ある日を境に、音楽科から離れた坂井和奏(さかいわかな)。歌うことを諦めきれない、宮本来夏(みやもとこなつ)。親友のために力を貸す、沖田紗羽(おきたさわ)。笑ったり喧嘩したり悩んだり恋をしたり……。ありふれた日常を送りつつ、少しずつ少しずつ前に進む少女達。時には回り道をしながら、ひとりでは無理かもしれないけれど親友がいればいつかきっと。
　和奏、来夏、紗羽、そして彼女達の奏でるアンサンブルが、音楽の力が、小さくも煌びやかな物語を紡ぎだす。高校生活最後の夏。それは夢を諦めるにはまだ少し早い季節。江の島に響く歌声が今日も僕らを勇気づける。
 

　 「true tears」や「花咲くいろは」などを手がけてきた、P.A.WORKSの最新作。オリジナル作品で、全13話構成。 登場キャラクター達によるドラマを、心理面も含めて丁寧に描くのが得意なP.A.WORKSだけあり、少女達がそれぞれの夢に向かって進む姿が 情感豊かに描かれる作品になりそう。背景描写のクオリティも高いようで、夏の江ノ島に聖地巡礼したくなる１本になりそうだ。声の出演は高垣彩陽さん、瀬戸麻沙美さん、早見沙織さん、島﨑信長さん、花江夏樹さんほか。

　地中海に浮かぶ孤島・レガーロ島。交易で栄えるこの島を守るため、自警組織「アルカナ・ファミリア」が立ち上がった。構成員は「タロッコ」と契約を交わし、「アルカナ能力」と呼ばれる不思議な力を各自が有している。そのファミリーのトップであるモンドの一人娘フェリチータは、母親似の美貌に、卓越したナイフ捌きなど武芸の才能も兼ね備えた少女。島の奥で隠されるように育った彼女だったが、16歳になり、ファミリーの一員として表舞台で新たな一歩を踏み出そうとしていた。
　そんな矢先、父モンドの誕生パーティーで彼は突然、引退を発表。そして後継者を選ぶため能力者同士の戦い「アルカナ・デュエロ」の開催を宣言する。そしてフェリチータはその勝者と結婚しなければならない、と……。自らの道を切り開くため、フェリチータもその戦いに臨み、勝利することを決意する。「アルカナ・デュエロ」まで2カ月、運命を決める戦いが、いま幕を開ける。 
 

　 プレイステーション・ポータブル用の乙女ゲーム「アルカナ・ファミリア」がアニメ化。全12話構成。いわゆる逆ハーレムもので、能登麻美子さん演じるフェリチータと、彼女を取り巻く個性的な男性キャラクターが多数登場。演じる声優陣も、福山潤さん、代永翼さん、吉野裕行さん、杉田智和 さん、中村悠一さんなど非常に豪華なのが特徴です。

　人類が緩やかな衰退を迎えて数世紀。地球は既に新人類の妖精さんによって支配され、現在の人類は、旧人類と呼ばれていた。妖精さんは平均身長10cm程。見た目は愛らしく、高度な知能を持ち、大勢で集まると驚異的な技術を発揮。“面白い事”を始めるが、すぐに飽きてしまうという不思議な存在。そんな妖精さんと旧人類を仲介する国際公務員の調停官として、故郷のクスノキの里に戻った主人公の少女“わたし”。妖精さんに振り回されてばかりの彼女と、その上司でもある祖父、祖父に引き取られた少年・助手さんが織り成す物語。
　

　 人類が衰退した未来が舞台ですが、新人類の妖精さんと地球の支配を巡ってバトルしたり、過酷なサバイバル生活をするわけではなく、どこかのんびり、のほほんと衰退している雰囲気が特徴。OVA化もされた「ヨコハマ買い出し紀行」を連想させる“ゆるさ”が魅力の1つ。
　もう1つの魅力は“妖精さん”。気まぐれで、丸まったり集まったり、予想の斜め上を行くような凄い文明を生み出すが、でもあっという間に飽きてしまうなど、不思議で可愛く、少し毒もあるキャラクターに注目。彼らに振り回される主人公の物語であり、独特の世界観の表現を楽しみたい作品。 

