気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】


第41回:リモコンも3次元Y/C分離もついてパワーアップ!!
TVキャプチャカード「NEC SmartVision Pro 3」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

「SmartVision」の新製品

 TVキャプチャカードを2枚ほど入手しましたが、自分としては「WinDVR PCI」よりも、「SmartVision Pro 2 EX」のほうが使いやすいです。時刻の自動調節もしてくれるし、なんといっても「ADAMS-EPG」の一覧表示による予約設定が便利。

 けれども、不満点も多いです。まず、専用ソフトの動作が重い。録画ファイルもコマ落ちしてるしなぁ。ま、ソフトエンコードなのでCPUパワーが要求されるのは納得できますが、それでもやはり気になります。

 ついでにS端子もついてない。外部からの入力はコンポジットオンリー。むう、S-VHSなどのS出力を持つ機器も揃っているのに、PCに取り込もうとした段階で色がにじんでしまうのはちょっと……。

 さらに言えば、リモコンが手に入らないのであります。「SmartVision Pro 2 EX」を7月に購入した後、店頭で探しましたが、結局在庫があるところを見たことがございません。まあ、NECの直販サイト「121ware.com」では売ってますけどね。自分、通販ってあまり使いたくない人間なのですわ。

 しかし、でました「SmartVision」の新製品。今度は「Pro 3」でありますよ。バージョンが上がっているのでありますよ。気になるのは「3次元Y/C分離回路」を搭載し、ついにS入力端子を装備したこと。そして、リモコンも同梱されて、お値段据え置き(標準価格はオープンプライスですが、店頭価格はほぼ同じ)。

 うむ、「ADAMS-EPG」の環境が快適に使えるようになっているならば買わねばなるまいて。ソフトの動作が快適になっているかはかなり望み薄ではあるものの、それでも「3次元Y/C分離回路」で色にじみのないファイルが残せるならば良しとしようではないか。リモコンもついてくるしね。


多彩なものの代わり映えのしない同梱ソフト群

 ちゅうことで、買ってしまいました。お値段は16,200円。けれども、平均価格は17,000~18,000円ってところみたい。パッケージの違いは、ベースカラーがイエローからレッドになったことくらい。一番大きな違いといえばワイヤレスリモコンが描かれている点でしょう。あ~、ようやくリモコンが使えるよ。

 同梱品は、カード本体のほかには、ワイヤレスリモコンとUSB接続の受光部、ステレオミニケーブル、アプリケーションを収録したCD-ROMと、「Pro 2 EX」と似たようなもの。カード上にS入力が付く程度で、特に変わった様子はなし。あとはカードの長さがハーフサイズに短縮されていることくらい。チューナもアルプス電気製です。

 ビデオチップはコネキサント製からフィリップス製に変更された模様。よく見るとチップ数も増えていて、「3次元Y/C分離」という高画質化のために設計が見直されているように感じました。カードの見た目で一番の改善点といえば、やはりS端子が追加されたこと。ふう、ようやく一般的なキャプチャカードとしての体裁が整った、というところでしょうか。

 さ~、インストールするぞ~。まずはカードを空きスロットに挿し、電源を投入。マニュアルの指示どおりに導入して、アプリケーションもインストール、っと。2~3回の再起動後、ドライバとTV視聴/録画ソフト「SmartVison/TV」の導入が完了しました。

 その他の収録ソフトは、ADAMS-EPGを使った予約ソフト「SmartVision/EPG」、地上波データ放送受信ソフト「bitcast browser」、「ADAMSナビ」、文字放送受信ソフト「モジモジ」と、マルチフォーマットブラウザ「Smart Gallery 3.0」、NECの運営するプロパイダ「BIGLOBE」経由で外部から録画予約を行なうユーティリティ「SmartVision TV録画予約サービスクライアント」。そしてユーリードの編集ソフト「Ulead VideoStudio 5 SE Basic(MPEG-2プラグイン付き)」と、盛りだくさんの内容。でも、同梱ソフトに変わりはなし。

 家でのインストールは、チャンネルを合わせるオートチューニング作業にあまりに時間がかかったため、手動チューニングに切り替えた程度のトラブルしかなく、概ね順調でした。

同梱品一覧。アクセサリは音声ケーブルのみ。同梱ソフトは多彩 左が「Pro 2 EX」、右が「Pro 3」ハーフサイズに短縮されている

ビデオチップはフィリップス製に変更 ブラケット部。ようやくS入力端子がつきました


で、結局なにが変わったのよ?

