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アイ・オー、曲面27型ゲーミング液晶を今春発売へ。Raspberry Pi販売も

 アイ・オー・データ機器は1日、ゲーム向け機能を強化した液晶ディスプレイ「GigaCrysta」シリーズの新製品として、同社初の曲面パネルを採用した27型「LCD-GC271XCVB」を開発中と発表した。2017年春頃の発売を目指しており、価格は未定。

アイ・オー初の曲面液晶ディスプレイを3つ並べて展示

 シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」の製造を行なう中国・Embestと契約し、日本国内における販売代理店業務を開始することも発表。サポートの充実や周辺機器との組み合わせなどを特徴とし、第1弾としてRaspberry Pi本体やセンサーなど拡張モジュールを含む計6製品を、2月中旬より順次発売する。価格はすべてオープンプライスで、「Raspberry Pi 3 Model B」(UD-RP3)の想定売価は5,200円前後。直販サイト「ioPLAZA」で予約受付を開始した。

Raspberry Pi3(UD-RP3)

アイ・オー初の曲面液晶ディスプレイ「LCD-GC271XCVB」

 フルHD/1,920×1,080ドットの曲面パネルを採用し、ゲーム時の映像への没入感を高めた27型液晶ディスプレイ。2017年春頃の発売を予定している。

 ゲーミングモデルとして144Hzリフレッシュレート入力に対応。「FreeSync機能」も搭載し、AMD製GPUと組み合わせることでティアリングを低減する。映像の暗部の視認性を向上させ、暗闇に隠れた敵キャラクターなどを見えやすくする「Night Clear Vision」モードや、超解像技術も備える。

上部から見たところ。フルHDの曲面パネルを採用

 入力はHDMI×2とDisplayPort×1を備え、アナログ音声出力とヘッドフォン端子を搭載。スタンドは高さの他、スイーベル・チルト調整も可能。

 このほか、49型の4K液晶ディスプレイ「LCD-M4K491XDB」を2月中旬より99,800円前後で発売する。詳細は別記事で紹介している。

同日発表の49型4K液晶ディスプレイ「LCD-M4K491XDB」

 アイ・オー・データ機器 事業戦略本部 企画開発部 企画3課の澤野貴史チーフリーダーは、同社ディスプレイ事業の今後の取り組みについて、「ディスプレイ単体だけでなく、(自社の)周辺製品と組み合わせて『ユーザーがやりたいことができる』提案を、ソリューションメーカーとして行なっていきたい」と話し、一例として、法人向けに大型液晶ディスプレイとスティックPC、専用スタンドなどを組み合わせ、屋内サイネージディスプレイとして利用することを提案している。

アイ・オー・データ機器の澤野貴史氏
「ソリューションメーカー」としてディスプレイ製品の活用方法などを提案

Raspberry Piの国内販売代理業務を開始。1年間保証付き

 中国・Embest製のRaspberry Pi関連製品については、2月中旬より順次発売する。ディスプレイやカメラモジュール、センサーも用意。第1弾製品のラインナップと発売時期、想定売価は下記の通り。

Raspberry Pi3(UD-RP3)

    アイ・オー取り扱いのRaspberry Pi関連製品
  • Raspberry Pi 3 Model B(UD-RP3) 2月中旬 5,200円前後
  • RPI Display(UD-RPDISPLAY) 2月中旬 9,720円前後
  • Camera V2(UD-RPCAMERA) 2月中旬 3,780円前後
  • Sense HAT(UD-RPSENSE) 2月中旬 9,720円前後
  • Raspberry Pi 2 Model B v1.2(UD-RP2) 受注生産 5,200円前後
  • NoIR Camera V2(UD-RPNOIRCAMERA) 受注生産 3,780円前後
Raspberry Pi3など、アイ・オーが取り扱うRaspberry Pi関連製品
Raspberry Piを使った工作の一例も展示

 独自のサービスとして、Raspberry Pi関連製品の1年間保証と、保証期間中の無償修理交換サービスを提供。法人ユーザーのカスタム要求などにも対応。教育市場への展開も検討している。

 アイ・オーでは、ネットワークチューナ「REC ON」やNAS製品、IPカメラ、ルータなど、ネットワークやクラウドサービスに繋がる製品を多数展開しており、それらの経験やノウハウを活かしてIoT事業への取り組みを加速。沖縄・宮古島において行政・自治体と複数企業が実施している、IoT技術を用いたスマートコミュニティ実証事業に参加中。'17年には、ネットワークカメラや各種センサーからワイヤレスで情報集約し、さまざまなクラウドサービスと連携する「IoTゲートウェイボックス」の市場投入を目指す。

 Raspberry Piの販売代理業務は、こうしたIoTビジネスの一環として取り組むもので、今後はIoTゲートウェイボックスなどと組み合わせた「スターターキット」の販売も予定している。

アイ・オーのIoTビジネスの展開
IoT技術を用いた、宮古島スマートコミュニティ実証事業の紹介

 アイ・オー・データ機器の細野昭雄 代表取締役社長は、創立40周年を迎えた同社の今後の取り組みとして、「液晶ディスプレイや外付けHDDなど製品単体だけでなく、最終ユーザーのための“組み合わせの提案”を行なっていきたい。『CDレコ』ではクラウド活用として、歌詞データや音楽出版社と協力したコンテンツ情報をユーザーに提供。液晶ディスプレイについては大型化とともに、スティックPCと組み合わせた屋内サイネージ向けの展開を行なっていく」とコメント。

 Raspberry Piを含むIoT事業については、「既に国内販売代理を行なっているRSコンポーネンツが大先輩だが、(アイ・オーでは)Raspberry PiだけでなくLinux系の組み込み系の周辺機器も取り扱っていきたい。日々のビジネスの延長だけでなく、新たなチャレンジに取り組んでいく」と述べた。

アイ・オー・データ機器の細野昭雄社長