：テレビ東京/MBS/テレビ愛知

　異常に幸福な星の下に生まれ、美しい顔と素晴らしいスタイルを持ち、男子生徒から羨望の眼差しを向けられる少女・桜市子。性格も良く……はなく、羨望の眼差しに自尊心を満たし、女子からの嫉妬や妬みすら快感に感じるタカビーな本心の持ち主。それゆえ友達は少なく、心を許しているのは執事の諏訪野くらい。
　そんなラッキーガールの市子を、普通の人間にするために、貧乏神界から送られた貧乏神・紅葉。マイナス思考だが、実は好戦的でキレるとハイテンション。市子から幸福エナジーを奪おうと奮闘するが、基本スペックが高く、腹黒さもある市子相手になかなか上手くいかない。同級生の石蕗や、番長のような出で立ちの熱血空手少女・蘭丸なども巻き込み、貧乏神 VS 超幸運美少女のバトルが幕を開けた!!
　

　 超絶ラッキーガールの市子と、挨拶がわりに首を吊る貧乳貧乏神・紅葉という、対照的な2キャラクターを中心に繰り広げられるドタバタコメディ。ハイスピードかつ過激なギャグが持ち味ですが、美貌と性格から友達ができない実は寂しい少女である市子が、紅葉の登場により変化していく、ストーリーラインも貫かれています(原作では)。
　アニメ化を担当するのは藤田陽一監督×サンライズという「銀魂」コンビで、ギャグの暴走は放送前から確定的!? 要注目作。

　目つきは悪いが純情一途な花屋のバイト青年・葉月（はづき）亮介。彼がひそかに想いをよせるのは、店長の島尾六花（ろっか）。一目惚れした六花の花屋に通い詰め、バイト募集を機にそこで働くことに。念願叶ったものの、8つ年上の彼女は恋愛を諦めている様子。目の前にいるのに何もできない自分に歯がゆさが募るばかり。
　ある日、とある用事で花屋の2階の彼女の自宅に呼ばれて行くと、そこにはなんと上半身裸の男。予期せぬ事態に半ば憤り、半ば呆れる葉月だったが、意外な事実が明らかに。その男は六花の同棲相手ではなく、すでに亡くなった彼女の旦那の幽霊（島尾篤）だという。六花には見えないらしい島尾（幽霊）は何かと葉月の恋路の邪魔をし、葉月もそれに屈せず押しの一点張りで頑張るがなかなか埒が明かない。そんな中、島尾（幽霊）が切り出した予想外の提案とは……
　

　花屋の未亡人店長(さっぱり系)と、彼女に一目惚れしたバイト青年(低温一途)、店長の亡き夫の幽霊(草食系執着霊)という3者(?)が繰り広げる、ちょっと不思議な恋愛物語。どちらかというと大人の女性向けの作品と言えそう。
　アニメ版の特徴は、「RED GARDEN」や「紅」など、プレスコを得意とする松尾衡さんが監督をしている事。絵に合わせて声を入れる通常のアニメとは逆に、声優に演技をしてもらい、それに合わせるように絵が作られる 手法で、アニメだが、本物の人間のような生々しい感情表現で“魅せる”作品が多く、この作品でもそれが期待できそうです。

　全校生徒6,000人を誇る高藤学園には、自治生徒会の手による管理体制のもと、多種多様なクラブが活動している。主人公・大島裕樹が所属する食品研究部（通称ショッケン）もその中の一つで、裕樹は気の合う仲間たちと楽しい時間を過ごしていた。
　ところが、自治生徒会次期会長最有力候補の東雲皐月が活動実績のないクラブを廃部にすると表明し、立候補したため、ショッケンは存続のピンチに立たされる。裕樹は、自分たちのかけがえのない居場所を守るため、会長立候補を決意。ショッケン部員たちは一丸となって選挙戦に挑む!!
 