 が、同梱ソフトの使い勝手は相変わらず。大きな変更点といえば「SmartVison/TV」に「シーンエクスポート」機能が付いた程度。こちらは「シーンインデックス」機能でインデックスを付けたシーンを、任意の範囲で切り出せる機能。「VideoStudio」で編集する手間を(ある程度)省いてくれます。が、調節可能時間が1秒からだし、CMだけカットする機能もないので、それほど手間を省いてくれるわけではありませんでした……。CMカットは相変わらず「VideoStudio」使うしかないみたい。

 そのほかで変わったところといえば、設定項目が増加していること。プレビュー中の画面でコーミング発生を抑制することも可能。このチェックを入れると確かにコーミングがなくなりました。そして、ついにビットレートの変更ができるようになったのです。「SmartVision/TV」上ではなく、別ユーティリティ「画質調節ユーティリティ」で、「高画質」のビットレート、「標準画質」の解像度とビットレートが変更可能。ビットレートは4~8Mbpsで設定可能になりました。よきかなよきかな。

 しかし、致命的に、ソフトの動作が重い。起動に30秒近く取られるのは変わりなく、おそらくタイムシフトのためなのですが、視聴中でも録画中でもHDDにキャッシュしまくりであります。オマケに予約モードや録画済みファイル参照モードに移行するのにも10秒以上の時間を取られるのであります!

 重すぎてCeleron 800MHzのマイ自作マッシーンでは所々でコマ落ちしちゃうし。ううむ、CPUパワーが足りないのか、HDDのスピードが足りないのか……。まあ、これは「Pro 2 EX」でも同じ症状なんですがね。ガマンできない範囲ではないのでガマンします。

 今回のバージョンアップで目玉の新機能として注目されている「3次元Y/C分離」でありますが、うむ? 確かに色にじみはあまり感じませんね。けれども劇的に高画質になったという印象はちょっと薄いかも……。とはいえ、色にじみが低減したことで、輪郭がシャープになっているのはメリットが大きいです。特に効果が大きいと感じたのはアニメソース。ただ、試した録画ソースが「サザエさん」なのであまりつっこんだ検証はできてません……。

 もうひとつの新機能「スマートレンダー」は、「VideoStudio」用MPEG-2プラグインに追加された機能。トランジションなどの編集が加えられた部分のみレンダリングし、それ以外の部分は再圧縮しないで結合することで、トータルの時間を短縮するというもの。ううむ、新機能の効果は確かにあるものの、改善された実感は薄いかな? とはいえ、インターフェイスは慣れている故か、結構使いやすいです。画質設定もデフォルトでは解像度640×480ドットのMPEG-2「高画質」(ビットレート7Mbps)と、320×480ドットのMPEG-2「標準画質」(同6Mbps)のみ。解像度で悩む必要もなく、タイムシフト再生も録画もワンタッチ。特に便利なのは、やはり録画予約機能でありましょう。

TV視聴/録画ソフト「SmartVision/TV」 録画時のビットレート設定が可能に 「3次元Y/C分離」のON/OFFも設定可能

カノープス株式会社の、プロ向け高画質動画素材集「CREATIVECAST Professional」を、DVデッキ 「ソニー WV-DR5」で再生し内蔵のRFコンバータで2chのTV信号として出力。編集部のCPU Celeron 800MHz/メモリ256MBのマシンでキャプチャした。

