気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】


第33回:当然、発売日にゲットです
日本語表示に液晶リモコン「RioVolt SP250」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

待ちに待った大本命プレーヤー

 なんだかんだいいつつも、今まで買いまくったMP3対応CDプレーヤーの中で一番使いやすかったのはソニックブルーの「RioVolt」っすよ、「RioVolt」。TDKの「MOJO」はかなりいいセン行ってて同レベルではあるけれども、WMAにも対応している点と、ファームウェアのアップデートでさらに使いやすくなったという点を評価して、No.1は「RioVolt」に超決定!

 が、やはり不満点はあったわけで、その最たるものが「ディスプレイのないリモコン」。せっかく楽曲名を編集しても、ディスプレイされるのは本体の液晶部のみ。しかも英語表記オンリー。そりゃまぁ、圧縮フォーマットが再生できるだけでもめっけもん。けどねぇ、せっかく楽曲名を編集/表示できるMP3/WMAのメリットを活かしていないのがどうにも。ポータブルCDプレーヤーは、結局リモコンでしか操作しないのだがら、本体で表示できてもメリットはほとんどナシなのですよ。

 漢字表示できないのもNG。最近、「クラシックもいいなぁ」と聞き込み始めた自分にとって、クラシック曲の英名は馴染みのないもの。手持ちのクラシックCDのほとんどは輸入物なので、大抵CDDBに英名で登録されているけれども、結局日本語に編集しなおしてるのです。手持ちCDはオムニバスアルバムばかりで、まだまだタイトルと曲が一致しないことが多い自分にとっては漢字でのタイトル表示は必須。お勉強してまでリスニングしたくはないからねぇ。

 しかし、10月4日に発売された「RioVolt SP250」は、漢字表示、液晶リモコンの両機能を備えているというのが素晴らしい。リモコンでの漢字表示って、シリコンプレーヤーでも無いッスよ!? おまけにいろいろ機能が追加されてるッスよ!? 発売日が1週間伸びて、やきもきしたけれども、10月4日こそは大丈夫。量販店に出撃ッスよ!


価格は高くても人気は高し

 っつーことで、発売日の朝に買ってきました。標準価格はオープンプライスになっているけれども、新宿の量販店での価格は26,000円。う~ん、店頭予想価格そのまんまの値段ですな。旧「RioVolt」(RioVolt SP100、以下SP100)は発売当初21,000円。これに5,000円を足して液晶リモコンが付いたと考えれば納得できる価格です。けど高いね、やっぱ……。

 秋葉原を探ればもっと安い店もあるのかな? しかし、店頭ではなかなかの人気の様子。「予約分」とされたの在庫の山もあり、秋葉原に移動する前に売り切れることもありそう。むむ、大事を取ってここでゲットしておきますか。「すいません、コレください」っと。

 おお、パッケージはブリスターから段ボールに変更されたのね。表面には英語で「PLAYS MP3&WMA」や、「FM TUNER」などの英語表記で特徴を示し、裏面には日本語の説明書きでそれぞれの特徴を解説。「尖った」印象は薄れたけれども、段ボールのほうが扱いやすくて好印象。それでは早速持ち帰って中身を検証せねば。

 ちなみに、翌日に池袋の量販店に顔を出してみると、そこにブツはなく「予約扱いとなります」のプラカードを確認。そうか、売り切れたか……。やはり人気は高かったみたいです。


見た目は同じ、機能は充実

 さて、この「RioVolt SP250」、外観を見ただけのところ、「SP100」と大差ありません。見たところの大きな違いは、本体側のボタン形状と、NAVI/ボリュームボタンの位置が変わったと、リモコンの形状が変わって液晶ディスプレイがついたことくらい。

 「RioVolt SP100」での不満点を列記してみると、「リモコンにディスプレイが付いてない(しかもスキップなどの基本操作のみ)」、「主にCD再生時に時々音飛びする」、「本体充電機能なし」など。発売当初に感じていた「曲間のタイムラグ」などは、ファームウェアのアップグレードで解消されたです。

 では、「SP250」の検証を。まず目立つ変更点は、やはり「液晶ディスプレイ付きリモコン」でしょう。それも漢字表示対応。これっすよ! これが欲しかったのです。次いで、FMチューナの内蔵。目立たないところでは、音飛び防止メモリが8分に延長や、本体充電機能が付いて、付属の電池はニッケル水素充電池。なんと「SP100」で感じていた不満点がほとんどすべて解消されてます。

