。また、DVD-RAM、DVD-Rともに、記録する映像に併せてビットレートをリアルタイムに変更する「ハイブリッドVBR」での記録が行なえる。なお、480p出力には未対応で、DVD-Videoのプログレッシブ出力は行なえない。

 録画中のソースを前に戻って再生できる「タイムシフト機能」を搭載(DVD-RAM使用時のみ)。DVDとしては世界で初めてとしている。タイムシフト再生はリモコンのほか、本体前面右側の「タイムワープローラー」で操作し、下に回すと1分先、上に回すと1分後に移動。押し込むと再生が開始される。

 リモコンで操作した場合は、30秒前から再生。また、タイムワープローラーを押し込んでから5秒間は、再生画面が録画中画面の右下にインポーズ表示され、録画中画面との比較が行なえる。また、タイムワープローラーを長押しすることで再生画面を固定し、2画面表示に固定することも可能。

ディスクトレイ 青く光るタイムワープローラー
 録画モードはXP、SP、LP、EPの4種類。最長録画時間は、4.7GBのDVD-RAMディスクでXPモードが約1時間、SPモードが約2時間、LPモードが約4時間、EPモードが約6時間となっている。9.4GBのDVD-RAMディスクなら、最長12時間の録画が可能(EPモード)。また、録画した番組はプレイリスト一覧に示され、録画日時などで並び替えが可能。さらに、録画した番組中のシーンのはじめと終わりを記録し、指定した順番で再生することもできる。

 高画質化機能として輝度信号とカラー信号を分離してノイズを抑えるという「3次元Y/C分離回路」を搭載。また、ノイズリダクションは「3D-NR」、「ブロックNR」、「モスキートNR」の3種類を使用できる。

 DVD-Videoの音声再生は、ドルビーデジタルとdtsに対応。そのほか、センターチャンネルを強調する「ダイアログ・エンハンサー」や疑似サラウンド効果を作りだす「V.S.S.」を搭載している。



■ 各録画モードでの画質

 各録画モードの画質を比較した。サンプルは、ビクターのDVカメラ「GR-DVP3」で撮影した素材を、S端子で入力してXPからEPまでの各画質モードで録画。DMR-E20で再生中に一時停止して、デジタルカメラで撮影したもの。下の各画像をクリックすると、左の画像の枠内が表示される。
画質モード XPモード SPモード LPモード EPモード
拡大画像
記録時間 約1時間 約2時間 約4時間 約6時間
※記録時間は4.7GBディスク使用時(メーカー公称値)


■ 編集スタッフのファーストインプレッション

ソニー「KV-36DZ950」
 今回は、ソニーの36型ワイドテレビ「KV-36DZ950」にD1で接続し、地上波の録画やDVカメラからの取り込みを行なってみた。「KV-36DZ950」は、スーパーファインピッチ管と「DRC-MF V1」を搭載した、ソニーのフラッグシップモデル。記録媒体については、DVD-RAMとDVD-Rの両方をチェックしている。また、DVD-Videoの再生も行なった。

●視聴したDVD-Video


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物 欲
ゲージ
■物欲の考証
 実売で11万円くらいか。その値段であこがれのディスクレコーダが買えるとは、DVD関係のハードの進歩は本当に早い。しかも、タイムシフトやDVD-R対応といった新機軸も盛り込まれている。
 ただし、この夏購入するなら、7月下旬発売のパイオニア「DVR-7000」も気になるところ。個人的にはDVR-7000のプログレッシブ再生対応、DV端子装備の方が、タイムシフト以上に惹かれる。
 DVD-RAMだけでなく、DVD-Rにも対応。それでいて価格は従来機の約半分という意欲作だ。同時期にパイオニアがDVD-R/RWレコーダの新型を発売するが、そちらはDVD-RAMには対応していない。ただし、DMR-E20では不可能なプログレッシブ出力が可能になっている。

 注目のタイムシフト機能は、4分の1程度の再生画面が録画中の画面にインポーズで表示されるため、「時間をさかのぼっているな」という実感がわく。ただし、リモコンでの操作だと30秒前に戻るだけで、微妙なシフトが行なえない。リニアな操作を行なうなら、本体のタイムワープローラーを使う必要がある。コストに跳ね返ってくるのだろうが、是非ともリモコンにもタイムワープローラーをつけてほしかった。

 また、タイムシフト後、5秒過ぎた時点で再生画面が全画面表示になり、録画画面の確認が行なえなくなるのももったいない。録画画面と再生画面の2画面表示を続けるには、本体のタイムワープローラーを3秒以上押さなければならない。ここでもリモコンを手放し、本体ににじり寄ることになる。

 録画モードとして、XP~EPまでの4種類が用意されているが、エアチェックコレクションとして実用的なのはSP以上か。下位モードになるほどブロックノイズが派手になる。とはいえ、VHSの3倍モードと同じく、しばらく見ているとなぜかなれてしまった。なお、LPとEPの見た目の差はほとんど感じられない。

