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「次世代Editionシリーズ」に注目のULTRASONE。66万円の「Jubilee 25」も披露
2016年10月22日 16:20
タイムロードのブースでは、独ULTRASONEが「次世代Editionシリーズのスタンダードモデルと」位置付ける、密閉型ポータブルヘッドフォンのフラッグシップモデル「Edition 8 EX」が展示されている。11月中旬発売で、実売は26万円前後。
2013年に世界で555台限定販売された「Edition 5」(49万3,500円)で採用された「S-Logic EX」を、レギュラーモデルにも投入したのが特徴。頭内定位を解消する特許技術「S-Logic」を進化させたもので、バッファボードの形状を工夫し、ユニットを耳に対してオフセット配置するなどして、空間再現性や臨場感を高めている。
低域電磁波低減技術のULEも採用。ドライバは40mm径で、チタンプレイテッド・マイラーを振動板に採用。再生周波数帯域は5Hz~46kHz。出力音圧レベルは96dB。インピーダンスは38Ω。
また、創立25周年記念モデルとして、「Edition 5」をベースにしながら、ハウジングに「縞黒檀(しまこくたん)」を使った「Jubilee 25 Edition」も12月下旬に発売予定。実売は66万円前後。世界250台の限定生産となる。
こちらの形状は「Edition 5」とほぼ同じだが、ハウジングに高硬度で高密度の「マカッサル・エボニー」を採用しているのが特徴。インドネシア原産のエボニーウッドの品種で、縞黒檀とも呼ばれる。縞杢(しまもく)と呼ばれる特徴的な縞模様の木目があり、楽器などにも使われる高級素材。
ドライバは40mm径で、チタンプレイテッド・マイラーを振動板に採用。再生周波数帯域は5Hz~46kHz。出力音圧レベルは96dB。インピーダンスは32Ω。
Edition 8 EXを聴いてみる
AK380とアンバランス接続し、Edition 8 EXを短時間ではあるが試聴した。
Edition 8 EXの特徴は、ポータブルヘッドフォンとは思えない音場の広さにある。音の余韻が広がる範囲が非常に広く、開放型かと錯覚するほど。音が近い印象の、従来のEdition 8とは大きく方向性が異なるが、このサウンドであれば長時間でも気持ちよく聴き続けられるだろう。「S-Logic EX」の効果によるものだ。
密閉型らしく、低域もズシンと深く、中低域の音圧も豊か。クラシックのオーケストラでは、ホール全体に中低域が満ちるようなパワー感もある。室内用の大型ヘッドフォンで感じる、低域の安定感、余裕のようなものをポータブルヘッドフォンでも感じる事ができる。ポータブルヘッドフォンとしてはハウジングはちょっと大きめだが……。
高域は非常にシャープで、切り込むような鋭さがある。このソリッドな感じは、まさしくULTRASONEだ。同時に、女性ヴォーカルでは艶やかさ、響きのしなやかさも感じさせ、Editionシリーズらしい艶っぽい描写も顔をのぞかせる。これまで培ってきたサウンドを踏襲しつつ、S-Logic EXを活用した新たなサウンドにも踏み出した、“次世代モデル”という位置付けにふさわしいサウンドだ。