デノン、ステレオSACDプレーヤー中級機「DCD-1650SE」

-プリメイン「2000シリーズ」新モデルも。178,500円


DCD-1650SE

7月下旬発売

標準価格:178,500円


 株式会社デノンコンシューマーマーケティングは、SACDプレーヤー「DCD-1650SE」とプリメインアンプ「PMA-2000SE」を7月下旬より発売する。価格はいずれも178,500円。同社を代表するCDプレーヤー/プリメインの最新モデルとなる。

 


■ DCD-1650SE

 SACDと音楽CDの再生に対応したプレーヤー。SACDはステレオまでで、最上位機種のDSD-SXで搭載した「Advanced AL 32 Processing」を搭載し、CDの情報量を飛躍的に向上したという。

 Advanced AL32 Processorでは、独自の高速信号検出/処理技術により時間軸上の情報量を向上。32bitへのデータ拡張に加え、独自のアルゴリズムによるデータ補間、アップコンバート/サンプリングを行ない、オリジナルデータを損なうことのない、きめの細かい自然な補間再生を実現するという。また、フィルタリング動作も適応性を広げ、パルシブな楽音データや高い周波数の連続音等に対しても可聴帯域外の周波数特性をコントロール。これにより折り返しノイズや高域レスポンスの低下による影響を排除し、微妙なニュアンスや、演奏者の位置、演奏会場(ステージ)の広さや高さ、奥行きなどの空間情報をより自然に再現するという。

 ドライブ部はオリジナルメカを採用。SACD再生時の高速回転でも振動が発生しにくいというブラシレスモーターを採用するほか、レーザービームの光軸ズレや、ターンテーブルやピックアップメカの傾きなど、部品のバラツキの差を吸収する傾き補正機能を内蔵。ローダーには、異種素材を組み合わせたハイブリット構造「S.V.H.」(Suppress Vibration Hybrid)を採用している。

 DACをマスタークロックとして利用する機能も内蔵。クロックの生成には発振回路モジュールを使用している。DACは32bit/192kHz対応で、チャンネルごとに差動出力で伝送している。また、単体DACとしても利用可能で、光/同軸デジタル音声入力からのPCM信号を変換可能となっている。

背面

 電源はデジタル系とアナログ系をそれぞれ独立して搭載。アナログ用にはOFC巻き線を採用し、S/Nやエネルギー感を向上している。トランスのベースにはアルミ材を採用し、トランスの振動抑制とともに外部からの振動も排除している。

 シャーシにも徹底した振動対策を施した「DIRECT MECHANICAL GROUND」構造を採用。底板で3層、天板で2層の平板構造により、共振を徹底して排除。ドライブのセンターマウントにより、ウェイトバランスを最適化し、内部/外部振動の影響を防いでいる。

 USB端子を装備しており、iPodやUSBメモリ内のMP3/WMAファイルをダイレクトに再生可能。ファイル選択は「DCD-1650SE」のリモコンで行ない、本体ディスプレイにファイル名表示できる。iPodの充電にも対応する。圧縮音源を高音質化する「コンプレスト・オーディオ・リストアラー」も搭載し、3段階の効果調整が可能となっている。

 再生周波数帯域は2Hz~50kHz(SACD)/2Hz~20kHz(CD)、S/N比は113dB(SACD)/119dB(CD)、ダイナミックレンジは110dB(SACD)/100dB(CD)。ディスプレイやデジタル出力をOFFする「Pure Directモード」も搭載する。

 出力端子はアナログ音声(RCA)と光、同軸デジタルを各1系統装備。入力はUSBと光/同軸デジタル音声を各1系統備えている。消費電力は23W(待機時0.3W)。外形寸法は434×336×137mm(幅×奥行き×高さ)、重量は13.5kg。リモコンが付属する。

 

■ PMA-2000SE

 「PMA-2000」シリーズで採用されているUHC(Ultra High Current)-MOSシングルプッシュプル回路を継承するプリメインアンプ。シャーシ構造の見直しなどを図り、「2000番台最強モデルに仕上げた」という。

PMA-2000SE背面

 出力段は、UHC-MOSシングルプッシュプルを採用し、定格出力は80W×2ch(8Ω時)、最大出力は160W×2ch(4Ω時)。防振構造を徹底した「DIRECT MECHANICAL GROUND」構造を採用し、パワートランスの制振化や、弾性材とスタビライザーによるラジエータの振動抑制などを図り、透明度と音像定位の向上を図ったとする。

 シャーシはパワーアンプブロックをL/R対称に配したツインモノラル構成で、信号レベルの異なる回路も分離して遮蔽を徹底。厚み1.6mmの鋼板を利用した6ブロック・セパレート構造を採用している。2つのトランスを並列接続する「L.C.マウント・ツイン・トランス」も引き続き採用している。

 ボリュームは、“このクラスでは贅沢”という27型の大径ボリュームを電動モータードライブ化して採用。リモコン操作も可能となっている。ボリューム回路やトーン回路、パワーアンプ回路は、SACDやDVDオーディオへの対応のためにワイドレンジ化。実使用時の再生周波数の上限を100kHzに設定している。

 入力端子はアナログ音声×7で、CD入力、PHONO入力は金メッキ削り出しピンジャックを採用する。PHONO入力はMM/MCカートリッジに対応。アナログ音声出力×2のほか、パワーアンプや、サブウーファなどとの接続用にプリアウト端子、パワーダイレクト入力端子を備える。プリアウト端子はMOS-FET出力のディスクリート構成フラットアンプより出力する

 スピーカー端子は、バイワイヤリング対応。消費電力は275W(待機時0.3W)。外形寸法は434×435×181mm(幅×奥行き×高さ)、重量は24kg。リモコンが付属する。


(2009年 6月 15日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]