 なお、CREATIVECAST Professionalはサンプル版のため、画面右端にロゴが焼きこまれている。

 右の各サムネイルは、上の画像の赤枠内を拡大したもの。各モードの画像をクリックすると再生が始まる。
 なお、サムネイルは、「PowerDVD XP」で再生し静止画キャプチャを行ない作成した。

(c)CREATIVECAST Professional

Pro 3Pro 2 EX
【MPEG-2形式】
Pro 3 高画質(7Mbps)
3次元Y/C分離ON
640×480ドット

pro 3_hi.mpg(9.41MB)
【MPEG-2形式】
Pro 2 EX(7Mbps)
640×480ドット

pro2_hi.mpg(8.63MB)
【MPEG-2形式】
Pro 3 標準画質(6Mbps)
3次元Y/C分離ON
320×480ドット

pro3_low.mpg(7.44MB)
【MPEG-2形式】
Pro 2 EX(6Mbps)
320×480ドット

pro3_hi.mpg(8.43MB)

MPEG-2の再生環境はビデオカードや、ドライバ、OS、再生ソフトによって異なるため、掲載したMPEG-2画像の再生の保証はいたしかねます。また、編集部では再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますのでご了承下さい。


ADAMS-EPGはやはり便利。早期にプラスへの対応を望む

録画予約ソフト「SmartVision/EPG」

 録画予約機能は「Pro 2 EX」と同様、テレビ朝日系列で放送されている番組情報サービス「ADAMS-EPG」に対応。iEPGには対応しておりません。念のため。

 「Pro 2 EX」購入時の7月に受信できなかった「ADAMS-EPG」放送ですが、最近我が家のテレビ朝日(10ch)の電波状況が改善されまして、受信できるようになっております。ううむ、スポラティックE層で電波混信が起こっていたのか?(あれが影響するのは1~3chですが) しかし、テレビ朝日の受信状態が改善された代わりにNHK教育(3ch)がえらいことになってます。「おじゃる丸」が見られませんぜ……。

 それはそれとして。EPG情報取得ソフト「SmartVision/EPG」は、見たところ特にアップデートされた様子はナシ。とはいえ「ADAMS-EPG」の番組情報は新聞のテレビ欄程度に情報量があり、しかも1週間程度一括して参照できるのです。放送局/放送時間ごとにページをブラウジングしていく必要があり、1ページ移動するごとに最低3秒程度の時間がかかるiEPGより利便性は高いです。「ADAMS-EPG」に対応しているカードは少ないので、「SmartVision」は導入に際しての有力な候補かと。

 番組情報の取得は、受信する時間を指定するだけ。すると指定された時刻に起動して番組情報を受信する。放送は毎日2時間おきに行なわれており、1回の放送は大体10分程度。しかし、1回の放送ですべての情報を取得できないようです。ま、2時間おきに放送しているのであまり問題はないでしょう。

 しかし、しかしですね。インターネットから「ADAMS-EPG」と同じ番組情報をダウンロードできるサービス「ADAMS-EPG+」には現時点で非対応。むむ、「Pro 2」シリーズ用の「SmartVision EPGローダ」は公開されているのに。

 マニュアルによると、今後公開予定なんだとか。おそらく今回初対応となったWindows XP環境での検証に手間取っておられるのでしょうが、あの便利さを知ってしまった身としては早く対応して欲しいところであります。放送で情報取得もさほど手間はかからないけれども、いつもPCの電源入れているわけじゃないからねぇ。「ADAMS-EPG+」には「いつでも取得できる」という安心感があるのですよ。ともあれ、早く対応して欲しいところです。


リモコンの使い勝手はめちゃくちゃイイ!

 さてさて、買い替えのきっかけのひとつとなったリモコンでありますが、これがなんと使いやすいこと!

