気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】


第37回:これはラジカセか、ヘッドフォンステレオか?
小型ラジカセ「アイワ CS-PJ1」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

息の長いテープメディアの新製品

 唐突ながら、テレコ欲しいんです、テレコ。テープレコーダってやつですな。録音機能付きポータブルMDも考えましたが、本体にマイクがない製品がほとんどだし、マイク付きのものがあっても価格も高く、電池持続時間も短め。おまけに、MDではキュー/レビューの操作がやりにくく、テレコとしては少々使い勝手がよろしくない。

 今まで使ってたテレコは、手動リバース、モノラルスピーカー/マイク付き、ラジオなし、という必要最小限の構成で、購入当時のお値段は確か3,000円程度。けれども、約3年ほど使っているうちに、どこかに旅立ってしまったのです。ありていに言えば、なくした。

 ……まぁ、安いものだし、それほど頻繁に使ってはいなかったので惜しくはないけれども、実は、自分の手持ち機材の中で、このテレコがオーディオテープが使える唯一の機器だったわけで。いや、正確には捨てるに捨てられないラジカセが1台ありますが、電源アダプタをなくして以来、単1型×6本の電池駆動オンリーなので、使う気は全くなし。

 で、テレコをなくして以来、特に不便を感じることもなかったのだけれども、ちょっと気になる新製品が現われたのです。それが、アイワの「CS-PJ1」であります。


ヘッドフォンステレオサイズの小型ラジカセ?

 この「CS-PJ1」、「ヘッドフォンステレオサイズの小型ラジカセ」と銘打たれた製品。一瞬「?」と疑問符が浮かぶけれども、幅14.5cmと、ヘッドフォンステレオ程度のボディに、AM/FMラジオとステレオスピーカー、そしてテープレコーダを内蔵した製品、ということ。

 「ラジオ/ステレオスピーカー付きヘッドフォンステレオ」としても良さそうなところだけれども、「ラジカセ」となる基準は、FMロッドアンテナを装備している点でしょう。もちろん、マイクも内蔵。ふむ、「ラジオ付きテレコ」ってのもいいねぇ。ステレオスピーカーも付いてるから、FM放送のエアチェックにも使えるし。まあ、普段はFM放送なんて聞かないけれども。

 で、重要なのが価格。標準価格で6,000円と、かなりお買い得。量販店で2割ほど引かれるとして、5,000円未満で買えそうなものではありませんか。これだけの機能を備えながら、この価格は魅力的ではありませんか。よし、テレコ2代目はコイツに決定!

 ちゅうことで、発売日の11月1日、量販店にレッツゴー。池袋の量販店を探してみたところ、お、ありましたぜ。ふむふむ、見た目は通常のヘッドフォンステレオよりも少々大きめ。なるほど、「スピーカー付きヘッドフォンステレオ」というよりは、「小型ラジカセ」というフレーズがしっくり来るサイズ。とはいえ、持ち運びに不便を感じるサイズでもなく、片手で持ちながら操作ボタンも押せるし、カバンのなかに入れても問題ナッシング。ふむ、これならいいでしょう。じゃ、これください。

 ……と、店員さんに声を掛けてから、約15分。なんか、やたらと待たされるんですけど……。で、ようやくやってくると、「在庫切れみたいですねぇ」とのお言葉。おいおい、コレ、発売日今日でしょ? いや、発売日前に入荷してることもありえるか。ってことは、人気で売り切れ? いや、まさか。そういや、前来た時からレイアウトが変わってる。おそらく在庫整理ができてないんだろうなぁ、などと思いながら、その場は去ることにいたしました。

 で、もうひとつの量販店に行ってみると、展示品すらなく、在庫を聞いても「ウチでは扱ってませんねぇ」とのお返事。む~、ま、こちらはテレコ関係の展示品も2点のみと、充実してないお店だから仕方ないか。

 その日は結局あきらめて、翌日新宿の量販店に出撃。店頭に見本はなかったけれども、カタログでブツを示すと「ありますよ、少々お待ちください」と、1分もせずに出してきてくれました。……昨日15分も待たされたのはなんだったんだ……。ともあれ、無事にゲットできました。お値段は想像どおり2割引きで、4,800円。


テレコとしてはどーよ?

