気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】

第66回:外出先でもPCテレビ録画をしたいなら
USB接続TVキャプチャ「アイ・オー GV-BCTV5/USB」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

屋外の「まったり」でも使えるデバイスは

 自分にとって「まったり」は重要なのであります。緑に囲まれた場所で、読書なぞをしながらゆったりとすごす時間。それが自分にとっての「まったり」。普段はあまり意識してないんですが、1ヶ月に1回程度は無性にそんな時間を過ごしたい気分になってしまいます。

 自転車で10分行けば山、という環境に実家があった自分にとって、現在住んでいる環境にはまったりできる場所が少なく、気軽にまったりできる場所といえば、明治神宮にある芝生の広場程度。たまにまったりが切れるとそこでまったりを補給するのが、自分にとってひそかな楽しみであります。

 しかし、「テレビなしでは生活できない」という現代文明に侵された自分にとって、最近はまったりを堪能していても、30分程度で手持ち無沙汰になることもしばしば。かといってその程度の時間で帰ってしまうと、結局まったりが補給しきれず「もっとまったりしとけばなー」と後悔することもあります。

 しかも、最近はPCでのテレビキャプチャ環境に慣れてしまっているため、ノートPCのモバイル環境でも録画できるデバイスなんぞがあったら最高。うーん、そんな願いをかなえてくれる素敵なブツはないものかなー、と思って探してみると、お、なかなかよさそうなものが発売されたじゃないですか。それがアイ・オーのUSB接続テレビキャプチャユニット「GV-BCTV5/USB」であります。


ビデオ編集ソフトまでセットしたパッケージ

 この「GV-BCTV5/USB」、ひとことであらわせばMPEG-1/2での録画に対応するUSB接続のテレビキャプチャユニット。対応OSはWindows 98 SE/Me/2000/XPで、USB接続のチューナボックスに、録画/視聴ソフトや、録画予約ソフト、映像編集ソフトなどを同梱したパッケージという製品です。駆動は当然バスパワー。しかもロッドアンテナが付属していて、モバイル環境でも使えるというではありませんか。

 実は似たようなモデルが発売されていたようですが、今回のモデルチェンジでは、録画/視聴ソフトが「mAgicTV」になっているのが大きな違い。デスクトップ環境では、番組情報サービス「ADAMS-EPG」をはじめとする「mAgicTV」の利便性を堪能してしまった現在では、このソフトをモバイル環境でも使えるというのは大きな魅力デス。

 さすがにUSB接続の製品だけに、解像度は320×240ドット固定、ビットレートは最大で2.5Mbpsという制限があるようですが、モバイルでも使えそうな製品で、これ以上に自分に合った製品は思いつきません。うむ、これは買うしかないでしょう。

 ということで、買って来ました。購入価格は17,999円。標準価格が19,800円だから、だいたい1割引きってところですか。

 同梱品は、チューナユニット本体のほかは、S/コンポジット変換コネクタ、ロッドアンテナ、添付ソフトを収録したCD-ROM×2枚という構成。キャプチャユニットとしては標準的ではないかと。

 チューナユニット本体はUSBケーブル直出しタイプ。ケーブル長は約1mで、モバイル環境用としては少々長すぎるきらいもありますが、チューナユニット本体に巻きつけることでなんとか処理が可能です。チューナユニットの外形寸法は66×139×29mm(幅×奥行き×高さ)。サイズ的にはノートPCのACアダプタ程度で、ノートPC用バッグのインナーケースに付いているポケットにも収納できます。モバイルデバイスとしても十分使えるサイズかと。で、ロッドアンテナは、なんと11段。すべて伸ばすと約1mにもなり、受信状態にも期待が持てます。うーん、楽しみ。

 同梱ソフトは、録画/視聴ソフト「mAgicTV」以外に、番組表を表示して、録画予約を行なう「mAgicガイド」、データ放送「ADAMS-P」、「Bitcast」の受信、ブラウズを行なう「ADAMSステーション」と「Bitcastブラウザ」、放送外出先から録画予約を行なえる「reserMail」を収録。なかなか豪華な内容ですが、モバイル環境での録画ができるのだから、「reserMail」はいらないかも、と思います。

