【CEATEC 2011】東芝、4Kやタブレット連携訴求
-4K REGZA「55X3」体験コーナーが人気
東芝ブースでは新製品を多数展示 |
4日より開幕したCEATEC JAPAN 2011。東芝は既報の通り前日となる3日に「レグザサーバー」、4K/2K 2DとHD 3D切り替え可能な液晶テレビ「55X3」、「レグザタブレット」などを発表。REGZA WORLDとして各機器の連携をアピールしていく方針で、CEATECのブース展示もこれらを中心に展示。55X3の体験コーナーには長蛇の列ができていた。
55X3の体験コーナーでは、映画や音楽などの様々なコンテンツでHD解像度のグラスレス3Dが体験できるほか、4K写真や、フルHD映像から4Kへの超解像アップコンバート、4K映像など、様々な映像の種類が体験可能となっている。
55X3 | 4Kソースを表示 | 4K超解像のデモ |
QFHD写真再生 | グラスレス3D |
ひかりTVの4K/2K映像配信のデモ |
また、NTTぷららの「ひかりTV」による4K映像配信のデモも行なっている。これは、ひかりTVにおける4K/2Kの配信を目標に、実現に向けた実験についてNTTぷららと東芝が協力するもの。実際に放送中の旅番組とほぼ同じシーンを使いながら、フルHDと4Kの撮影を行ない、画質差や撮影時の4Kならではの課題を抽出しているほか、配信時のエンコード/デコードや、機器実装時の問題などを検証している段階という。
なお、今回のデモ用コンテンツは、ネット配信ではなくローカルのサーバーからの4K映像をHDMI(4本)経由で入力しており、コーデックにはMPEG-4 AVC/H.264を採用、ビットレートは最大144Mbpsとなっている。現在のビットレートではコンシューマ向けの実証試験などもまだ難しい段階だが、今後研究を進め、実用的なレートでの配信を目指すという。将来的には現在のひかりTVと同様にEthernet経由での受信を可能とし、放送や他のVODサービスとは異なるプレミアムコンテンツとして、差別化を図る考え。
実際の旅番組の収録現場で4K撮影を実施 | あえて、小さな文字のキャプションを制作し、その視認性を確認している |
レグザサーバー「DBR-M190」 |
また、6ch全録/DTCP-IP配信の「レグザサーバー」についても、レグザリンク・シェアや新Appsを使ったライブ視聴や、タブレット配信のデモを実施。タブレットのコーナーにも多くの来場者が訪れていた。
RZライブでサーバーで受信した映像をタブレットでライブ試聴 | レグザタブレット「AT700/35D」 |
Yahoo! JAPANと共同開発した、番組連動の関連情報配信サービスのデモも行なっている。これは放送中の番組に関連する情報を、タブレットなどに配信するもので、ロケ地の位置情報や店舗情報などをYahoo!が集約。テレビとタブレットを連携し、テレビの番組の進捗状況やチャンネルにあわせて、関連情報をタブレットで確認できる。
今後の展開は未定だが、データの収集方法や放送局との連携方法など、運用面での課題を調整し、実用化を目指す。なお、同様の展示はシャープブースでも行なわれており、Yahoo!側の基本的な仕組みは共通で、各テレビ向けに若干の調整を行なっているという。
テレビ番組の関連情報をタブレットに表示 | サービスの概要 |
ecoチップ搭載REGZAを年内発売 |
テレビ関連の参考展示として、「ecoチップ」を搭載し、待機電力をほぼ0WとしたREGZAを参考展示。年内に発売予定としている。6月に発表していた技術で、テレビの待機電力をほぼ0Wにするもの。
通常のテレビでは、電源OFF(待機状態)でも、リモコンからの電源ONなどの指令を受け取るためのリモコン受信機や、LEDインジケータ、周辺回路などが動作しており、若干の待機時消費電力が発生する。
ecoチップでは、電源ケーブルと本体内の電源回路の間にリレーを設け、このリレーを制御し、切断できる。これにより、待機電力は0Wになる。しかし、リレーを切断した状態では、リモコンからの電源ON指令も受けとれず、ecoチップ自体も動作できないためリレーを戻す事もできない。そこで、ecoチップと大容量のキャパシタをセットで内蔵。テレビ視聴時にキャパシタに充電しておき、電源がOFFになると、ecoチップはリレーを切断し、キャパシタの電力を使いながら、リモコン受信機として指令を待つ。リモコンから電源ONの指令を受け取ると、リレーを戻し、テレビの電源がONになる。待機状態が続くとキャパシタが空になってしまうため、充電をするために電源のリレーが戻り、約5分間充電する。
ecoチップ | ecoチップの概要 | Ultrabook「dynabook R631」も展示 |
デジタル技術を使ったエネルギーソリューションとして、スマートホーム(HEMS)におけるデジタル機器連携やエネルギーマネジメントなどについても紹介。また、東日本大震災で、被災した岩手県大槌町村役場のサーバーデータ復旧についても案内しており、被災したサーバーも展示している。
家庭内のデジタルエネルギーマネジメントも紹介 | 被災した大槌町のサーバーシステムのデータを復旧 |
(2011年 10月 4日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]