　パステル調で清涼感のあるイラストが特徴の美少女ゲームが原作。ゲーム版はプレイステーション・ポータブルへの移植も予定されている。登場する女性キャラは、ショッケン部長のワガママ少女・千里、ネコを彷彿とさせる不思議系の未散、年上の美冬、クールで理論派な時期生徒会長有力候補の皐月など。
　部を存続させるために立候補する裕樹を取り巻く恋模様を描きつつ、それだけではなく、タイトルにもある“選挙”を主題としているのが特徴。マニフェスト、後援会、選挙資金の調達など、普通のアニメではあまり登場しない要素が楽しめそう。彼が選挙でいかに勝ち抜いていくか? 政治的な駆け引きにも注目したい作品。

　世界的なグループ企業『帝野グループ』の代表だった父の葬儀の場で、息子の将悟に遺された父の遺言が明かされる。それは、しかるべき訓練を受けた後、在学中に伴侶となる女性を見つけること……。
　父の遺志を継ぐべく、訓練を受けた将悟は、深流院学園へと編入する。そこで彼女を作らねばならない。ところが、将悟には彼の知らない生き別れの妹がいる事が判明。しかも彼女は深流院学園に通い、将悟との結婚を夢見ているというのだが……。 
 

　深流院学園には政財界のお嬢様が沢山。主人公を取り巻くのはクラスで右隣になるシュークリーム好きの少女、左隣のツンケン少女、脳天気な生徒会長、規律正しい副会長、コスプレ妹喫茶を経営している先輩など、様々なタイプのヒロイン。しかし、1人だけ自分の正体を隠し、兄との結婚を夢見る妹が混ざっている……という凄い設定。
　各ヒロインの間で揺れながら、「実は彼女が妹なのでは!?」と、“妹探し”もしなければならない、ミステリー風(?)要素も加味されている。

　このアニメは女の子のかわいさをお愉しみいただくため、邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお愉しみいただく番組です。
 

　「かってに改蔵」や「さよなら絶望先生」などでお馴染み、久米田康治さんが原作担当のコミックがアニメ化。5人の女子落語家が修行して一人前に……という内容ではなく、主に落語が終わり、高座から楽屋に戻ってきて、わりとどうでもいいテーマに沿って、5人がトークを広げていくというスタイル。一見落語と関係無い内容に思えますが、トークのネタが古典落語に由来しているなど、落語の要素も取り入れられています。原作の、ゆるいトーンで脱線・暴走していく会話劇が、どのようにアニメ化されるのか注目。監修は林家しん平さん。「落語アニメ」って珍しいですが、むかし「落語天女おゆい」ってアニメありましたね。

　小さな国エルアの姫ミコトは、幼い頃に町を訪れたある人をきっかけに、ドリランドのあちこちにネルム宝を探すハンターになる事を決意した。ある時、ミコトは世話係のウォーレンスと小さな探検に出かけるが、道中で英雄になることを夢見る狩人ポロンと、放浪の騎士パーンと出会い、一緒に旅を続けることに。色々なハンターたちと出会いや別れを繰り返し、成長していくミコトたち。
　しかし、旅を続けるうちに、ミコトたちはドリランドにとてつもない危機が迫っている事を知る。それを裏付けるかのように、ドリランド中に出現する謎の巨大な怪物。迫りくる危機に立ち向かうミコトたち。果たして、彼らの運命は……。
 

　CMでもお馴染み、モバイル機器向けソーシャルゲーム「探検ドリランド」をベースとしたアニメ。デフォルメ化されたキャラクターが活躍する作品のようで、ストーリー的には王道のファンタジーアニメになりそう(ゲーム版はプレイしたことがありません)。可愛いキャラクター達の冒険劇という事で、子供向け作品のようにも思えますが、放送時間は土曜日の23時30分と深夜帯。どのような作品になるか未知数ですが、逆にそこが気になるポイント。

