ソニーPCL、新カメラや編集室新設など、3D製作体制拡充

-ハーフミラー方式など、3Dカメラは10式に


ソニーPCLオリジナル、ビームスプリッタ方式Rig

6月24日発表

 

 ソニーピーシーエル(ソニーPCL)は24日、3Dコンテンツの製作体制を拡充し、東京・品川区にある映像センターに、2室目となる3D対応編集室「206 iQ 3D/4K 対応編集室」を新設したと発表した。

 3D撮影機材は、新たに新設計のビームスプリッタ方式Rigを3式導入。入射光をハーフミラーで分けて撮影するタイプ。これに、従来から保有していた光学アダプタ搭載のサイドバイサイド方式(並立二眼式)カメラシステム×1式、P+S Technik製のビームスプリッター方式Rig×1式、ソニーPCL独自開発のビームスプリッタ方式Rig×5式の7システムを加え、全部で全10式の撮影システム体制となる。

 前述の新規設計Rigを含め、オリジナルRig 8式では、3D撮影時に重要な目幅・コンバージェンス調整を電動化。中継車など離れたところからリモート調整が可能となり、被写体に合わせたセッティングを効率良く行なえるという。

 さらに、21倍レンズも追加し、3D映像の表現力がアップ。幅広い撮影環境下で3D映像が捉えられるという。ほかにも、ステディカムなどに搭載可能な小型カメラを使用した小型3D Rig(S-Rig)も2式用意。ライヴコンサート、スポーツ、演劇・ミュージカル、ミュージックビデオ、水中撮影など、様々なカテゴリの撮影に対応できるという。

 

小型Rigの「S-Rig」ビームスプリッタ方式のRigを前から見たところ

 編集機能も強化。従来の「208 iQ Pablo 3D/4K 対応編集室」に加えて、Quantel製のiQ 4Kを導入した、「206 iQ 3D/4K 対応編集室」を新設した。これにより、3D/4K対応の2チェーン体制を構築している。なお、「208 iQ Pablo 3D/4K 対応編集室」には120インチのスクリーン、「206 iQ 3D/4K 対応編集室」には、ソニーの3Dテレビ「BRAVIA LX900シリーズ」を2台常設している。

206 iQ 3D/4K 対応編集室208 iQ Pablo 3D/4K 対応編集室、

 編集室の拡大に伴い、サーバのRAID環境を従来の3倍となる54TBに拡張。処理スピードの向上と高いパフォーマンスも提供するという。また、HDノンリニアの305編集室に、新たにAutodesk製のSmokeを用意。最新バージョンの「2011」にアップグレードし、柔軟性に富んだ3D対応を図っている。

206 iQ 3D/4K 対応編集室305 HD Smoke 編集室

 ソニーPCLではこうした設備を用いて、「3Dコンテンツの企画・制作から撮影、編集/カラーグレーディング、立体音響制作、DCP制作、BD オーサリングまで、3Dコンテンツの一貫制作体制と豊富な経験と高い技術力で、3D 映像制作を積極的にサポートしていきます。さらには、コンテンツ制作のみならず、世界最大となる867型超高精細3D LEDディスプレイのレンタル・運用に代表されるように、3Dに関する幅広いテクニカルサポートも手掛けていく」としている。


(2010年 6月 24日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]