新発売のAV機器をいち早く紹介 |
マルチチャンネルSACD対応の柱状スピーカー5.1chシステム |
ソニー「DAV-S800」 |
9月10日発売 価格/オープンプライス(店頭予想価格:10万円前後) |
| ||||
| ||||
|
■ サブウーファ部の外観
| ||||
|
■ その他スピーカーの外観
|
|
■ 主な特徴
マルチチャンネルSACD対応のDVDプレーヤーと6ch AVアンプ、AM/FMチューナ、パッシブ型サブウーファ、4本の柱状スピーカー、センタースピーカーをセットにしたモデル。店頭予想価格は、10万円強と見込まれる。デッキ部の外形寸法は355×378×70mm(幅×奥行き×高さ)で、フルサイズの多いSACDプレーヤーとしてはコンパクト。前面をアクリルパネルとし、パネル全体で蓄光する、専用リモコンが付属する。
再生可能なディスクは、DVDビデオ、SACD、プレスCD、CD-R/RW、ビデオCD。SACDは2chだけでなく、マルチチャンネルにも対応する。DVDオーディオには非対応。映像出力はインターレース方式で、D1出力端子を1系統装備する。RCAのコンポーネント端子は搭載しない。
背面のAV入力パネル | 正面右の操作部 | リモコン |
アンプには同社の「S-Masterデジタルアンプ」を採用し、フルデジタルでの増幅を行なう。「コンパクトな回路で迫力ある高音質を再現する」としている。アンプ部の出力はサテライトが50W×5ch、サブウーファが100W。再生周波数特性は、SACDで2Hz~44kHz。
DVDビデオのサラウンドフォーマットは、ドルビーデジタルとDTSに対応。また、音場プログラムとして、同社のAVアンプに採用されている「シネマスタジオEXモード」を搭載している。A、B、Cの3モードを使用でき、それぞれSPEの標準スタジオ、ミキシングスタジオ、BGM録音スタジオの音響特性を再現するという。このほか、計11種類のサラウンドモードが搭載されており、その中にはヘッドフォンで劇場のような効果を再現するという「HEADPHONE THATER」も用意されている。
スピーカー設定は接続先のディスプレイで行なう。各スピーカーごとに大きさ(スタンドの有無)、レベル、距離を設定でき、リアは視聴位置の横か斜め後ろ、床置きか壁かけかを選択可能。センターなしのファントムモードも選べる。
スピーカー設定画面 | SACD、CD、SACDマルチチャンネル収録からひとつを選択できる |
デッキ部のスピーカー端子は、スピーカーごとに色分けされた専用形式。スピーカー部の接続端子はバネ式を採用している。映像出力はD1のほか、S映像×1系統、コンポジット×2系統を搭載し、音声は光デジタル入出力を各1系統ずつ備える。
サブウーファはバスレフ型で、20cmユニットを搭載する。35Hzからの再生が可能で、外形寸法は230×410×433(幅×奥行き×高さ)、重量は約9.6kg。
フロント/リアスピーカーは、バスレフ型の2way3スピーカー。樹脂ボディの上部と金属製の下部で構成されている。上部は取り外し可能で、上部のみでの使用も可能。また、フロントとリアは外観はほぼ同じだが仕様が異なり、リア用には無指向性のユニットが組み込まれている。上下合わせての重量は、フロントが約3.3kg、リアが約3.2kgとなる。高さはどちらも1,055mm。
■ 編集部のファーストインプレッション
今回はSACDでのテストを主に行なった。2chのSACDだけでなく、マルチチャンネルも試している。また、映像はDVDビデオをソニーの液晶プロジェクタ「VPL-HS1(Cineza)」で80インチ(4:3)のマット系スクリーンに投射。DAV-S800とはD端子-コンポーネント変換ケーブルで接続した。投写距離はほぼ最短の3.3mで、デッキ側、プロジェクタ側ともに画質、音質調整は初期設定のままで視聴。
なお、用意したマルチチャンネル収録のSACDタイトルは2本ともハイブリッドだったため、CDでの音質もチェックしている。
●視聴ソース
また、画質評価の参考として、DVDビデオ「ダイナソー」を投写し、デジタルカメラ「COOLPIX995」で撮影したものを別ページに掲載している。リサイズとトリミング以外に、特に補正を行なっていない。
