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セルブリン&サン日本上陸。フランコ・セルブリンの甥が立ち上げ。アンプ「Frankie」シリーズ
2026年10月6日 16:00
アーク・ジョイアは、イタリアのオーディオブランド・Serblin & Son(セルブリン&サン)の国内輸入販売業務を開始した。価格はプリアンプ「Frankie hybrid preamplifier」が1,100,000円(1台)、モノラルパワーアンプ「Frankie monoblock power」が1,320,000円(ペア)、ステレオパワーアンプ「Frankie stereo power」が1台660,000円(1台)。
Serblin & Sonとは
Serblin & Sonは、イタリア・ヴィチェンツァを拠点に、伝説的なスピーカー設計者フランコ・セルブリン氏の甥にあたるファビオ・セルブリン氏によって設立されたブランド。回路設計から制御ソフトウェアの開発、製作に至るほぼすべての工程を、設計者であるファビオ氏自身が担当。少量生産ならではの丁寧なものづくりを通じて、音楽を表現する作品を生み出しているという。
発売された製品は、同社のデビュー作となる「Frankie」シリーズより、真空管を搭載したハイブリッド構成のプリアンプ「Frankie hybrid preamplifier」、モノラル構成のパワーアンプ「Frankie monoblock power」、ステレオ構成により扱いやすい「Frankie stereo power」。「いずれの作品も音楽の表情を自然に引き出すアンプ設計、クラシカルな佇まいと現代的な造形美を魅せるデザインを持ち、コンパクトな筐体の中にはSerblin & Sonならではの思想と感性が内包されている」という。
なお、Serblin&SonとSTUDIO FRANCO SERBLINはそれぞれ独立したブランドおよび事業体として運営されており、両事業上の関係はない。
ファビオ氏は、フランコ・セルブリン氏の影響を強く受けて育ったほか、ファビオ氏の父は土木技師でありながら電子工学にも深い関心を持ち、自宅で真空管ラジオを製作していた。そうした環境の中で育ったファビオ氏は、12歳にして真空管式短波ラジオを自作。若い頃から音楽の演奏や録音にも深く関わり、TASCAMテープレコーダーやSoundcraftのミキサーなどを備えた小さなレコーディングスタジオを所有するなど、音楽と電子工学の双方に親しみながら、その感性と技術を培ってきた。
フランコ氏が「音楽と楽器への情熱を具現化するスピーカーを作りたい」と考えた際、その実現を技術面からファビオ氏が支えた。こうして誕生した初期作品の1つが「Snail」だったという。
そして、1983年にソナス・ファベールが創業。フランコ氏による数々の名作が生み出されていく中、ファビオ氏は電子工学の知識と技術を生かして製品開発に携わり、スピーカーの能力を最大限に引き出すためのアンプ開発にも着手。プリメインアンプ「Quid」、セパレートアンプ「Amator Driver + Amator Power」、サブウーファー「Gravis」の開発・製造を手掛けた(いずれも日本未導入)。
1991年、ファビオ氏はソナス・ファベールを離れ、自身の会社でありブランドでもあるFase Evoluzione Audioを設立。プリメインアンプやセパレートアンプをはじめとするオーディオ機器の開発・製造を開始。全てのモデルをハンドメイドし、高い評価を得た。
2002年、ファビオ氏は自身を取り巻く環境の大きな変化を受け、製品の製造停止を決断。オーディオ機器の販売・流通ビジネスへと活動の軸足を移した。そして、この時期に得た新たな視点も活用しながら、新たなブランドとして立ち上げたのがSerblin & Sonとなる。
Serblin & Sonの製品は全てが北イタリア/ヴィチェンツァの社屋にて、ファビオ・セルブリン自身の手によって生み出されている。外部サプライヤーから供給される部品などを除き、製品の構想から開発、製造に至るまで、ほぼ全てをファビオ氏本人が担っている。
Frankie hybrid preamplifier
ラインアンプ部には、4本のE88CC(6DJ8)双三極管を搭載し、バランスSRPP回路によるハイブリッド構成を採用。SRPP(Shunt Regulated Push-Pull)回路は、2つの三極管を上下に配置し、上側の球が下側の球の能動負荷として動作させる回路方式。シンプルな構成でありながら低い出力インピーダンスを得やすい特長を持ち、真空管回路ならではの質感を保ちながら、パワーアンプを安定して駆動できるという。
