DVをリアルタイムでMPEG-1キャプチャするDV→USBケーブル |
PIXELA「PIX-DVMP/U1H」 |
発売時期/3月15日 価格/オープンプライス(実売価格1万円強) |
一見すると単なるケーブルだが、両端がIEEE 1394とUSBなのでちょっと不思議な感覚。ハードウェアMPEG-1エンコーダは中央のボックスに搭載されている。ケーブル長は約1.2mで、重量は約70g |
キャプチャ用のソフトというよりは、ImageMixerに集めた各種素材をMPEG-1と組み合わせて、「MPEG-1によるオリジナルムービーを作る」ことが目的のソフトという印象を受けた。作成したムービーをCD-R/RWに保存することを見越してか、オリジナルCDラベルを作るモードもあるが、CD-R/RWへのライティング機能は搭載していない。
動画 | 記録形式 | MPEG-1 |
解像度 | 320×240ドット | |
ビットレート | 2Mbps | |
音声形式 | MPEG Layer 2 | |
静止画 | 記録形式 | BMP、PICT |
解像度 | 720×480ドット |
ImageMixerからDVカメラのコントロールが可能なので、操作自体は一般的なDVキャプチャとほとんど同じ感覚で行なえる。ただし、バッチキャプチャには未対応。DVテープを回したまま、キャプチャを一時停止することは可能だ。
また、MPEG-1ストリーミングとして取り込まれるため、すぐにインターネットへ配信できるのも特徴のひとつ。DVカメラのアナログ外部入力からの取り込みにも対応するなど、思いのほか多機能だ。なお、ストリーミングは、NetMeetingには対応するものの、Windows Messengerはサポートしていない。
もちろん、取り込んだムービーを他の形式に変換して書き出すこともできる。出力ファイル形式は、MPEG-1のほかMPEG-4も選択でき、圧縮率をそれぞれ「低画質」、「標準」、「高画質」、「最高画質」の4種類で指定できる。
MPEG-4の拡張子は.asfで、解像度は「低画質」と「標準」が160×120ドット、「高画質」と「最高画質」が320×240ドットになる。フレームレートは「低画質」のみ約15fpsで、ほかはすべて30fpsとなる。
不思議なのはMPEG-1形式で書き出したときだ。たとえ「低画質」を選択したとしても、もとのキャプチャファイルより3~4%ほどファイルサイズが大きくなる。「最高画質」ともなると約60%もファイルサイズが増大した。もちろん、それでいて画質が良くなるわけでもない。また、DVカメラの動画の1フレームを静止画キャプチャする機能もある。ファイル形式はBMPまたはPICTで、ファイルサイズは720×480ドットとなっている。
ImageMixerは強制的に全画面表示になるソフトで、エントリーユーザーをターゲットに据えたと思われるインターフェイスを採用している。中央はDV→USBのキャプチャ操作を行なっている画面。右はメモリカード内の画像を表示したところ |
キャプチャしたMPEG-1を使ってムービーの編集が行なえる(中央)。トランジションを挿入できるなど、編集機能は結構本格的だ。CDラベルの作成ソフトも入っている(右) |
■ 使用感と画質
ImageMixerは、起動すると必ず全画面表示になるタイプ。ユーリードの「VideoStudio」などと同じタイプだ。操作モードは「キャプチャモード」、「管理モード」、「編集モード」、「はがきモード」の4つが用意される。キャプチャした素材は任意に作成できる「アルバム」で管理するのだが、アルバムは各モード間で共通利用できる。
全画面表示になるソフトに良くみられるのだが、このソフトも独自性の強いインターフェイスとなっている。そのため、慣れるまでに多少の時間がかかってしまった。ただし、ボタンの上をマウスでポイントするとステータスバーに機能説明がでるため、それほど習得が難しいというほどでもない。
今回はPentium III 700MHzのノートPCでキャプチャを行なったが、プレビューのタイムラグなくはほとんどなかった。DVコントロールの応答もほぼリアルタイム。キャプチャ画像のフレーム落ちもなく、画質も問題ないレベルだった。多少ジラつきが目立つものの、MPEG-1としては高い水準だろう。
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MPEG-1の再生環境はビデオカードや、ドライバ、OS、再生ソフトによって異なるため、掲載した画像の再生の保証はいたしかねます。また、編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。 |
■ 機動性を活かせば新しい使い道も
「DV映像をUSB端子から取り込む」という発想はユニークだが、評価が別れるのはおそらく、キャプチャしたファイルがMPEG-2ではなく、いまどきMPEG-1だというところだろう。また、日本のメーカー製PCのほとんどにIEEE 1394端子が実装されている今、USB経由で取り込める意義も薄く感じられる。ただし、出先からのストリーミング配信といった使い方ができるので、Webコンテンツの制作や配信に関わる人には面白い選択肢になるだろう。
個人的には、「撮影した自分の映像で遊ぶ」だけなら、「これで十分なのかもしれない」という感想を持った。実際、キャプチャをはじめとした様々な操作がMPEG-2とちがって高速なため、思わず時間を忘れて楽しんでしまった。ハードウェア部分に話題が集まるパッケージだが、映像作成の入門ツールとしてもユニークな位置付けにある製品だ。
□ピクセラのホームページ
http://www.pixela.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.pixela.co.jp/news/2002/0225.htm
□関連記事
【2月25日】ピクセラ、DVをMPEG-1取り込むUSBキャプチャケーブル
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020225/pixela.htm
(2002年4月28日)
[orimoto@impress.co.jp]
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