東芝、電子書籍専用端末「BookPlace DB50」

-カラー液晶で実売22,000円。音楽再生も


ブックプレイス DB50

 東芝は、電子ブックリーダー「ブックプレイス(BookPlace)DB50」を2月10日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は22,000円前後。

 BookLiveが運営する「BookPlaceストア」と連携する電子書籍リーダー。7型/600×1,024ドットのタッチパネル付きワイド液晶を搭載し、メモリは8GB。プロセッサはFreescale i.MX535 1GHz。IEEE 802.11b/g/nの無線LANを搭載し、通信環境さえあれば直接電子書籍を購入できる。

 重量は文庫本2冊分という330gで、外形寸法は190×120×11mm(縦×横×厚み)。カラー液晶を装備しているため、小説やコミックだけでなく、雑誌や写真集なども楽しめるとする。小説であれば約6,000冊、コミックは約150冊を収納できる。また、モノラルスピーカーも搭載し、独自の音声合成技術を使った読み上げ機能も搭載。BookLiveで販売している書籍の約7,500冊が同機能に対応している。MP3などの音楽再生も可能で、ヘッドフォン出力を備えている。

 タッチパネルだけでなく、HOME、CONTINUE、BACK、MENU、VOLUMEの各ボタンを使って操作できる。また、小さい文字を拡大する「スライダー&タッチ操作」機能も搭載。雑誌やコミックなどはピンチイン/アウトで拡大縮小できる。


側面操作ボタンを丈夫に装備ヘッドフォン出力やスピーカーも装備する
ウィジェットから音楽プレーヤーを起動microSDスロット

 BookLiveには書籍だけでなく、雑誌や写真集、コミック、写真集など約5万冊を用意。さらに、3月までに10万冊まで拡充する予定。AndroidやWindows PC向けにもアプリを用意しており、BookPlace DB50だけでなく、PCやスマートフォンなど最大3台までの端末で読むことができる。

 しおり機能も搭載し、途中まで読んだページや気になったページを記憶できる。また、語句を選択して、Wikipedia検索する「インターネット辞書機能」も搭載する。HOMEボタンをクリックすると、「本棚」に戻ることができる。本棚画面は、趣味やビジネスなどジャンル別に好みの本棚を作って管理したり、名前別の並び替えなども可能。また、SDカードから取り込んだ写真データを本棚の背景に設定することもできる。

 microSDカードスロットやUSB端子も装備。SDカードはPDFやJPEG写真など、電子書籍以外のコンテンツ用の外部ストレージとして利用することを想定している。バッテリはリチウムイオンで、連続駆動時間は約7時間30分。OSは「Linuxベースだが非公開」(デジタルプロダクツ&サービス社 デジタルプロダクツ&サービス第一事業部 長嶋忠浩事業部長)としているが、ユーザーインターフェイス等はAndroidとほぼ同じで、展示機のバージョンは2.3.4となっていた。ただし、低コスト化のためにGoogleの定めるAndroidデバイスの必要要件を満たしていないため、Androidアプリの追加はできない。


■ 価格が最大の訴求点。「一人一台」へ

長嶋忠浩事業部長

 発表会では、東芝デジタルプロダクツ&サービス社 デジタルプロダクツ&サービス第一事業部 長嶋忠浩事業部長がBookPlaceについて説明。ウルトラブックやタブレットは、パソコンの「一家で一台」から、「一人一台」を加速するとして、さらに力を入れていく方針を説明。また、タブレットの用途として電子書籍リーダーが期待されていること、国内電子書籍市場の拡大が見込まれることから、電子書籍のハード/コンテンツビジネスに力を入れ、「2015年度にシェア10%、150万ユーザーの獲得を目指す」とした。

 電子書籍市場拡大のためにBookPlace DB50に盛り込んだ工夫としては、「カラーコンテンツやコンテンツ数の拡大」、「価格」、「インターフェイスと操作性」について説明。特に価格については、実売22,000円に加え、5,000円分のポイント特典を付与することから「海外で出ている端末に負けない価格」と自信を見せ、他社製品にない差別化要因についても、「カラー液晶を搭載しながら、お手頃。重量も軽い」とした。
 
 現時点でのBookPlaceの利用者は、2015年の目標値である150万の「1%に満たない」(長島事業部長)とのことだが、ハードウェア/コンテンツの双方で事業拡大を図る。海外での販売も検討しているが、現時点では未定としている。

電子書籍市場拡大のポイント2015年度に150万ユーザーを目指す
作家の井沢元彦氏(右)と、タレント/気象予報士の三浦奈保子氏(左)も発表会に参加。電子書籍の利便性や意義をアピールした

 なお、タブレットからもBookPlaceは利用可能だが、「将来的にはタブレットなど汎用機に取って変わるかもしれないが、一般の人に知ってもらう起爆剤として、今の時期に専用機は必要」と説明。2012年の専用機とタブレットの構成比も「フレキシブルに考えており、どちらも大きく拡大していきたい。直感的にいうと、3:7で汎用機(タブレット)が多くなるのではないか」とした。



(2012年 1月 26日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]