このSRPP回路をバランス構成とすることで、真空管の持つ伸びやかで自然な音色を活かしつつ、プリアンプに求められる、情報量に優れた安定した信号伝送も実現。さらに、アクティブ・カスコード方式のMOSFET定電流源と組み合わせることで、各増幅段に安定した動作環境を与えている。
なお、ラインアンプ部にオーバーオール・フィードバック(全体帰還)を一切かけない設計を採用。回路構成を可能な限りシンプルに保つことで、音楽信号の鮮度や自然な表現を重視し、音楽本来の質感や余韻をありのままに伝えるという。
電源部には、Serblin & Sonのために専用設計された60VAのトロイダルトランスを採用。メイントランスには3系統の独立した二次巻線を設け、ディスクリート構成による安定化回路と組み合わせることで、真空管によるラインアンプ部や微小信号を扱うフォノ回路など、各回路の役割に応じた安定した電源環境を構築。
真空管のフィラメント用とMCU(マイクロコントローラー)/リレーなどの制御回路用に、それぞれ独立した小型AC/DCコンバーターを搭載。音声信号を扱う回路と、ヒーターやデジタル制御系の電源を分離することで、微小な音楽信号を扱うプリアンプとして高い静粛性と安定した動作を実現させた。
自社開発のGolden Stairwayアッテネーターも搭載。一般的なアナログ・ポテンショメーターやデジタル・ボリュームとは異なり、高精度な固定抵抗をリレーによって切り替えるステップ式アッテネーターを採用。信号レベルの調整を固定抵抗とリレーによって行なうことで、優れた精度と信号品質を追求した。
MM/MC対応フォノ入力も装備。フォノ回路はソリッドステート構成とし、入力段には超低ノイズのディスクリートFETを採用。RIAAイコライザーには、増幅回路のフィードバック・ループ内で補正を行なう方式ではなく、独立した完全パッシブ方式のRIAAネットワークを採用している。
天面と底面には、ブラッシュド加工を施したアルミニウム製シャーシを採用。フロントおよびサイドパネルには、美しい木目と温かな質感を持つウォルナット無垢材を組み合わせている。
入力はXLR×2、RCA×1、Phono MM/MC(RCA)×1。出力はXLR×1、RCA×1。外形寸法は430×300×100mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は7kg。
Frankie monoblock power/stereo power
Frankie monoblock power/stereo powerのどちらも、AB方式を採用し、音楽の自然な躍動感とスピーカーを安定して駆動する能力の両立を目指して設計された。
電圧増幅段には、NPNトランジスターを採用したVBEマルチプライヤによる定電流回路を採用。Serblin & Son独自のローカルフィードバックを備えたアクティブ・シャント回路により、電圧増幅段に流れる電流を動的に線形化し、終段のバイアス電流を極めて安定させている。
電源部には、2機種それぞれの回路構成に合わせて専用設計された250VAのトロイダルトランスを採用。Frankie stereo powerでは、微小信号を扱う入力段および電圧増幅段と、スピーカーへ大電流を供給する出力段の電源を分離。独立した二次巻線とディスクリート構成の安定化電源を組み合わせることで、出力段に生じる大きな電流変動が繊細な前段回路へ及ぼす影響を抑え、各増幅段へ安定した電源を供給。
Frankie monoblock powerにも同じ250VAのトロイダルトランスを採用しているが、フルバランス・モノラル構成に合わせ、二次側の出力電圧および電流仕様を専用に設計。内部の2つのアンプ回路を、それぞれバランス信号の正相側と逆相側の増幅に独立して使用する回路構成に合わせ、電源部から最適化を図っている。
Frankie stereo powerは、左右2チャンネルのパワーアンプ回路を1筐体に収めたステレオ・パワーアンプ。クラスAB方式の基本回路トポロジーを採用し、出力段にはコンプリメンタリー・エミッターフォロワーによるSEPP構成を採用。定格出力は110W/4Ωを実現。
入力はバランス(XLR)×1、RCA(XLR)×1。スピーカー出力はバナナプラグ専用×1。
Frankie monoblock powerは、1台で1chを受け持つモノラル・パワーアンプ。クラスAB方式の基本回路トポロジーを基礎としながら、内部に備える2つのアンプ回路を、バランス信号の正相側と逆相側にそれぞれ独立して割り当てるフルバランス・モノラル構成を採用。定格出力は250W/4Ωを実現している。
入力はバランス(XLR)×1、RCA(XLR)×1。スピーカー出力はバナナプラグ専用×1。2モデルでサイズと重量は共通。外形寸法は430×300×100mm(幅×奥行き×高さ)、重量10kg。





