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VariOS(バリオス) | VariOSの背面 | PCでサンプルを波形表示できる |
転送されたウェーブファイルは、PC側の画面で波形表示が可能。この際、ピッチなどにより、MIDIデータのように分解されるのだが、これを自由にエディットできるので、サンプリングした曲とはまったく違うメロディーラインに仕立て直したり、ボーカルの声の雰囲気を変えてしまったりすることが自由にできる。
ACIDやReCycle!といったソフトでも、これに近いことができるが、VariOSは外部のハードウェアを用いるだけに、処理速度が速いだけでなく、自由度も高く、これまでソフトウェアだけでは無理だったことが可能となっている。
□製品情報(VariOS)
http://www.roland.co.jp/products/mi/VariOS.html
■ 多彩なサンプリング機能を搭載したシンセサイザー・キーボード 「Fantom-S」および「Fantom-S88」は、64MB(16bitリニア換算時)のウェーブROMを搭載し、最大同時発音数64、16パートというスペックのシンセサイザー・キーボード。Fantom-Sが61鍵盤で、Fantom-S88がプログレッシブ・ハンマー・アクション鍵盤を使った88鍵盤。2月~3月に発売予定で、店頭予想価格はFantom-Sが25万円前後、Fantom-S88が32万円前後と見られる。
Fantom-S | サンプラーとしても使用可能 |
どちらも単なるウェーブテーブルシンセサイザというわけではなく、強力なサンプラー機能も装備する。32MBのメモリを内蔵するとともに、拡張DIMMを使うことで最大288MBまで増設が可能。また大型のLCDを使うことで、波形編集などもできてしまう。
ユニークなのが「スキップ・バック・サンプリング」という機能。これは、「たった今、鍵盤やパッドで演奏したサウンド」や、「鳴り終わった外部入力のサウンド」を遡ってサンプリングするという機能。今流れていたラジオを、遡って録音できるというオーディオ機器は以前からあるが、それとよく似た考え方の機能だ。適当に弾いていて、「よかった」と思ったフレーズをとっておけるというのは、ちょっと嬉しい。なお、Fantom-S/S88もUSB端子を搭載しており、PCとの接続が可能となっている。
□製品情報(Fantom-S/S88)
http://www.roland.co.jp/products/mi/Fantom-S.html
■ Rolandの技術を結集させた新コンセプト・シンセサイザー
V-Synth |
「V-Synth」は、アナログシンセの音をシミュレートする「アナログ・モデリング・オシレーター」、VariOSでも紹介したVariPhrase機能を搭載する「PCMオシレーター」、「外部入力」のそれぞれを自由に組み合わせることができるという、Rolandのすべての技術を結集させたキーボード・タイプのシンセサイザーだ。発売は1月下旬、店頭予想価格は28万円前後の見込み。
V-Synthの音源セクションはOSC(オシレーター)、MOD(モジュレーター)、COSM(コズム)、TVAの各セクションから構成されている。これらのセクションの設定はストラクチャーとして設定できるのだが、パッ見た印象で、昔のDX-7などFM音源のアルゴリズムを思い出してしまう。この組み合わせによって、さまざまな音源に仕立て上げることが可能となっているのだ。
V-Synthの音源パラメータ |
キーボードの左側にあるレーダーチャートのようなものが気になることだろう。これは「タイム・トリップ・パッド」というコントローラで、時計回りに指でこすると、その速度に合わせて再生したり、逆周りにするとリバースになる。また、音色変化などでも利用できる。
やはり、このV-SynthにもUSB端子が付いており、オーディオファイルを転送に用いたり、MIDIインターフェイスとして利用することもできる。
□製品情報(V-Synth)
http://www.roland.co.jp/products/mi/V-Synth.html
■ 24bit/96kHz、24トラック構成でCD-R/RWドライブを搭載したDAW
VS-2400CD |
マスターフェーダーを入れて計13本あるフェーダーはすべてムービングフェーダーとなっており、入力はファンタム電源供給可能なXLRコネクタを8本が装備され、それぞれ標準フォンジャックとの切り替えも可能。
またオプティカル/コアキシャルのS/PDIF入出力も装備するとともに、Roland独自の8IN/8OUTのデジタルインターフェイスR-BUSも1系統装備しているので、計20チャンネルの入力があり、そのうち16チャンネルまで同時レコーディングが可能となっている。また40GBのHDDを標準で搭載しているので、96kHz/24bitでもかなり長時間のレコーディングが可能だ。
なお、これと非常に近いスペックのマシンとして「VS-2480CD」というモデルがあったが、これと比較すると、R-BUSが2系統に対して1系統、SCSI端子がなかったり、ワードクロック端子がないなど、一部機能が削減されているだけで、基本的なスペックはほぼ同等。普段あまり利用しない機能を省いたことで、価格がかなり下がっている。
□製品情報(VS-2400CD)
http://www.roland.co.jp/products/mi/VS-2400CD.html
■ 2ウェイ・バスレフ方式のニアフィールド・モニター
MA-20D |
MA-10Dと同様、2系統の入力を装備し、アナログ・デジタルの双方に対応しているが、入力端子はMA-10Dとは若干異なっている。MA-20Dはアナログでは標準フォンとRCAピンの2つを装備し、デジタルはS/PDIFのオプティカル・コアキシャルの双方を装備している。
MA-10Dとの主な違いは、ヘッドフォン端子がステレオミニから標準フォンに変わっていることと、フロントパネルのオプティカル入力がなくなったこと。
□製品情報(MA-20D)
http://www.roland.co.jp/products/dtm/MA-20D.html
■ 10チャンネル・アナログミキサー+エフェクト
M-100FX10 |
このように入力面では完全にアナログだが、出力にS/PDIFのコアキシャルを装備しているほか、USB端子も装備しており、USBを用いることで、録音および再生も可能となっている(ただし、サンプリングレートは44.1kHz固定で、16bit/24bitが扱える)。
さらに、M-100FXではミキサー機能のほかにエフェクトも内蔵。リバーブ、ディレイのほか1/2チャンネルにのみかけられるボイス用のマルチエフェクト、ナレーション・エンハンサー、ラジオノイズ、ロボットノイズ、男声、女声といったものが用意されている。
□製品情報(M-100FX)
http://www.roland.co.jp/products/dtm/M-100FX.html
■ USB端子搭載のギター・MIDIコンバータ
GI-20 |
ただし、GI-20もGI-10と同様、普通のギターにそのまま接続できるというわけではない。GK-2A(ギター用)、GK-2B(ベース用)といったRolandのビップアップを取り付けて、その出力をGI-20へ繋ぐ必要がある。といってもこれらのピックアップはたいていのギターやベースに付けることが可能なので、手持ちの慣れたギターをMIDI入力機器として利用することが可能になる。
このGI-20では単にMIDIに変換するだけでなく、各弦ごとに+2オクターブ~-3オクターブにトランスポーズする設定ができるため、ギターをベースのように演奏させたりすることも可能。
さらに、GI-20にはUSB端子も搭載されており、これを通じてPCとUSBを繋ぐだけでMIDIの入出力が可能になる。
□製品情報(GI-20)
http://www.roland.co.jp/products/mi/GI-20.html
■ リズム+ベースパートが作成できるリズムマシン
DR-3 |
また、TRS(Total Sound Control)という機能も装備している。これは音圧、低音、リバーブなどを調整できる機能で、DR-3単体で曲を作るときに威力を発揮するという。
□製品情報(DR-3)
http://www.roland.co.jp/products/boss/DR-3.html
■ そのほか このほかにもBOSSのエフェクト「ME-50」やデジタルディレイ「DD-20」、6パッド+3エッジ・トリガのパーカッション・パッド、小型のステレオモニターアンプ「AC-60」、オルガンの音源「VK-8M」と2段キーボード付きの「VK-88」、電子ピアノ「KR-17M」、「KR-15」なども発表。また、12月に発売を開始している「SONAR Perfect Solutions」なども初披露された。
BOSS ME-50 | BOSS DD-20 |
今回、RolandoがNAMM 2003を受けた発表会を国内で行なったが、他社の発表スケジュールも気になるところだ。新しい情報が入ったり、製品を借りることができたら、レビューなども予定している。
(2003年1月27日)
= 藤本健 = | ライター兼エディター。某大手出版社に勤務しつつ、MIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。最近の著書に「ザ・ベスト・リファレンスブック Cubase VST for Windows」、「サウンドブラスターLive!音楽的活用マニュアル」(いずれもリットーミュージック)などがある。また、All About JapanのDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも勤めている。 |
[Text by 藤本健]
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