 それでは、内容を改めるとしましょう。同梱物は、本体、ステレオイヤフォン、単3型マンガン電池×2本。以上。ぐは、すごく割り切った構成だ。本体にはACアダプタ用端子も装備しているが、ACアダプタそのものは別売。外箱もフックに掛けられるタイプで、店頭で直接手にして、そのままレジに直行できるようなコンパクトサイズ。ふむ、「お手軽にお買い求めできる製品」というコンセプトなのでしょう。実際、お買い求めはお手軽でした。なんつっても5,000円しないんだもの。

 で、なんでテレコが欲しかったかというと、「ツインピークス」のクーパー捜査官ごっこ……をするためではなくて、発表会などの内容を記録すること。自分、一応記者なので、発表会などに出席する機会もあり、その際にテレコがあると発言内容を確認できるのであります。が、発売日以降、あいにく発表会などはなく、まずはクーパー捜査官ばりにボイスメモを試してみました。

 テープはノーマルポジションのみに対応。イジェクト機構は特になく、直接フタを開くタイプ。価格を考えれば当然ですな。で、テープ走行は手動リバース。ふむ、これも価格を考えれば妥当。当然、無音部分のサーチ機能など、便利機能はまったくなし。その代わり、基本機能はしっかりしていて、録音は再生ボタンとの同時押しでなく、録音ボタンを押すことで、再生ボタンを連動で押し込まれるタイプ。ボタンは比較的軽く、押すだけで確実に動作してくれます。

 キュー/レビューも当然音声付。ううむ、MP3など圧縮フォーマットに慣れてしまった身としては、ボタンを押すだけで確実に動作して、キュー/レビューも音声付が当たり前、という感覚が逆に新鮮でありますよ。

 で、ボイスメモとして試してみたところ、使い勝手はなかなか上々。手動リバースだけに、テープ終端では自動的にボタンが元に戻ってテープの切り替えをお知らせしてくれます。再生してみると、自分の声を聞くときに感じる違和感はあるものの、回りの雑音などはなかなか忠実に再現しております。内蔵マイクは当然モノラル。放射雑音をかなり拾って少々気になるけれども、口に近づけた時の音はなかなかクリア。大体50cmほど話した程度で、大抵の話し声が聞き取れるレベルかと。再生時は、内蔵スピーカーでも話し声は聞き取れます。けど、ヘッドフォンで聞いたほうがクリアといえばクリア。放射雑音をどうしても拾ってしまうため、双方に大差はないけれど、内蔵スピーカーは確認用、といったところでしょうか。

 本体には「お稽古事の録音に便利!」というシールが貼ってあるけれども、なるほど、確かにお稽古事の録音に使えそう。そのほかにも、会議の録音や、電話の録音する際にも便利かと。もちろん、マイクで拡声されることの多い発表会の録音でも使えると思います。

同梱品一覧。なんともシンプル フックにも掛けられる外箱 本体のスピーカー面。「お稽古の録音に便利!」のコピーも

本体のテープ面。イジェクト機構はなく、直接フタを開く テープ走行機構のアップ。もちろん手動リバース 本体上部の操作部。わかりやすい日本語表記


ラジカセとしてはどーよ?

 さて、この「CS-PJ1」、ラジカセとしても機能いたします。言うまでもないことですが、ラジカセとはラジオとカセットを備えた製品のこと。ラジオ放送を録音したり、再生したりするわけですな。で、ラジカセとして見た場合、まず目を惹かれるのが本体サイズ。外形寸法145×46.7×91mm(幅×奥行き×高さ)、重量約295gと、ラジカセとしてはホントに小さい。1回り大きな印象はあるものの「ヘッドフォンステレオ並み」との言葉に偽りはございません。

 とはいえ、自分はラジオ放送を聞くことはほとんどなく、どちらかというと外部入力からの録音のほうが気にかかるデス。え~と、外部入力は……。ないみたいですね……。念のためマニュアルを確認してみると、やはり装備せず。ううむ、これはは盲点だった。けど、確認しなかったほうが悪いやね……。

 気を取り直して、とりあえずはFMラジオのリスニングをば。AM/FMラジオとテープの切り替えは、左側面のスライドスイッチで行ない、テープ時に電源が切れる仕様。

 FMの受信範囲は76~108MHz。チューニングは、本体左側面にある選局ダイヤルで行なう。当然、オートチューニングなどという便利機能はなし。受信感度は少々低めらしく、編集部のある市ヶ谷では、ロッドアンテナを立ててもかなりシビアなチューニングが要求されました。例えるなら、「指先の感覚ひとつで1/100ミリ単位を削る熟練の旋盤工の腕が要求される」といった所でしょうか。ダイヤルをやさしくやさしく回さないと雑音しか聞こえません。う~ん、アナログ。

