第11回:かわいくてお買い得!? |
怒涛のように発売されつづけるDVDタイトル。本当に購入価値のあるDVDはどれなのか? 「週刊 買っとけDVD!!」では、編集スタッフ各自が実際に購入したDVDタイトルを、思い入れたっぷりに紹介します。ご購入の参考にされるも良し、無駄遣いの反面教師とするも良し。「DVD発売日一覧」とともに、皆様のAVライフの一助となれば幸いです。 |
白雪姫&ディズニーDVDプレーヤーセット | |
(c)Disney Enterprises,Inc. |
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価格:18,800円(白雪姫DVDのみ 3,300円) 発売日:2001年10月12日 品番:BVHE-SN1(白雪姫DVDのみ VWDS-4466) 仕様:片面2層2枚組み 収録時間:約83分(本編) 画面サイズ:4:3 字幕:英語、日本語 音声:1.英語(ドルビーデジタル5.1ch) 2.日本語(ドルビーデジタル5.1ch) 発売/販売:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテインメント |
今回取り上げるのは「白雪姫」。ウォルト・ディズニー生誕100周年記念の一環としてDVD化されたもので、10月12日に全世界同時発売された。価格も、本編ディスクと特典ディスクの2枚組みで3,300円と、ディズニー作品としてはかなり低価格に設定されている。
また、ディズニーでは、10年に1作品、同時期にイベントリリースする「モラトリアム」を予定しており、白雪姫DVDはその第一弾と位置付けられている。
さらに、「白雪姫」DVDの発売を記念した特別プロジェクトとして、「白雪姫」DVDに、特製「ディズニーDVDプレーヤー」をセットにして2万台限定で同時発売。
糸井重里氏が総合プロデュースを行なった「ディズニーDVDプレーヤー」は、ディズニーらしい特徴的なデザインを採用。価格も「白雪姫」DVDとセットで18,800円と、かなりお買い得感が高い。そのため、発売前からかなり話題をよんでいた。実際、予約だけで売り切れてしまったショップも多く、入手困難が予想された。
そして、予約するのをすっかり忘れていて迎えた発売日当日。慌てて、ショップを回ったが売り切れのショップばかり。しかし、なんとか在庫しているショップを探し出し、購入することができた。
■ 世界初の長編アニメーション
ディズニーの白雪姫は、第2次世界大戦前夜、大恐慌の傷も癒えぬ時代に150万ドル(当時)を投じ制作された、世界初の長編アニメーション。この時代に、フルカラー、フルモーションの83分のアニメーションが制作されていたことにまず驚く。
実は、白雪姫は今までに2度の大掛かりな修復が行なわれている。まず、'87年にオリジナル版フィルムの汚れを1つ1つ取り除く修復を実行。2度目は'93年にコダックの「シネオン」技術によりフィルムをコンピュータに取り込み、「デジタル・ニューバージョン」として118,000コマ全てを6カ月間かけて修復している。
今回、新たに「ウォルト・ディズニー生誕100周年」記念プロジェクトとして、フィルムを介さず直接ビデオ信号に変換、色調を整え、傷を修復した「デジタル・リマスター版」が作成された。これにより、同社は「オリジナルの色彩と鮮明な画像を楽しめる」としている。
また、音声もディズニー・スタジオが開発したノイズリダクション技術を活用。さらに、マルチチャンネル技術によりリマスターが行なわれ、英語、日本語吹き替えともドルビーデジタル5.1chで収録された。加えて、「いつか王子さまが」を、バーブラ・ストライサンドが新たにレコーディング。そのミュージッククリップが映像特典として収録されている。
つまり、最新技術を駆使して、64年の年月を経た現代に「デジタル・リマスター」で甦ったというわけだ。
■ DVDとしてどうか?
