ソニー、フルHD 3Dハンディカム「HDR-TD10」を4月発売

-2眼でフルHD 3Dを実現、2Dは60p記録。実売15万円


HDR-TD10

 ソニーは、1,920×1,080ドットのフルHD解像度で3D撮影が可能なハンディカム「HDR-TD10」を4月より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15万円前後。

 2つのレンズとExmor Rセンサー、映像エンジンBIONZを搭載した、二眼の3Dビデオカメラ。2系統の映像コアを活かして、1,920×1,080/60iのフルHD解像度で3Dの撮影に対応する。2Dでは60pと24pのネィテイブ記録も可能になった。64GBメモリを内蔵するほか、メモリースティック/SDメモリーカードスロットを装備する。

 1/4型710万画素相当のExmor R CMOSセンサーを2基搭載するほか、ソニーGレンズ、映像エンジンBIONZなどを各2系統搭載。2つの視差のついた映像を、Blu-ray 3Dでも採用されているMPEG-4 MVCフォーマットで記録することで、1080iのフルHD 3Dの撮影が行なえる。

 光学ズームは3D時が10倍(35mm換算34.4~344mm)で2D時が12倍(16:9 29.8~357.6mm、4:3 27.4~328.8mm)。デジタルエクステンデッドにより、17倍までのズームが可能という。レンズのF値は1.8~3.4。

左右のレンズの間隔は31mm液晶モニタを開いたところ

 3D撮影時には2つの映像コアを用いて、視差のついた映像を左右の目それぞれにあわせて記録。ズームと連動した光軸補正も自動で行なう。2眼レンズの中心間の距離は31mm。

HDR-TD10側面Gレンズを2系統装備。レンズの間隔は31mm

 3D撮影時でも、光学式手ブレ補正「アクティブモード」が有効となるほか、90種類のシーンを自動で最適設定する「おまかせオート」機能も搭載。簡単な操作で3D映像が楽しめるという。

HDR-TD10

 2D記録時には、1,920×1,080ドット 60i/24pのAVCHDのほか、新たに1080/60p記録に対応。これによりなめらかな映像表現を可能にしたという。ただし、1080/60pはAVCHD規格を超えているため、他のAVCHD機器での再生が保証されない独自方式となる。SD解像度のMPEG-2 PS記録も可能となっている。

 顔認識機能により、被写体をタッチするだけで追尾フォーカスする機能も搭載。正面だけでなく横顔も認識可能になった「顔キメ」機能や、顔以外の動物や物体もモニター上でフォーカス自動追尾を行なうことができる。任意の顔を優先的に追尾する「優先顔キメ」や動画撮影中に笑顔写真を同時に記録する「スマイルシャッター」も搭載する。

 音質面でも5.1ch記録に対応。従来機種に比べ2倍の感度という高音質マイクカプセルを搭載し、クリアで臨場感あふれる音声記録が行なえる。音量は液晶モニターに表示したレベルメーターで確認できる。

グリップ部分マイクはレンズ下部に装備。5.1ch記録ができるホールドしたところ

 本体にはステレオスピーカーを搭載しており、フルデジタルアンプ「S-Master」や、音声特性をデジタル処理で最適化するクリアフェーズ技術を装備。また、風きり音ノイズを低減する機能も備えている。

 最高3,072×2,304ドットの静止画撮影に対応。さらに、動画記録中に最高3,072×1,728ドットの静止画同時記録も可能となっている。なお、3D静止画の撮影には対応しない。

液晶モニターは3.5型で視差バリア方式の3D表示に対応する

 液晶モニターは、同社製の3.5型/122万9,000画素TruBlackエクストラファイン液晶で、視差バリア方式の3D表示に対応しており、裸眼3D表示が可能。UIも一新しており、写真や映像の撮影時間を自動分析し、イベントごとに閲覧できる「イベントブラウズ」機能を搭載。ハイライト再生機能も備えている。端子はHDMIミニやAVリモート、アクティブインターフェースシュー、マイク入力、ヘッドフォン、USBなど。

 撮影した3D映像は、USB接続したパソコンなどのHDDにダイレクトコピー機能を使って保存できる。HDD内に記録した3D映像はHDR10本体のHDMI出力を通して、3Dテレビなどに出力できる。なお、テレビがフレームパッキング方式の3Dに対応していない場合は、サイドバイサイドでの出力も可能。映像管理ソフト「Picture Motion Browser」が付属しており、3D映像のカット編集にも対応。撮影した3D映像の、左目用の映像だけを使い、フルHDの2D映像として、AVCHDフォーマットでBDメディアに映像を書き出す事もできる。

 付属バッテリは「NP-FV70」。別売バッテリ「NP-FV100」利用時の連続撮影時間(スタミナ最大)は3D時で約5時間10分、2Dで約7時間50分。外形寸法は86.5×148.5×74mm(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は約625g。


(2011年 1月 13日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]