編集後記

2014年5月30日

臼田勤哉

 Chromecast、使い道がない人にとっては意味のない製品だと思いますが、SVODサービスの利用者などには、かなり魅力的な端末になると感じました。しかし、Miracast、Chromecastとか普通の人に理解してもらえるかどうかは自信ないですね。技術的にというよりは、周辺機器を含めたUX/UI関連の工夫が必要なのかもしれません。

 ともあれ、Chromecastを使っていて感じたのは、特に映像において、テレビを含むあらゆるデバイスのインターフェイスが基本的にIPベースになるだろうな、ということ。4KテレビがHEVCデコーダ内蔵しているというのもそういう世界を見据えてのことなのだろうな、などと感じています。もう少しまとまったら記事にしようかと思います。

 今週の中国4Kテレビの話などもそうですが、タイミングを見ながらこうした軽めの記事も増やしていきたいところ。

山崎健太郎

 今年も行ってきましたNHK技研公開。8Kで120Hzの映像ともなると、撮影も記録も伝送も放送も表示も一苦労ですが、その苦労が徐々に軽減されていき、このサイズ&使い勝手ならなんとかなるかな? という未来の放送現場の姿がうっすら見えてきた印象。

 映像関係の展示が主すが、その中で面白かったのは22.2chサラウンドを満喫できるチェア。椅子の周りにアームを付けて、小型アクティブスピーカーを6個配置したものですが、22.2chのソースをバーチャルヘッドフォンで再生するための2chに落とし込み、耳の近くの2chスピーカーで再生。それだけでは再現しにくい、前方や背後の音を補強するために残りのスピーカーを使うというもの。

 ゲームセンターのアトラクションみたいで楽しく、聴こえ方もバーチャルヘッドフォンより自然でした。家で使えたら面白そうだと思いますが、ゴテゴテな椅子をリビングなどに入れるのも抵抗がありそう。マッサージチェアの高機能版として、ボタンを押すとアーム型スピーカーがウイーンガチャといっぱい展開してくるサイバー座椅子みたいな形になれば1つ欲しいです。

中林暁

 今さらながらの感想ですが、テレビ番組を作っている人の話は面白いなーと。話し方がうまいと必ず中身も面白いとは言い切れないとしても、人に聞かせる、興味を引くテクニックをしっかり持っているのは、文字で説明するのとはまた別で勉強になります。一方で、訥々としたしゃべりでも、ちゃんと技術などの裏付けや信念を持っている人の話もまた楽しく、どんどん質問したくなるので充実した取材になるように思います。

一條徹

 29日に配信開始された美空ひばりのハイレゾ作品「ひばりジャズを歌う」と「ひばりとシャープ -虹の行方-」を早速購入しました。実は美空ひばりは有名な曲くらいしか知らず、このジャズカバーも未聴だったのですが、1960年代の録音とは思えないほどの素晴らしさです。ステレオ導入初期の作品らしく、ステレオ感を強調した感じも良いです。日本コロムビアさんには、これを機にどんどんお宝音源を放出して頂きたいと思います。次はちあきなおみが聴きたいです。