デジタル・リマスター版となった映像は、64年前のアニメーションとは思えないほど高画質に復元されている。もちろん、劇場公開当時のフィルムを見たわけではないので、“甦った”と確認できるわけではないが、予備知識なしに64年前のアニメーションとわかる人はいないだろう。ただ、一部でソフトフォーカスがかかったような画像になるところがあり、多少気になった。
もちろん、現在のデジタル制作のアニメーションのような“カッキリ、クッキリ”な画像ではないが、ディズニー生誕100周年記念作品とするのに十分な味わいのある画質に仕上がっている。
音声はもちろんノイズなどは皆無。しかし、今回5.1chにリマスターが行なわれているのだが、あまり恩恵は感じられなかった。逆にセンターが弱く、セリフ、歌が聞き取りづらいとまではいわないまでも、元気がなくなっている。この点では、日本語の吹き替えの方が、後から音声を入れているだけあって、音質も良好で聞きやすかった。無理して5.1ch化せずに、オリジナルをPCMで高音質に収録しても良かったのではないかと思う。
なお、オーディオトラック3には、ウォルトディズニー本人と、アニメーション史研究家ジョン・ケインメーカーのオーディオコメンタリー(音声解説)が収録されている。もちろん英語だが、対応した日本語字幕を表示できるので安心だ。
それ以外にもDisc1には、3Dアニメーションゲームなどを収録。特典ディスクのDisc2には、「ストーリーボードと完成品の比較」や、「アートデザイン」、「美術設定」、「映像のテスト」、「キャラクタの設定」、「取りやめになったコンセプト」、「未公開シーン」などなど、多数の貴重な資料が収められている。ディズニーが好きか嫌いかは別にして、資料として見てもこの内容で3,300円はかなり安い。
■ で、DVDプレーヤーの方は?
そして、苦労して入手したディズニーDVDプレーヤー。ソフトメーカーがハードウェアを発売するのは珍しいが、同社の日本代表 塚越隆行氏は、「DVDは普及しつつあるが、小さな子供がいる家庭ではまだ“難しくて高い”というイメージがある。DVDもVHSと同じようにファミリー層に向けてもっと広げたいと考えた」と、発売意図を説明している。
そのため、真っ赤な本体には小さな子供でも操作できるように基本操作ボタンしか搭載していない。また、リモコンも、基本操作しかできないミッキーをかたどったリモコンと、フル機能を操作できるリモコンの2種類が付属する。ミッキーをかたどったリモコンは本体上面に収納できるようになっている。
実際に、箱から取り出してみると、ミッキーリモコンが思ったより大きい。大人の手にあまるくらいなので、子供の手だと両手で握りこむような感じで使うのだろう。操作ボタンは、ミッキーマークの電源ボタンと、再生、停止、巻き戻し、早送りの計5個だけ。保護者にディスクを入れてもらって、子供は電源を入れて再生、見終わったら電源を切るという使い方だろうか。
大人用(?)のリモコンはフル機能を操作できて、色以外は普通の仕様。リモコンは2種類ついているのだけが、付属する電池は単3電池が2本。とりあえず、子供用か、大人用かどちらかにしか入れられない。
電源を入れて、トレーをオープン。どうも、一般的なDVDプレーヤーに比べて、トレーの動きが遅いような気がする。これは、子供が危なくないように配慮されているからなのだろうか? 出力端子はというと、コンポジット、アナログステレオ、同軸デジタルと、RCAコネクタが4個ならんでいるだけの非常にシンプルなもの。
デジタル出力が用意されているのに、映像出力がコンポジットのみなのは残念なところ。せめてS端子を搭載してほしかった。ゲーム機感覚で、必要なときだけプレーヤーを取り出して、テレビの前面端子にピンジャックを3本さすという、お手軽な使い方が想定されていうのだろう。ちなみに、ドルビーデジタルやDTSのストリーム出力は、出荷時にはオフになっていた。AVアンプなどを接続する際には気をつけたい。
DVDプレーヤーとしての機能は、2/8/32倍サーチ、1/16、1/8、1/2のスロー再生のほか、4倍ズーム機能や、A-Bリピートも可能となっている。そのほかにも、ダイナミックレンジ圧縮機能や、バーグラフによるビットレート表示もでき必要十分な機能を備える。当然、スクリーンセーバーは、ミッキーマークだ。
お子様向けに、ひらがなで書かれたクイック操作ガイドも付属する | 端子部。RCAピンジャックが4つと非常にシンプル。 |
□ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテインメント
http://www.disney.co.jp/videos/
□製品紹介
http://www.disney.co.jp/videos/snowwhite/index.html
□関連記事
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010806/buena1.htm
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010806/buena2.htm
(2001年10月19日)
[furukawa@impress.co.jp]
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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp