新発売のAV機器をいち早く紹介 |
実売30万円を切るDLPプロジェクタ |
プラスビジョン HE-3100 「PIANO」 |
発売日/6月21日 価格/オープンプライス(実売30万円前後) |
本体右側面 | 本体左側面 |
■ 主な特徴
ホワイト、ブルー、シルバー、レッド、ブラックの5色から本体色を選択可能 |
外形寸法235×198×91mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.0kgは、ホームシアター用途としては世界最小最軽量としている。また、本体色としてホワイト、ブルー、シルバー、レッド、ブラックの5色をラインナップする。
撮像素子に0.67型のDMDを採用。解像度は848×600ドット。4:3の映像入力時は800×600ドットを使用し、16:9(スクイーズ)のときは848×480ドットで投影する。最大200型までの投影が可能で、100型投影時の最短距離は約3.5mとなっている。明るさは450ANSIルーメン。コントラスト比は最大700:1で、ランプには130W高圧水銀灯を使用している。
付属のリモコン |
本体に2-3プルダウン検出が可能なプログレッシブスキャンコンバータを搭載し、DVD-Videoのプログレッシブ投影が行なえる。加えて、従来の4倍の速さ(240Hz)で画像を生成する「4倍速RGBシーケンシャル照明」を採用した。
入力信号はNTSC、PAL、SECAMに対応。映像入力端子は、DVI-D、コンポーネント、Sビデオ、コンポジットビデオを各1系統ずつ装備し、RGB信号の表示解像度は、VGA(640×480ドット)、SVGA(800×600ドット)、XGA(1,024×768ドット)の3種類となっている。このうちSVGAがフル表示で、VGAは拡大表示、XGAは圧縮表示となる。
冷却用ファンには大型のシロッコファンを採用。これをゆっくり回すことでファンノイズを32dBに低減した。コンパクトタイプではトップクラスの静音性としている。
アスペクト比設定メニュー | 「映像1」では、色温度などの設定が行なえる | プログレッシブ変換方法などを設定する「映像2」メニュー |
台形補正などを行なう設定メニュー | ランプ使用時間も表示される |
PLUS Playtheater Showroom |
スクリーンには同ショールーム備え付けの80型(アスペクト比4:3、マット系)を用いている。また、DVDプレーヤーとしてプログレッシブ出力が可能なパイオニア製「DV-S838A」を使用した。
なお、画質評価の参考用に24p収録(フィルム素材)のソフトとして「ダイナソー」を、30i(ビデオ素材)のソフトとして「在日米海軍厚木航空施設」を投影し、デジタルカメラ「COOLPIX 995」で撮影した。リサイズとトリミング以外には、特に補正を行なっていない。
入力可能なビデオ信号は、ごくベーシックな480iのみ。しかし内部で480pに変換するため、DVDの視聴には特に問題ないレベル。実際のところ80型のスクリーンに映し出された映像は、解像感、色のりとも何ら問題を感じなかった。 DLP方式なので、液晶プロジェクタで問題になる黒浮きやドットは、まったくといっていいほど見られない。それでいてDLP独特のレインボーノイズは、よっぽど気をつけて見ないとわからないくらいに抑えられている。 100型以上のスクリーンで見ると多少荒さが感じられるケースもあったが、それも3管式や業務用液晶プロジェクタに比べたら、の話。価格を考えれば非常に安定しており、DLPの威力を改めて感じさせられた。 プログレッシブ出力のDVDプレーヤーを購入することなく、手持ちのインターレースDVDプレーヤーを有効に活用できる点も良い。「とりあえずDVDプレーヤーを買った人」が次のステップとして「大画面」を選んだとき、多くのユーザーはD2以上のワイドテレビを選択するだろうが、本機の手軽さとブラウン管にはまねできない画面寸法も大いに受けると思う。 また、とにかく小さくて本体が軽いので、部屋や家屋を移動するなど、今までにない使い方ができそうだ。ショールームには40型スクリーンを使用した子供部屋でのセッティング例が展示されていたが、この軽さなら昼間は子供部屋、夜は寝室と場所を選ばずに視聴できる。セッティングも楽で、レンズを調節するよりも本体を動かした方が早いくらいだ。 もったいないのは入力がD1までという点だが、DVD-Video視聴のみと割り切れば良い。それよりも、液晶プロジェクタに比べると450ANSIルーメンと明るさが足りないので、徹底した遮光が必要な点がプロジェクタ初心者にとってモチベーション低下につながるかも。また、ファンノイズは32dBとなっているものの、音質的に耳につきやすく感じた。小音量で楽しむときに多少気になるかも知れない。とはいえ、一昔前のプロジェクタに比べればショッキングなほど静かだ。
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しかし、実際に投影された画像を見てみると、そのコストパフォーマンスの高さに驚く。プログレッシブ入力には対応していないものの、内蔵のプログレッシブ変換は2-3プルダウンに対応しており、実際に画像を見る限りプログレッシブ入力非対応でも問題がない。プラスビジョン曰く「DMDの仕様に合わせて、内部で変換した方が画質的にも有利」とのことだ。 また、DMDの解像度は848×600ドットなのだが、4:3の映像入力時は800×600ドットを使用し、16:9(スクイーズ)のときは848×480ドットを使用する。つまり、スクイーズ収録のDVDを再生時には、16:9のワイドパネルとなる。DVDの解像度720×480ドットを完全に表示できるわけで、まさにDVDで映画を見るためのプロジェクタといえる。 画質もDLP方式ということで、液晶で実現できない黒のしまった画像。また、画素間の隙間がせまいので、848×600ドットという、高画素とはいえない画素数でも、80インチ(4:3)を2~3m程度離れて見れば、粒状感を感じない。ただし、注意しておきたいのが、単版式のDLP特有の現象「カラーフリッカー(レインボーノイズ)」だ。これは、単版式DLPが、RGB3色のカラーフィルタを回転させることで、カラー表示を実現しているために起こり、動きの速いシーンなどでRGB各色が分解して見える現象だ。 PIANOでは、カラーフィルタを4倍速(240Hz)にすることで、フリッカーを低減している。もともとカラーフリッカーが気にならない方なので、今回も通常の視聴ではまったくわからなかった。しかし、こればかりは、かなり個人差あるので、購入前には実際に見て確認してほしい。 騒音は、ファンを搭載しているので無音とはいかないが、プロジェクタを使用したことのある人であれば、“無音”と思えるぐらいまでに抑えている。 残念なのは、画質調整が各入力1種類しか保存できないところ。プロジェクタの場合、再生するソースによって、変更したくなることが多いので、何種類か保存できれば嬉しい。また、やはりD1(480i)までの入力にしか対応していないのもネックだ。この点では、同価格帯の液晶プロジェクタに劣る。もちろん、BSデジタルチューナ側でD1出力に固定すれば表示することは可能であるが……。
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【主な仕様】
□プラスビジョンのホームページ
http://www.plus-vision.com/jp/
□ニュースリリース
http://www.plus-vision.com/jp/news/2001/0419_piano.html
□製品紹介
http://piano.plus-vision.com/index2.htm
□関連記事
【4月20日】プラス、30万円を切る世界最小・最軽量のDLPプロジェクタ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010420/plus.htm
(2001年7月5日)
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