 ちなみに、AMはもっとシビアで、もう全範囲で雑音だけ。本体には「OSC」というスイッチがあり、「AM放送でピーっという雑音が出たら雑音の小さくなるほうの位置にに合わせて下さい」という記述があるが、その前にマトモに聞き取れる局が1局しかありませんでした。

 しかし、豊島区にある我が家に持ち帰ると、受信感度は良好に。少なくとも東京の局でチューニングに苦労することはありません。う~ん、市ヶ谷の電波状況がよくなかったのね。それでも最良の状態でもハムノイズが乗っていて「最高」とは言いがたいものの、久々にラジオを聞きながらPCでの作業を体験してみました。

 ちなみに、AMラジオはAMステレオ放送には対応しておりませんでした。ま、これも価格を考えると当然かと。

 さて、注目のステレオスピーカーはFM放送でこそ力を発揮するもの。けれども、どうも音がモノラルチック。スピーカー間の位置が近いだけあってL/Rの分離感はほとんどなし。それでも、リスニングポイントの正面に持ってくると、多少ステレオ感を得られます。出力は400mW×2と、少々少なめだけれども、静かな室内のリスニングであれば問題なし。音質は……、う~ん、ハムノイズが気になって正当な評価は出来ないけれども、「音の確認用」といった所でしょうか。ヘッドフォンから漏れる音にそっくりです。

 けど、価格を考えればすべてを許せるかと。コンパクト性を考えると、「普段はテレコに使い、通勤の帰りに野球中継を聞く」というユースや「デスクでの作業の脇に置く」という使い方が出来ると思います。本体にはストラップを通す穴も開いており、ポータブルユースの際には便利そう。手持ちでなくても、カバンから引っ張り出したりするときとかに重宝しますからね、ストラップは。

本体左側面。AM/FM/テープ切り替えと、「OSC」、選曲ダイヤルを装備 本体右側面。ボリュームと、スピーカー/ヘッドフォン切り替え、AC用端子を装備 ストラップをつけた状態(別売)。持ち運びにも便利


機能は価格相応。テープ環境のバックアップに

 なんだかんだいいつつも、この価格でラジオ、ステレオスピーカーが付いているのは驚き。テープはノーマルのみ、手動リバース。ラジオの感度もそこそこ。「ラジカセとして必要最小限の機能を小型なボディに詰め込みました」、というコンセプトがはっきりと見て取れます。

 ヘッドフォンステレオよりはひと回り大き目のサイズではあるけれども、可搬性はバッチリ。片手での操作も問題なし。テレコとしても機能するし、ステレオスピーカーでFM放送もステレオ受信可能。ポータブルラジカセとしても機能するなかなかナイスな製品だと感じました。当然、価格に相応して、という意味で。

 ヘッドフォンステレオでも、ラジオとステレオスピーカーを内蔵する製品は何種類かあるけれども、マイクを本体に内蔵するのは少数派。その少数派の製品になると、価格も1万円近くなり、「今更テープメディアに1万出すのもなぁ」と気後れしていたのでありますが、「CS-PJ1」ならばその半額。この価格でこれだけの機能を得られる製品はこれまでなかったはず。うん、持ち運べて、テレコになって、その上ラジカセになってこの価格なら、多少の面倒は目をつぶりますよ。

 現在、自分のCDメディアバックアップ手段はオンザフライでCD-Rに焼くこと。CD-R1枚が100円程度で販売される現状で、テープメディアがメインストリームを占めることは有りえないと思うけれども、過去の資産があったりすると、壊れたり、なくしたりしたときの代用品が欲しいところ。

 オートリバース、無音部分サーチ機能などを備えた高機能型もいいけれども、「今更感」が漂うメディアだけに、「CS-PJ1」のような最小限の構成のラジカセというのは、「手軽な代用品」としてとても有効ではないかと考える次第であります。もちろん、当初の目的であったテレコとしての機能も大満足。ホント、いいとこつくよなぁ、アイワさんは。

□アイワのホームページ
http://www.aiwa.co.jp
□製品情報
http://aiwa.co.jp/products/portable/2001/radics/cs-pj1.html
□関連記事
【9月19日】アイワ、ヘッドフォンステレオサイズの小型ラジカセ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011019/aiwa.htm

(2001年11月6日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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