 大きな変更点はこんなところかと。「SP100」を使い込んでいた目から見ても、外観上の違いはほとんど無く、あえて付け加えるとするならば、本体の液晶ディスプレイが少し小さくなったことを挙げておきましょう。大きさ、重量などに違和感はありませんでした。

 ソフトは、Windows用に「RealJukebox 2」、Macintosh用に「iTunes」が付属。ライティングソフトは添付されなくなったけれども、代わりにMacintoshへの対応もしっかりサポートされているのがよろしいかと。ただ、自分の持ってるMacintoshは、「Mac OS」ではなく「漢字Talk」時代の「Quadra 650」。検証は見送らせていただきます。ここ1年ほど起動すらしてないし……。

 え~、気を取り直して、他の同梱物の確認をば。キャリングケースもリニューアル。「SP100」ではリモコン接続部のみが露出するタイプだったけれども、今回は液晶部、操作ボタンに透明フィルムの窓がついて、キャリングケースに入れたままでも本体の操作が可能になっている。お~、細かいところで改善されてますね。ベルトクリップと、キャリングストラップも付いてプレーヤー本体をベルトにホールドしたり、肩掛けで持ち歩くことも出来るようになっております。実行するには少々勇気が必要かと存じますが。

 ともあれ、パッケージ内容で気になる点といえば、同梱マニュアルは相変わらずクイックガイドのみで、マニュアル本体はPDFという所くらい。それだけ。いやはや、ヒット製品の後継機だけに、ユーザーの声がバッチリ反映された新製品、といっていいでしょう。

パッケージ。段ボールに落ち着いた単色刷り。扱いやすくて好印象 同梱品一覧。「iTunes」も同梱してユニバーサルに対応 マニュアルは相変わらずCD-ROM内のPDF収録

同梱電池は三洋製の単3型ニッケル水素充電池 キャリングケースはファスナー収納に変更 キャリングケースのベルトクリップ


音質は良好、リモコンはちょっと馴れが必要?

 それでは、手始めにフツーのCDを再生してみましょう。まずはクラシックのオムニバスアルバム「ワールド・ベスト・クラシック」から。ウォームアップは10秒程度で、CDプレーヤーとして考えれば長いけど、WMA/MP3プレーヤーとしては優秀。けれども、せめてCD再生時は2~3秒で認識してほしいところ。今後の改善を求む。

 リモコンは、2行表示で上段が再生時間、下段がトラック表示という構成。本体ディスプレイは、情報部が3行表示で中段にフォルダ名を表示。MP3/WMA再生時や、CD-TEXT付きCD再生時は便利だろうな、と思います。が、現在再生中のディスクはベタCD。表示は「ROOT」、「Audio Track 01」などとなっている。これは別の機会に検証ですな。

 リモコンは、NAVI/MENUと、スキップの兼用ボタン、ボリュームとCD←→FM切り替え/モード選択兼用ボタンが押し込み可能なジョグボタンになっていて、その他にはPLAY、STOPボタンがあるだけ。

 操作のキモとなるのは、ジョグボタンで、短く押し込む、長く押し込むという操作で機能を選択。スキップ、ボリューム操作や、項目の移動などはジョグの左右で選択していく、という操作体系になっている。

 最初に感じたのは「ジョグの+/-位置が逆?」という違和感。手に持ったとき、下(機器側に向かうケーブル方向)が+、上(ヘッドフォン端子)が-、となっているため、上に向かってジョグを押したときにボリュームが下がったりして、かなり違和感を感じます。リモコンの形状も特殊なため、慣れるには少々時間がかかりそう。っていうか、使用開始から3~4日たってもまだ戸惑います。

 メニューにはビープ音の設定など、かなり細かい設定可能項目があるけれども、ジョグの+/-の切り替えは見当たらず。まあ、リモコンにプリントされてるしなぁ。ファームウェアでのアップグレードで対応してください。

 しかし、ジョグ自体の操作感は良好かと。特にボリュームがジョグになったので、操作がやりやすくなりました。+/-を間違えるのは致命的だけどね。とりあえず慣れる努力をしてみます。

 それじゃ、CD聞きながら帰宅しますか。せっかくだから、俺はキャリングケースのベルトクリップを利用してみるぜ。

 ということで、通勤の帰り道、ベルトに固定して40分ほど歩いきながらリスニングしたところ、音飛びは確認できず。信号が変わる直前の交差点で走っても大丈夫。ベルト固定の不安定な状況でも、音飛び防止機能は充分に機能してます。

 CD再生の音質の印象は、「SP100」とはちょっと変わった感じ。ノイズを拾っているようなヒスっぽさが抑えられた代わりに、高域の再生帯域が少々狭くなっているようにも感じる。けれども、バイオリンなど高域ソースでも分離感はあり、問題はナッシング。まあ、ポータブル環境でリスニングすることを思えば無視してよろしいレベルかと。ヒスっぽさが抑えられているので聞きやすくなっているので、良好な音質だと思います。

ウォームアップ状態。CDでは10秒、WMA/MP3は30秒ほどで認識 リモコンの表示。CDは再生情報とトラック数の表示が基本 リモコンのジョグ部。+/-を間違えやすい


WMA/MP3、漢字表示はどうよ?

 それでは、WMA/MP3、漢字表示を検証するとしましょうか。まずは、漢字表示ということで、日本語で編集したCD-TEXT入りのCD-DAを焼いたCD-Rを。

 こちらは何の問題もなく認識。ちゃんと漢字/カナ/半角英数が表示されておりました。ううむ、リモコンに日本語でタイトルが表示されるとは、いい時代になったものだ。ポータブルMDだって対応機種は少ないってぇのに、PCで楽に編集できる環境が簡単に活かせるのはメリット大きいですなぁ。

 続いて、WMA/MP3混在で、ビットレートもばらばらなファイルを焼いたCD-R、CD-RWを試す。ライティングソフトは「nero 5.5」を使用。Jolietフォーマット、ISO Level 2で焼いております。では、再生ボタンぽちっとな。ウォームアップ時間は、「SP100」とほぼ同等の約30秒。う~ん、この辺は改善されてないのね。

 ともあれ、両方ともあっさり認識。気分でWMA、MP3とフォーマットを変えて録音している自分にとって、両対応はありがたいです。混在ディスクだと認識すらしないプレーヤーもあるからねぇ。

 こちらの漢字表示も、CD-TEXTと同様、問題なし……と言いたいところですが、MP3のタグだけ、なぜか音引き(ー)がオミットされておりました。「モーツァルト」が「モツァルト」になってて一瞬ビビったよ。が、WMAは問題なし。

 「バレエ音楽ロミオとジュリエットよりモンターギュ家とキャピュレット家」みたいな長~いタグ情報でも、スクロール表示され、スピードも調節できるので、タイトルの読み取りは快適です。しかし、MP3はなぜ音引きが出ないのか……。とりあえず、ファームウェアアップデートはこの問題の解消からでしょうな。

 ちなみに、フォルダ内はファイルネーム、再生中はタグ情報を表示しております。再生順はファイルネームに準拠する様子。ふむ、自分はタグだけ編集していることが多いので、フォルダ検索ではちょっと苦労しそう。ま、再生してからスキップしていけば、タグ情報を確認できるのであまり不便を感じませんが、ファイルネームも編集しておいたほうがより便利かと。ISO Level 2でも31文字という制約はありますが。

 フォルダ間の移動は、リモコンの場合、ジョグで階層内の移動、STOPで上の階層へ、ジョグの短い押し込みで下の階層へ移動、という操作体系。STOPとジョグ間が物理的に離れているため、少々操作はしにくいけれども、この操作体系にはすぐに慣れました。ちなみに、本体での操作は「SP100」を踏襲して、丸型の再生/停止/スキップボタンをカーソルに見立てたものとなっております。もちろん本体のほうが操作はしやすいけれども、

 ちなみに、MP3/WMAの音質は、「それぞれのフォーマットを忠実に」といった感じ。CDで聞いていた「ワールド・ベスト・クラシック」をWMA/160kbpsで聞いたけれども、バイオリンの音がねぇ、さびしいのですよ。けれども、これはPCで聞いたときと同じ印象。テクノ系のDuftPunk「ディスカバリー」なんかはCDとほぼ同じようにリスニングできます。WMA/MP3プレーヤーの音としてはかなり良好ではないかと。どちらかというとMP3の方が聞きやすいかな。WMAはすっきりした音、MP3はまろやかに丸まった音、と表現したいと思います。

リモコンでのフォルダ階層表示。2行でも階層は認識は容易 リモコンのWMA再生中表示。トラック情報は漢字タグにきちんと対応 本体でのWMA再生中表示。3行の中段にフォルダ名を表示。ダンサーはいなくなりました


その他の機能はどうよ?