 そしてビデオ編集ソフト「VideoStudio 6 SE」と静止画編集ソフト「PhotoImpact 7 SE」もバンドル。うん、この価格でオールインワンパッケージになっていて、なかなかよい構成だと思います。じゃ、とりあえず室内での受信状態を確認してみますかね。

同梱品一覧。シンプルですが、必要十分な構成 チューナユニット表面。LEDは「mAgicTV」起動時に点灯 チューナユニット側面。S映像入力とモノラルミニ音声入力を装備

チューナユニットとノートPC「PCG-SRX3」用ACアダプタとの比較。十分コンパクト アンテナ入力端子。付属のロッドアンテナ以外にも通常の75Ωのアンテナ端子を接続可 ロッドアンテナを装着して伸ばした状態。ロッドアンテナはかなり長い


ロッドアンテナの受信感度はどーよ?

 我がノートPCは、OSがWindows XP、Celeron 650MHz搭載、メモリ256MB増設済みのソニー「PCG-SRX3」。最低動作環境の「500MHz以上」は満たしてはいるものの、推奨動作環境の「Celeron 800MHz以上」には届いていないという微妙なモノ。まー、購入の理由は「スペックの割に安かった」というのが大部分を占めてますからねー。ともあれ、最低動作環境は満たしているので動作には問題ないでしょ。

 ということで、ロッドアンテナを接続して、「GC-BCTV5/USB」をノートPCのUSB端子に接続して、録画/視聴ソフト「mAgicTV」を起動。あ、チューナユニットは当然ホットプラグ対応ですから、OS起動後に挿しても普通に利用することができます。

 「mAgicTV」は、以前デスクトップ用で試したとおり、起動は30秒程度とかなり高速で、ストレスもほとんど無し。PCI接続環境との違いといえば、ビットレート/解像度の一部がオミットされている以外だと、「テレビ出力」オプションが選択できない程度ですかね。ホットプラグにも対応しているし、環境的にはデスクトップと同等と見てよろしいかと。

 さて、ロッドアンテナの受信感度はというと、うーん、色にじみ、ゴーストがバリバリですな。11段もの長さを誇るものの、やはりロッドアンテナでは無理がある模様。室内だとこんなもんかな~? 明治神宮みたいに開けた場所ならもっとイケルと期待してみましょう。とはいうものの、キー局の放送ならば、各局で時報の数字を確認できる程度には映ります。

 番組情報をテレビ放送と同時に放送する「ADAMS-EPS」や、データ放送の「ADAMS」の放送は、ロッドアンテナを使っての受信では、どの環境で試しても結局一回も成功しませんでした。

 データ放送ブラウザ「ADAMSステーション」を立ち上げて、データ放送の受信状態を確認したところ、一応ステータスでは「受信」を示しているものの、安定した状態ではなく、3分ほど後に「非受信」になったりで、データ放送の内容は確認できず。うーん、ま、今はインターネット上で番組情報をダウンロードできる「ADAMS-EPG+」のサービスが受けられるから、番組情報の参照は問題ないからいいか。

 「mAgicTV」をPCI接続環境とモバイル環境で比較してみると、受信状態と解像度、ビットレート以外の違いは特に感じられず、「ADAMS-EPG」の番組情報による番組検索や、番組予約が快適。視聴に際しても、現在放送中の番組情報が横に表示されるため、ザッピングもらくらく。うむ快適。

 画質はというと、やはり解像度320×240ドット固定、ビットレートは最大2.5Mbpsだけあって、ちょーっと満足とは言いがたいですね、さすがに。音声も224kbps固定のモノラルオンリー。クオリティを重視したい方には正直向きません。でも、転送速度に限界のあるUSB接続だからなー、これはあきらめるしかないか。

 屋内での視聴のネックとなる受信状態も、アンテナ線を接続すれば内蔵カードタイプのものと大差なく、特にチューナが弱い、ということもないようです。ふむ、このサイズでこれだけの性能があるのならば、屋内の使用でも省スペースのテレビキャプチャシステムとして使っていけそう。