 リモコンには、カーソル移動用のスティック、テンキー、電源ボタンや、再生/停止、早送り/巻き戻しなどの基本操作ボタンのほかに、「ギャラリー」などの独自のボタンも装備しております。

 まず使いやすいのが、基本操作ボタン。使い勝手は画面を見ながらマウスで探っていくのと、リモコンで直接ボタンを押すのとでは大違い。ボタンを押してからのタイムラグがあったりするのは家電のリモコンを使い慣れている身としては違和感があったけれども、PCの動作と見れば別段おかしくはないです。2~3回の操作で違和感もなくなりました。

 再生/停止、早送り/巻き戻しなどはテンキーの下に隠されておりますが、フリップタイプの携帯電話と似たような機構となっているので開閉操作は非常にラク。ひと手間余計にかかるものの、さほどの手間には感じません。さすがNEC、ダテにケータイ作ってませんぜ。

 特に便利なのが、カーソルキー。いわゆるジョイスティックタイプになっていて、側面にあるスイッチを切り替えるだけで、ポインティングデバイスとしても使用できるんですわ。いやいや、このリモコンの使い勝手だけでも「SmartVision」を導入する価値はあるってもんです。

 そのほかにもBSデジタルチューナ用リモコンと同じように、青、赤、緑、黄色のカラーボタンなどもついてますが、「SmartVision」では使えません。ふむ、いろいろな機器に対応するユニバーサル仕様になってるわけですな。重要なのは普通のTVのリモコンにもなること。12社のプリセットのみで学習機能は備えてませんが、日本メーカーはほとんど対応。PC周辺に常備しているリモコンがなかっただけに、とても便利です。PCで録画しながら裏番組をTVで見る、というのもなかなかいいものですよ。

同梱のリモコン。「SmartVision」シリーズ用の「リモコンキット」と同じ 側面にある切り替えスイッチ。TV/カーソル/マウスモードを装備 フリップを開けた状態


完成度を高める努力が見られる製品?

 え~、ぶっちゃけますと「あまり進化が感じられない」というのが偽らざる思いであります。が、しかし。前回の「Pro 2 EX」の時点で「初心者向けのTV録画システム」としてある意味完成されており、そこに改良点を加えた、という製品なのかと。

 フォーマットはMPEG-2を元にした独自仕様。他の編集ソフトで何かの拍子にファイルを上書きしてしまう事故も防げますし、必要があればMPEGへの出力も可能とフレキシブル。だだし、「MPEG-2ファイルを使いまくりたい」というニーズだと、ひと手間増えてめんどくさいですが。

 今回の売りになっている「3次元Y/C分離回路」による高画質化は、効果はありますが、もちろん「Pro 2 EX」の画質から「いきなりハイビジョン画質に!」というほど劇的には向上してません。相変わらず録画解像度は640×480ドットまでしか対応してないし。けれども、視聴/録画に際しての画質はかなり優秀(たまにコーミングが出ますが)。チューナの感度も満足です。

 視聴/録画ソフトの動作は重いけれども、初心者を気遣ったインターフェイスとシステムは、それなりにわかりやすいし、慣れれば操作も快適。しかもリモコンまで同梱。おまけに「スマートレンダー」を追加したことで、編集作業も楽になってます。

 「1システムだけでTVパソコンのすべてを利用したい」というニーズには最適かと。これからTVキャプチャカードの導入を考えてらっしゃる方は有力な候補の1つだと思います。ニーズさえ間違えなければ、実際安くて結構いい製品ッスよ。

 でも、「Pro 2 EX」を使っていた自分としては「買い換えるまではなかったかな?」というのが正直な感想です。「Pro 2 EX」のユーザーさんがこれ以上の利便性を求めるならば、「SmartVisionリモコンキット」の導入で十分かと。ついでに既存ユーザー向けに「スマートレンダー」などの追加機能を無償、もしくは低価格で提供してくれれば言うことなしなんですが。

□NEC(121ware)のホームページ
http://121ware.com/
□製品情報
http://121ware.com/smartvision/vision3/index.html
□関連記事
【魁】第23回:「テレビパソコン」を自作する!!
TVキャプチャカード「NEC SmartVision Pro 2 EX」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010724/saki23.htm
【10月22日】NEC、3次元Y/C分離回路を搭載した「SmartVision Pro 3」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011022/nec3.htm

(2001年12月4日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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