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ドワンゴとKADOKAWAが経営統合。「KADOKAWA・DWANGO」設立

「世界に類のないコンテンツプラットフォーム」へ

 動画配信サービス「niconico」を運営するドワンゴとKADOKAWAは14日、共同株式移転により両社の完全親会社となる株式会社KADOKAWA・DWANGOを設立し、経営統合することで合意。それぞれの取締役会の決議に基づき、統合契約書を締結した。

 登録会員3,936万人、有料のプレミアム会員223万人を有する動画配信サービス「niconico」を運営するドワンゴと、出版事業、映像事業、版権事業、デジタルコンテンツ事業を手がけるメガパブリッシャーのKADOKAWAが経営統合する。

 両社では、この統合により、ドワンゴの有する技術力及びネットプラットフォームとKADOKAWAの有するコンテンツやリアルプラットフォームを融合させ、ネット時代の新たなビジネスモデルとなる“世界に類のないコンテンツプラットフォーム”を確立することを目指すとしている。また、中期的には“進化したメガコンテンツパブリッシャー”として、ネット時代の新たなメディアを築いていくという。

 統合持株会社は10月1日の設立を予定しており、代表取締役会長には現ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏が、代表取締役社長にはKADOKAWA取締役相談役の佐藤 辰男氏が就任。KADOKAWA取締役会長の角川歴彦氏は、取締役相談役となる。

 KADOKAWAとドワンゴは、2010年の業務提携や、2011年5月の資本提携、2013年のエイベックスからのKADOKAWAによるドワンゴ株取得などで協業を進めてきたが、提携関係の一層強化が相互の経営戦略に合致すると判断。今回の経営統合に至った。

 両社事業の連携によるシナジー効果としては、ドワンゴのネットプラットフォームと、KADOKAWAのコンテンツを融合し、新たなビジネスモデルのもとでプラットフォームを強化。ドワンゴのプラットフォームのユーザー数増加や、広告収入増加を図る。

 また、KADOKAWAのコンテンツ編集力を活かし、ドワンゴのプラットフォーム上でUser Generated Content(CGC)として創出されるコンテンツをプレミアム化。メディアミックスを含めたKADOKAWAの販売、流通施策を通じて、KADOKAWAにおけるコンテンツ販売事業を最大化する。

 さらに、ドワンゴの情報展開力とKADOKAWAの取材.編集力を活かし、他のマスメディアを補間するネット時代の新しいメディアを構築。KADOKAWAの拠点やノウハウを活かした海外展開などを目指すほか、ECの強化や新広告サービスの拡大も図るとしている。

(臼田勤哉)