【アンテナ接続時のキャプチャ映像】
カノープス株式会社の、プロ向け高画質動画素材集「CREATIVECAST Professional」を、DVデッキ 「ソニー WV-DR5」で再生し内蔵のRFコンバータで2chのTV信号として出力。編集部のCPU Celeron 800MHz/メモリ256MBのマシンでキャプチャした。

 なお、CREATIVECAST Professionalはサンプル版のため、画面右端にロゴが焼きこまれている。

 右の各サムネイルは、上の画像の赤枠内を拡大したもの。各モードの画像をクリックすると再生が始まる。
 なお、サムネイルは、「PowerDVD XP」で再生し静止画キャプチャを行ない作成した。

(c)CREATIVECAST Professional

【MPEG-2形式】
高画質(2.5Mbps)
CBR 320×240ドット

gv.mpg(3.12MB)

MPEG-2の再生環境はビデオカードや、ドライバ、OS、再生ソフトによって異なるため、掲載したMPEG-2画像の再生の保証はいたしかねます。また、編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。

 しかし、屋内で5番組ほど録画したとき、HDDの空き容量を確認して愕然。まー、なんと容量を食うことか、映像ファイルは。「PCG-SRX3」に搭載のHDDは容量20GB。これまでは特に容量に不満を感じることはありませんでしたが、さすがに映像ファイルを扱うとなるとこの容量では心もとないですな。1時間程度の番組を5番組録画した段階で、空き容量はあと1GB程度。うーん、これはかなり厳しい……。

 じゃあ、明日は明治神宮に行って屋外環境を試そうかな、チューナユニットを外したとき、ふと今夜の番組が気になって、番組録画予約ソフト「mAgicマネージャー」を立ち上げてみると、なんと。起動しませんでした……。

 もちろん、セットアップは無事に終了しているし、接続時にはきちんと使えていたのですが、どうもソフトがチューナユニットのデバイスを要求している模様。当然、「mAgicTV」もチューナユニットを接続しないと起動できず、録画した番組を視聴する際もチューナユニットの接続が必須となります。

 うーん、デスクトップ環境でチューナユニットを外すことはほとんど無いから、「mAgicTV」のこの仕様も納得できるんだけどさ、ノートPCでは事情が違うわけで。「mAgicTV」の使い勝手がピカイチなだけに、この仕様はかなり残念でした……。

録画視聴ソフト「mAgicTV」画面。起動はチューナユニットとの接続が必須 チューナユニット非接続で起動したさいのエラーメッセージ。うーん……。


屋外環境で実験。さて、その実用度は?

 では、明治神宮でまったりがてらテレビ視聴してみますかね。ということで、やってきました原宿駅。駅周辺の個性的な集団なんぞを眺めなつつ、参道をじゃりじゃりと歩いて(一応、拝殿の方で参拝してから)芝生の広場に到着。

 「やっぱ緑が多いとまったりするのー」と、しばしまったりを堪能してからセットアップ開始。インナーケースを取り出して、ポケットから本体を取り出し、ロッドアンテナをくるくると取り付けて、アンテナ伸ばして、USBを挿して、っと。で、電源ON。所要時間は約1分。うーん、ノートPC単体の起動に比べれば多少手間はかかりますが、モバイルには問題ない程度の手間と言っていいでしょう。

 んじゃー、「mAgicTV」起動~っと。……えーと、受信状態はというと、編集部や自宅で試したときよりもひどいかも。近所にある放送局ということで、NHKに選局しても色にじみ、砂ノイズがバリバリ。アンテナの角度をこまめに調節しないと、画面も止まってしまいます。まともな視聴ができる状況ではありません。

 まー、電波発信源は東京タワーですからなー。東京タワーの方角には、おそらく渋谷の繁華街や、品川の駅周辺で建設ラッシュとなっている高層ビルなどの電波障害物がはだかっている模様。単に開けた場所、というだけでは良好な受信状態は望めないことが判明しました。ま、当然といえば当然ですが。