　2022年。人類はついに完全なる仮想空間を実現した。VRMMORPG(仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム)「ソードアート・オンライン」（SAO)だ。そのプレーヤーの1人であるキリト。SAOの世界を満喫していた彼は、ログインした他の1万人のプレーヤーと共に、ゲームマスターから恐るべき託宣を聞かされる。
　それは、ゲームをクリアすることだけが、この世界から脱出する唯一の方法である事、そして、このゲーム内でのゲームオーバーは、現実世界での“死”を意味すること。それが、このゲームの恐るべき全貌であった。キリトはいち早くこのMMOの“真実”を受け入れ、パーティーを組まないソロプレーヤーとして、終わりの見えない死闘に身を投じていく……。
 

　ネットゲームに熱中するあまり、「 このゲームは遊びじゃない」と言い出す人がいますが、SAOはそれが怖い方向に暴走したような、『ゲームオーバー=現実の死』という恐ろしい仕様のRPG。挑むのは、天才的なゲームの腕を持つ 主人公キリト。……設定的に、前期の『アクセル・ワールド』と似た匂いを感じた人はビンゴ。原作者は同じ川原礫さん。
　大規模MMOをプレイしているのは近未来ですが、そのゲーム世界からログアウトできないので、基本的にはファンタジーアニメ。MMORPGをあまりプレイした事がない人でも楽しめそう。ヒロインのアスナをはじめ、魅力的な女性キャラクターも登場。「クリアしたら、操作していたのが男でした」というのは怖いのでやめてください。

　文研部に所属する五人、八重樫太一、永瀬伊織、稲葉姫子、桐山唯、青木義文は奇妙な現象に直面していた。前触れなく起こった青木と唯の“人格入れ替わり”。それは次々と部員全員に襲いかかり、彼らを異常な日常に放り込む。戸惑いつつもどこかその状況を楽しむ太一たちだったが、心の連鎖は彼らの秘めた心の傷をも浮かび上がらせ…。平穏が崩れたその時、五人の関係は形を変える!!
 

　 「けいおん!」ではありません。京都アニメーションではなく、製作はSILVER LINK。人格交換の愛と青春の五角形コメディ 。"人格交換”ネタは、アニメのドラマCDなどでよくあるネタですが、今作の特徴は5人の男女の人格が入れ替わってしまうこと。その事で、互いの悩みなどが表面化し、それを乗り越えていく物語。
　このような設定であるため、登場キャラクターの性格や名前、誰が誰と入れ替わっているのか? をしっかり把握した上で鑑賞するのが重要そう。
　なお、「けいおん!」のキャラクターに雰囲気が似ているのは、原作ライトノベルの挿絵を担当している白身魚さんが、「けいおん!」のアニメ版キャラクターデザインや作画監督などを担当している、京都アニメーションの堀口悠紀子さんであるため。ややこやしい。

　平凡な男子高校生、相良良晴が突然400年前の日本にタイムスリップ! そこは血を血で洗う戦国時代だった……が、ちょっと雰囲気が違う??
　乱世で良晴が出会った一人の美少女、その子の名は「織田信奈」。日本史上最も有名な戦国大名、“尾張の風雲児”こと織田信長でではなく、織田信奈!?
　明智光秀や徳川家康、誰もが知っている戦国武将たちが美少女として登場するこの世界。信奈の家臣となった良晴は、“天下統一”という織田信奈の野望を実現すべく、天下一の美少女達と共に戦国乱世を駆け巡る!
 

　 同名のライトノベルが原作。戦国武将や三国志の美少女化作品は、最近では珍しくない1つのジャンルとして定着した印象がありますが、この作品の特徴は、単に武将が美少女化して、歴史をなぞらえるのではなく、主人公のタイムスリップ要素を含んでいる事。大筋では史実と同じですが、戦国物ゲームが得意な主人公・良晴が介入する事で、どのように歴史が変化していくか? 日本史好きな人にも楽しめそう。もちろん、ヒロインの織田信奈をはじめとする、美少女武将との恋愛にも注目です。