マクセル、HDD/DLNAサーバー搭載の新iVDRレコーダ

-3波Wチューナ/実売4万円。DIGAのBDへダビングも


VDR-R2000

 日立マクセルは、リムーバブルHDD「iVDR-S」や内蔵HDDへの録画機能を備えた地上/BS/110度CSデジタルレコーダ「iV(アイヴィ)ハードディスクレコーダー」の新モデル「VDR-R2000」を6月25日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後。ボディカラーはブラック。

 '09年に発売した「VDR-R1000」の後継モデルで、iVDR-Sへの録画に加え、新たに内蔵した250GB HDDへの録画も可能になった。さらに、DTCP-IPサーバーなどのネットワーク機能を強化したことも大きな特徴。なお、iVDR-Sは別売で、同社からは500GBモデル(実売16,000円前後)と250GBモデル(実売9,000円前後)が発売中(160GBモデルは生産完了)。

 地上/BS/110度CSデジタルチューナを各2基搭載。内蔵HDDへの2番組同時録画に対応する。MPEG-2 TS録画に加え、MPEG-4 AVC/H.264での録画にも対応。iVDR-Sへの直接録画も行なえる。録画モードはTSがHD/SD解像度の2種類。AVCがHDの2/4/8倍モードと、SD(24倍)の4種類を用意する。なお、2番組同時録画の場合、AVCで記録できるのは1番組のみ。BS11などの3D番組も録画可能(MPEG-2 TSのみ)。なお、スカパー! HDの録画には対応しない。

 内蔵HDDに録画した番組をiVDR-Sへダビングすることで、日立WoooやPC用アダプタなどの対応製品を使っての番組視聴も可能。ダビングの回数は、ダビング10/コピーワンスなどのルールに準拠するが、内蔵HDDとiVDR-Sの間のムーブは回数制限なく利用できる。HDDからiVDR-Sへのダビング時に、TSからAVCに画質変換することも可能。本体HDD内で画質変換してダビングすることも可能となっている。iVDR-Sへのダビング速度は、TSモード時が約9倍速、TSX8(8倍モード)時は約32倍速となる。


内蔵HDD、またはカセット型のiVDR-Sに録画可能録画モードと、録画可能時間の一覧EPG画面。録画済みの番組には○印が付き、ひと目でわかりやすい

 録画予約のための検索機能として、ユーザーの録画履歴から、出演者/ジャンル/時間帯などの情報を元に自動予約する「おすすめ番組機能」と、Gガイドの「注目番組情報」、タレントやジャンルなどのキーワードをリストから選んで自動予約する「キーワード検索」の3つを搭載。[出演者]では、タレント名鑑に載っているタレントから選んで、出演番組を自動録画できる。EPGなどから手動予約した番組と、キーワードなどでの自動録画番組は色分けして表示される。なお、自動録画の番組は、HDDの残量が一定以下となると、自動で古いものから削除される。

 データ処理能力を向上させたことで、録画/再生/EPG表示を同時に処理可能。また、キーワード自動録画された番組も、設定条件ごとに整理して表示できるため、番組を探しやすいという。

録画履歴を元に番組を探せる「おすすめ番組機能」Gガイドの推薦する番組をチェックできる「注目番組情報」タレント名などで自動録画できる「キーワード自動録画機能」
「おすすめ番組」画面「注目番組情報」画面「キーワード自動録画」画面
録画済み番組の探しやすさも向上自動録画の番組は番組名の背景色がブルーになり、判別しやすい


ホームネットワーク内のLAN HDDや、PCに接続したiVDR-Sアダプタなどの映像も再生可能

 ネットワーク機能では、新たにDTCP-IPサーバー機能を搭載。LAN内にある対応テレビなどで、「VDR-R2000」に録画した番組が再生可能。DLNAクライアントとしても動作し、DLNAサーバー対応のLAN HDDや、BDレコーダなどに録画した番組もLAN経由で再生できる。

 さらに、DLNAのAVネットワークダビングに対応したBDレコーダを使用することで、「VDR-R2000」のHDDまたはiVDR-Sに記録した番組をBDレコーダ側でBDに書き込むことも可能となる。動作確認済みのレコーダはパナソニックのDMR-BZT900/800/700/600、DMR-BWT500、DMR-BRT300、DMR-BWT3100/2100/1100、DMR-BW890/690。

 また、アクトビラ ビデオ・ダウンロードやTSUTAYA TV、Yahoo! 動画にも対応。ダウンロードしたコンテンツも、前述のDLNA/DTCP-IPサーバー機能により他の機器で再生できる(一部番組を除く)。そのほか、ニコンの写真共有サイト「Nikon my Picturetown on TV」や、有害サイトへのアクセスをブロックする「i-フィルター for TV2」なども利用できる。


LAN内にあるDLNAサーバー製品を表示他の部屋にあるVDR-R2000のコンテンツもネットワーク経由で再生可能対応DIGAなどを利用して、VDR-R2000の番組をBDにダビングすることも

 GUI面では、フォントサイズや背景色を変更可能。また、機能の内容や使い方を表示する「ひとことガイド機能」も備える。付属リモコンは大きな文字のボタンを搭載し、9社のテレビが操作可能。リモコンのデザインは、視距離の誤差を減らす逆Rカーブ形状としたことで、見やすさと押しやすさを高めている。

 出力端子は1080p出力対応のHDMI(CEC対応)と、S映像、コンポジット、光デジタル音声、アナログ音声を各1系統装備。Ethernetも備える。SDカードスロットも備え、カードに記録したAVCHD動画や、JPEG静止画などを再生可能。静止画は本体のHDDにコピーすることも可能となっている。消費電力は26W(待機時0.3W)。外形寸法は297×224×66mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2.3㎏。

 なお、VDR-R2000は5月31日に秋葉原UDXで開催されるイベント「iVDR EXPO 2011」にも出展。このイベントは入場無料で、同製品などが当たる抽選会(要事前登録)や、桃井はるこ主演のiVDRプロモーションビデオ「桃井はるこ 記憶にaccess~はじめて編~」のお披露目上映なども行なわれる。

背面前面にiVDR-SやSDカード、B-CASカードのスロットを備えるSDカード内のAVCHD動画などが再生可能
ボタンの表示が大きく、使いやすさを追求したリモコン従来機種との違い。ほとんどが新機能となっている5月31日に秋葉原UDXで開催される「iVDR EXPO 2011」にも出展。入場無料で抽選会なども行なわれるイベント


■ レコーダのヘビーユーザーにも訴求

日立マクセルの松岡建志氏

 日立マクセル 商品開発本部の松岡建志本部長は、「'07年にカセット型のiVDRを発売して以来、iVの世界を広げるためプレーヤーやレコーダを発売してきた。今回のレコーダで、この世界をさらに広げたい」と述べた。

 従来モデルの「VDR-R1000」は、アナログテレビの利用者などエントリー向けという位置付けだったが、新製品はネットワーク機能の強化などによって、既にレコーダを持っている人などヘビーユーザーへも訴求。「テレビから外付けHDDに録画する場合は、つなぐ台数が限られていたり、1 to 1でしか使えないなどの限界がある。新モデルはレコーダを使っている人を含め、すべてのユーザーを想定して作っている。お年寄りも、従来のビデオデッキのように使える」と仕上がりに自信を見せた。



(2011年 5月 24日)

[AV Watch編集部 中林暁]