結論からいうと、音質は価格に見合ったものだった。解像感が薄く、抜けがいまひとつ。せっかくのSACDなのだから、個人的にはもう少しきれいな音を聞かせて欲しかった。 しかし、サブウーファは他の国産5.1chシステムに比べると、なかなかタイトな音質に感じた。機能や操作系から推測するに、本機のベースは4月発売の「SA-PSD5」と思われるが、それよりは芯のある低音が聞けた。 DVDビデオの映像は、最近の54MHz DAC内蔵機やプログレッシブ映像を見慣れたせいか、少し緻密さに欠けるような気がする。また、画質設定項目も少ない。とはいえ、21型などそれほど大きくないテレビなら特に問題はないだろう。 SACDルチも聞けるし、DVDビデオも流行りの5.1chで楽しめる。これから購入する人に向けたパッケージとしてはなかなか面白い。しかし、このパッケージのウリとなるSACDの再生機能が、ターゲット層にどこまで訴求できるのかは疑問に感じる。
|
|||||
|
デッキ部もSACD/CDプレーヤーとAVアンプを内蔵していることを考えれば大変コンパクト。デザインは、すっきりしていて自分の好みに合っている。比較的薄型なサイズもSACD/CDプレーヤーとしては驚異的。よくまとめてあると思う。 最大の特徴であるSACDの音は、確かにCDとは違っていたが、劇的によくなっているとは感じられなかった。おそらく同梱スピーカーが原因であろうと思われる。SACD最大の売りである「音質」には期待しないほうが良いだろう。ただ、DVD/CD/SACDの再生に対応するAVアンプ一体型のプレーヤーとして評価できる。今後SACDのみでリリースされる作品が出てきた場合でも再生できるのだから。 DVDの操作感は、ソニーの他機種と同様。同社のDVDプレーヤーの操作体系に慣れている方ならば戸惑うことはないと思われる。ただ、AVアンプ部のセッティングもOSDに統合されているので、メニュー体系は多少煩雑に感じた。 同梱スピーカーのスタンドは、スピーカーと組み合わせることで低音を増すように設計されているようだ。スピーカーのセッティングもアタッチメント方式でわかりやすい。ただ、音質は劇的に変わったようには感じられなかった。ただし、サブウーファは巨大で、セッティングには苦労が予想されるものの、迫力はそれなりに大きかった。
|
|||||
|
マルチチャンネルSACDまで対応している、SACD/DVD の5.1ch システム。デッキ部も、スタンド付きのサテライトスピーカーもカッコイイ。特に暗闇でパネル全体が浮かび上がる、蓄光式のリモコンがいい。 そして、トールボーイスピーカーで、マルチチャンネルSACDにも対応しているので、大きな期待を持って試聴。……、しかし価格なりに「SACDも再生できます」というレベル。やはり、このシステムで、SACDフォーマットを評価すべきではないだろう。 音質などはそれほど気にせず、これをセットで購入したらDVDはもちろん、SACDも、さらにはマルチチャンネルのSACDも再生できるということに意義を見出したい。音質をうんぬんするというのは野暮というものだろう。 プレーヤーとしての設定は、同社のDVDプレーヤーを踏襲している。また、スピーカー設定などは、グラフィカル表示されるのでわかりやすい。その意味では、1からマルチチャンネルをはじめたいという人には適している製品だと思う。
|
|||||
|
【主な仕様】
(デッキ部)
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/sd/CorporateCruise/Press/200107/01-0716/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/products/digitaltheater/contents/n_p.html
□関連記事
【7月16日】ソニー、SACDに対応した低価格ホームシアターシステム
―マルチチャンネルSACDにも対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010716/sony.htm
(2001年10月13日)
00 | ||
00 | AV Watchホームページ | 00 |
00 |