 以前試用したHDDレコーダ「NV-HDR1000」より、録画や再生、停止といった操作時の反応が素早く感じられた。それでも「ディスクだからテープより速いはず」という先入観が強いと、まだるっこしく感じる場面もある。とはいえ、全般的にはストレスのない操作が行なえた。メニュー体系は同社のHDDレコーダやDVDプレーヤーを踏襲しており、それら機器のユーザーなら、とまどうことなく使用できるのでは。

orimoto@impress.co.jp

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物 欲
ゲージ
■物欲の考証
 検索性が高いディスクメディアへ録画できるメリットは大きく、デッキ本体も店頭予想価格で10万円程度と手の出しやすい価格。しかし、メディアの単価はまだ高く、ストリートプライスでも1枚1,000円以上。今後飛躍的に安くなると思うが、現状ではこのコスト負担は大きい。
 一応満足できる画質の「SP」モードだと、録画時間は2時間。この容量だとメディアが1枚100~200円程度が適正と感じる。1年後、どれだけメディア価格が下がったかを見極めて、好みのインターフェイスの製品が出てから手を出したい。
 テープメディアの弱点は、その検索性の低さ。インデックスを記録することはできるが、結局のところ巻き戻し/早送りのテープ走行時間に縛られてしまう。

 DVDビデオデッキ初体験の自分が最初に感じたのが、ディスクメディアの「検索性の高さ」。録画した番組は自動的にインデックスへ登録され、メニューから選択するだけで、すぐに再生ができてしまう。テープでは考えられない快適さだ。

 プログレッシブ機能は装備していないが、DVD-Videoソフトの画質は良好。輪郭を凝視したりするとちらつきを感じたりするものの、不満を感じることはなかった。対して録画番組の画質は、録画モードによってはっきりと分かれた。

 それぞれのモードの印象は、最長6時間(片面)のEPは、「低ビットレートでのネットのストリーム映像」、4時間のLPモードは、「デッキの補正機能で高画質化されたVHS」、2時間のSPは「S-VHSよりもやや上」、1時間のXPで「DVD-Videoのやや下」といったところ。画質は、EPははっきり言って視聴には適さないレベル。「容量が心もとない時の緊急避難用」と考えたほうが良いだろう。LPも解像感は低く、「これならばビデオテープで録画したほうがいいかな」と思ってしまう。

 SP/XPは一転して良好な画質。両モードは凝視しないと違いがわからないが、たしかにXPの方が解像感が高く、輪郭がはっきりとわかる。ただ、「放映時の映像そのまま」というわけではなく、劣化した画質だと感じてしまう。静止したシーンが続くソースを録画すると、動きのあるシーンよりもぼやけた感触を受ける。「DVD-Video並みの画質」を期待していたが、そこまでの画質ではなかった。が、そこまでの高画質で録画したい番組は少ないので、実用には充分かと思う。

 ディスクの検索性には感動したものの、メニュー画面などのインターフェイス面は不満を感じる。自分には煩雑で、アイコンもイメージしにくいのである。自動的にインデックスを作成するのは便利だが、タイトル入力は手動。EPGにも非対応で、「ディスクの高い検索性」とのギャップを感じてしまう。「慣れればどうということはない」という自信のある方なら気にならないだろうが、自分はちょっとなじめそうもない。

fujiwa-y@impress.co.jp

73
物 欲
ゲージ
■物欲の考証
 なにせ、低価格化に万歳! である。低価格にしながらも、DVD-Rへの対応やタイムシフト機能の追加など、時代に即したパワーアップがなされている。もう、「ディスクに録画したい!」と思い描いていた人は、買うしかない。ただ、ここにきて、DMR-E10もかなり実売価格が下がってきている。DVD-Rが必要なくて、プログレッシブ対応がほしい人は、DMR-E10という選択もいいかもしれない。
 個人的には、地上波のEPG機能がないのが非常に残念。これが、あるのとないのとでは、まったく使い勝手が違う。地上波EPGが搭載されれば即買い間違いなしである。
 この夏、期待の商品「DMR-E20」。135,000円という戦略的な価格が魅力だ。約1年前に発売した「DMR-E10」から、プログレッシブ機能など一部機能を削除しているが、DVD-Rにも対応して11万円以上も安くなったのは凄いの一言。

 また、新機能として録画と再生が同時にできるようになった。つまり、録画しながら追っかけ再生が可能。それを操作する本体の「タイムワープローラー」も非常に面白い。しかし、なぜか1分単位での操作になっている。もう少し細かく動かせてもいいと思うのだが。さらに、せっかくの面白い機能がリモコンで操作できないのは残念だ。まあ、価格を考えれば妥協しなけらばないところか。

 注目のDVD-Rへの録画は、DVD-RAMと同じXP~EPまでのすべての録画モードが使えるのは嬉しい(パイオニアのDVR-2000/7000は1時間/2時間の2モード)。また、DVD-RとDVD-RAMともにハイブリッドVBRで録画でき、その点もパイオニアのDVRシリーズにない強みだ。

 録画画質は、XPでもものすごくいいというわけではないが、TV番組を録画するなら必要十分なもの。また、XP/SPと、LP/EPの間で画質が大きく変わるようである。LPの画質で我慢できるなら、EPで6時間録画するのが、エアーチェック用途ではベストな選択という印象だ。

 なお、各モードのビットレートの詳細値については公開されていないが、録画時間から単純計算するとEPは2Mbps以下になる。この低ビットレートで、ある程度の画質を保ているのは評価できる。

 GUIの操作感は、従来の松下の製品を引き継いでいる。このあたり、個人的な好みによるところが大きいが、個人的には直感的に操作できず苦手だ。もちろん、松下製のDVDプレーヤーを使用しているユーザーなら、違和感なく操作できるだろう。

furukawa@impress.co.jp


【主な仕様】



□松下電器産業のホームページ
http://www.matsushita.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn010529-3/jn010529-3.html
□製品紹介
http://www.panasonic.co.jp/dvd/ad/e20/index.html
□関連記事
【5月29日】松下、135,000円のDVD-R録画対応DVD-RAM/Rビデオレコーダ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010529/pana.htm

(2001年6月28日)


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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