 仕方ないので、あらかじめ録画した番組などを見つつ、いつもどおりにノートPCの電源が切れるまでまったりしてました。ま、「芝生でテレビ番組を見る」という目的は達成されたかな。「mAgicTV」の「MPEG出力」を使って番組をMPEG化しておけば、ノートPC単体でも録画した番組を楽しめる、という事実にはこの際目をつぶることにしましょう。MPEG出力も時間がかかってめんどくさいから……。

ノートPC用インナーケースのポケットに収納した状態。サイズ的には頑張ってると思います。 視聴場所はこの程度開いた環境。まったりするにはいいところなんですがねー。 とりあえず、芝生の上でテレビ視聴などを堪能してみました。


アンテナ線必須! 省スペーステレビキャプチャに

 画質的には、転送速度に制限があるUSB接続だけに、やはり320×240ドット固定の解像度と、最大2.5Mbpsというビットレートがネックとなってます。しかし、10.4インチというサブノートPCの小さな液晶で見る分にはさほど問題はないかと。マシンパワーが推奨環境に達していないからか、左右スクロール時やパンアップ/パンダウン時に多少がくがく感がありますけど、そんな演出を多用する番組は少なく、ほとんど気にはなりません。うん、「ノートPCでテレビ録画」という目的は達成されたかと。

 で、もうひとつの「モバイル」はというと、チューナユニットは小型でバッグインナーケースのポケットにも入り、持ち運びも容易だけれども、どうしても「気軽に」とは言い切れないのが本音。ロッドアンテナの取り付けも簡単だし、ハーフハイトやLow-Plofileのテレビチューナ搭載キャプチャカードの選択肢が少ないPCIカード製品の現状を考えると、かなーり頑張ってるとは思います。が、持ち運ぶにはどうしても「気合」が必要。

 それに、搭載HDDの容量のきびしいノートPCでの使用となるともう大変。当初は「えー? こんなに低いの?」と思っていたビットレートも、ノートPCのHDDに5番組も録画するとすでに一杯。ま、ビットレートが低いので、1番組の容量も比較的少なく、大抵の番組は650MB以内に収まるため、「mAgicTV」の「CD-R書き込み機能」を使ったバックアップが比較的ラク、という利点もありますが、せっかく録った番組をすぐ見れないってのもねー。うーん、2.5インチ/9.5mm厚で40GBのノートPC用HDDも2万円程度と安くなってきたし、換装しようかな? それでも厳しいといえば厳しいし……。

 そして、最大の盲点だったのが、チューナユニット非接続時はなにもできないこと。サブノートPCってのはフットワークが軽いことが利点。そこに「GV-BCTV5/USB」を追加しても、(一応)インナーケースに入れてノートPCと一緒に持ち運べるし、接続はホットプラグに完全対応なので手間はわずかですが、番組情報を参照したり、録画した番組を視聴したいときにさえ接続しないとダメ。

 うーん、フットワーク大幅ダウンですよ。ロッドアンテナの受信感度も「確認用」程度なことも勘案すると、満足できる使用状況はデスクトップと同じような「据え置き時」になってしまうと思います。

 とはいえ、日本には多いと言われる「ノートPCをメインマシンにしてスペースを確保している」という方にはかなり使いでがあるかと。アンテナケーブルさえ引き回せれば、省スペースで「テレビパソコン」が実現可能。「mAgicTV」の操作感は自分の触ったソフトの中では最高だから、現時点では最もお薦めできる製品だと思います。

 最近ではノートPC用の大容量HDDも安くなってきたし、USB 2.0も普及し始めていたので、プラットフォームとなるノートPCの性能もデスクトップと同等程度にはなってきそうな予感。今後はUSB 2.0対応で、高解像度/高ビットレート録画が可能な製品が出てくるんじゃないでしょうか。

 で、そこにデバイスを参照しない録画/視聴ソフトがあれば完璧。せめて番組情報の参照と、録画した番組の視聴くらいはデバイス接続なしでお願いします……。

□アイ・オーのホームページ
http://www.iodata.co.jp/
□製品情報
http://www.iodata.co.jp/products/video/2002/gvbctv5usb.htm
□関連記事
【5月27日】アイ・オー、ロッドアンテナ付属のUSBテレビチューナ
―ADAMS-EPG+、iEPGに対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020527/iodata1.htm

(2002年6月11日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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