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シャープ、'13年第2四半期は営業利益308億円。液晶回復
IGZO低コスト化で「ミドルロー」まで拡大へ
（2013/10/31 23:00）
シャープは、2013年度第2四半期(2013年7月～9月)の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比13.7%増の7,341億円、営業利益は308億円、純利益は136億円と黒字化。第2四半期累計(4～9月)では、売上高が前年比21.5%増の1兆3,420億円、営業利益が338億円で前年同期の1,689億円の赤字から大幅に改善。純利益は43億円の赤字。
シャープの高橋興三社長は、「事前の発表値を上回り、前年度上期から大幅に改善した。収益は2012年度第1/2四半期をボトムに回復しており、全部門で営業黒字を達成。営業利益は2,027億円の改善となった」。特に液晶が収益改善に寄与。営業利益は4四半期連続での黒字となる。
テレビは堅調。IGZOは「ミドルロー」まで拡大へ
'13年度上期の部門別業績は、プロダクトビジネスの売上高が前年同期比13.2%増の8,212億円、営業利益は455億円増の363億円。デバイスビジネスの売上高が、同26.7%増の6,264億円、営業利益は同1,532億円改善し、139億円の黒字となった。
デジタル情報家電の第2四半期売上高は、前年同期比14.1%減の1,756億円、営業利益は22億円。うち、液晶テレビの売上高は前年同期比5.3%増の1,137億円、台数は4.6%減の212万台となった。上期の液晶テレビは、売上高が同年同期比4.5%増の1,940億円、販売台数が前年比5.3%減の369万台。
液晶テレビについては、国内、中国、新興国の販売が伸びたが欧州や米国が低迷。今後は、60型以上を伸ばし、新興国などの重点地域のローカルフィットモデルを強化する。通期の販売目標台数は800万台。
携帯電話の第2四半期売上高は、前年同期比46%減の372億円、台数は同43%減の110万台。ドコモのツートップ戦略、iPhone参入などの影響を受けたが、9月に通期の販売目標を550万台に下方修正。「これ以上の上振れも下振れも無い」とした。今後は、IGZO搭載モデルの拡充により、主に国内シェア拡大を図る。
液晶事業の第2四半期売上高は前年同期比28.2%増の2,847億円、営業利益は181億円。多額の赤字を計上した2012年度上期から、大幅に改善している。上期全体では、鴻海やサムスン向けなど堺工場の大型液晶が外販好調で安定稼働しているほか、スマートフォン/タブレット向け需要増の効果もあり、中小型も好調としている。
堺工場の稼働率は8割程度で安定しており、「60～70型が効率的に取れるのは堺だけ。大きな変動なく推移している」とのこと。大型から中小型にシフトしている亀山第二工場は、計画より若干シフトが遅れているとのことだが、今後中小型比率を拡大していく計画。
また、現在ハイエンド向けに展開しているIGZO液晶については、「固定費削減で10%減、原価償却、円安などでコストダウンされているほか、工数削減に取り組んでいる。かつてのIGZOは高精細ハイエンドだけだったが、これらの4つの施策により、ローエンドPC以外のミドル、ミドルローといったクラスの液晶にも展開できる。そう方向転換している」(高橋社長)という。
健康・環境の第2四半期売上高は1.1%増の775億円、営業利益が同64.3%減の32億円。エアコンや冷蔵庫は好調だが、海外製品の輸入が多い国内事業で円安影響により収益悪化。今後はASEAN拡大や、地産地消の推進などで、為替影響を極小化するとしている。
太陽電池の第2四半期売上高は前年比64.1%増の839億円、営業利益は30億円。国内の住宅用やメガソーラが堅調とする。ビジネネスソリューションは売上高が8.8%増の807億円、営業利益は同80.2%億円増の75億円となった。
電子デバイスの第2四半期売上高は、前年同期比9.7%増の865億円、営業利益は51億円。モバイル向けのカメラモジュールが好調で、今後はカメラモジュールのほか、監視や車載、医療分野へのセンシングデバイス販売強化や、光センサ、タッチパネルなどを強化する。
通期連結業績予測には変更なく、売上高は2兆7,000億円、営業利益800億円、純利益50億円。2013年度通期で純利益黒字化を目指す。高橋社長は「数字としては、当初予測より若干上振れしたものの、『ほっと一息』ということはない。まだ厳しく、一層の構造改革が必要。また、新たな事業を作っていかなければならない」と述べ、引続き業績回復に取り組む姿勢を示した。