 それでは、その他の機能をざっと見てみましょう。FMチューナは、あまり使わなかったけれども、ざっと聞いたところでの受信感度は良好。オートチューニングもしてくれたし、20局のプリセットもできて、機能的には充分かと思います。都内でのリスニングだったため、横浜の局など距離の遠い局は少々雑音が乗ってましたが、都内の局はクリアに聴こえました。

 アンテナはリモコンケーブルではなく、本体に内蔵されている様子。受信状態の悪い局でケーブル、本体双方の位置を変えてみたところ、本体の位置を変えたときに状態が改善さております。

 FMチューナ使用時の注意点は、CD再生中からFM受信に切り替えた時でも、CD再生は停止され、FMからCDモードに切り替えた際にはじめから認識が必要なこと。う~、FM聞いた後で30秒待つのはおっくうなのじゃよ。FMチューナに切り替えても、CD再生状態が保持されるよう、ファームウェアが改善されることを要望いたします。

 本体充電機能は、本体停止状態で、停止ボタンを押すと充電開始。1時間後に様子を見てみると、1段階のみ充電されておりました。う~ん、時間がかかるッスね。で、CDを再生したところ、10分も持たなかったデスよ。

 本体で充電できるのはいいけれども、在宅時はACアダプタに繋ぎっぱなし、というユースでなければあまり有効じゃないかも。ヘビーな充電池ユースを考えている方は、別途急速充電器を用意するのが実用的かと考えます。

 けど、自分の場合、FM放送も聞かないし、電池はアルカリ乾電池の使い捨てってユースがメインなんだよね。う~ん、正直なところ、この辺の機能はあまり必要性を感じません。その分安くしてほしかったかな……。

FMチューナはオートチューニングに対応し、20局のプリセットが可能 本体充電中の表示。別途急速充電器を用意するのが実用的


不満点はほぼすべて解消、あとは価格だけ?

 振り返ってみると、冒頭で示した「SP100」での不満点は、ほとんどすべて解消されております。リモコンの使い勝手も上々。(+/-の違和感にさえ慣れれば)使いやすいです。贅沢言えば3行表示が欲しかったけれども、再生中はフォルダ名まで確認することも少ないので許容範囲。問題ありません。

 ボディカラーもブラックに変更されたことで、引き締まった印象を受けてナイス。ベルトクリップ付きのケースもなかなか使い勝手がよろしいですよ。

 さらなる改善を求めるとすれば、サイズと重量の削減、連続再生時間の延長だけですかね。あと、ウォームアップ時間の短縮。やっぱり30秒は長いっすよ。とはいえ、これはLSIの一体化や高速化、省電力化を低コストで行なえるという、ブレイクスルーがないと難しいと思われるので、まだ時間がかかるかも。ついでに、リモコンはもうちょっと小さくなるとより使いやすくなると思います。

 不満点はあるにはあるけれども、ガマンできるような細かいところばかり。ようやく普通のCDプレーヤー並みに使いやすくなって、WMA/MP3の利点が活きている製品が出たと感じます。機能は思いつく限りほぼ完璧。そう考えてみたところ、一番のネックとなるのはやはり価格でしょうなぁ。

 店頭価格で26,000円ってーのはマニアしか買わない価格っすよ。税込み価格にすると27,300円。「RioVolt SP100」からリモコンとファームウェアアップグレード機能を省いた店頭価格13,000円程度の低価格モデル「RioVolt SP90」もラインナップされてるけど、欲を言えばこの価格で「SP250」の機能が欲しかったデス。もう1年くらい待ちですかね?

□ソニックブルーのホームページ
http://www.sonicblue.co.jp/
□製品情報
http://www.sonicblue.co.jp/products/rio/riovolt-sp250.html
□関連記事
【9月26日】ソニック、「RioVolt」の新機種2モデルを発売延期
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010913/sonic2.htm
【9月13日】ソニック、LCDリモコン付属FMラジオ内蔵の「RioVolt」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010913/sonic2.htm
【4月3日】発売日に買っちゃいました「ソニックブルー RioVolt」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010403/saki07.htm

(2001年10月9日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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