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ソニー、映像製作クリエイターとの共創拠点「DMPC Japan」開設
2026年2月13日 15:03
ソニーは、クリエイターと映像制作を共創する拠点「Digital Media Production Center Japan(DMPC Japan)」を、ソニーグループ本社内に開設した。
DMPCは、米国・英国にも展開している拠点で、今回のDMPC Japanは世界3カ所目。最新の撮影機材の試用や、バーチャルプロダクションによる撮影、XRを活用した空間コンテンツ制作、ポストプロダクション、テスト上映まで、映像制作ワークフロー全体を一貫して検証できる。
DMPC Japanでは、CineAltaカメラ「VENICE 2」やCinema Lineカメラを用意するほか、ソニーの強みである、Crystal LED「VERONA」と、マーカーレスのカメラトラッキングシステム「OCELLUS」、「Virtual Production Tool Set」を組み合わせたバーチャルプロダクションのシステムに加え、ソニー製品に限らず撮影現場で実際に使われている定番の機材を用意。
撮影スタジオには日本映画・テレビ美術監督協会の監修による撮影セットも展開。実際のドラマや映画撮影で用いられるようなクオリティのセットで、部屋の隅の汚れなどまで再現した生活感のある空間を作り出している。照明の調整による時間帯の変化も簡単に切り替えられるようになっており、機材の試用がより実際の現場に近い環境で行なえる。
照明機材などは、定番の製品と最新の製品を共に用意することで、気軽に比較検証して、実際の撮影現場で機材を入れ替えるか検討できるようになっている。
通常は撮影スタジオとは異なる場所にあることが多い、ポストプロダクションのスタジオも同じ空間に用意している。マスターモニター「BVM-HX3110」を備え、厳密な色評価や映像仕上げのカラーグレーディング環境を構築している。クライアントディスプレイとして75型「BRAVIA 9」も用意しているほか、スタジオのVERONAで大きく映し出すこともできる。
Adobe PremiereやDaVinci Resolveをインストール済みのワークステーションが用意されており、カラリストが単身で来ても作業ができる環境を整えている。事前に相談すれば、普段使っているソフトをワークステーション内にインストールして使うこともできるほか、持ち込みのディスプレイなども使用できる。
3DCG制作など空間コンテンツ制作を支援する「XYN」ソリューション群を導入したエリアも用意。アプリと連携したカメラで撮影するだけで3D空間を生成できるXYN空間キャプチャーソリューション(ベータ版)による3DCG制作や、XYN Motion Studioとmocopiプロフェッショナルモードによるモーションキャプチャーを活用した映像制作が行なえる。
また、空間再現ディスプレイも用意しており、裸眼立体視体験がどのように表現できるかといった探求ができるとのこと。
クリエイターとソニーが共に撮影環境の課題解決に取り組む場に
ソニーマーケティングの取締役 執行役員 B2Bビジネス本部 本部長の中川一浩氏は、DMPC Japanについて、クリエイター同士やクリエイターとソニーが同じ場所で対話して理解を深めるような施設として展開すると説明。
制作技術セミナーやトレーニングに加え、空間コンテンツ制作クリエイターなど今後の映像制作を担う人材の育成拠点としての活用を予定しており、1月には文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、日本映画撮影監督協会(JSC)がともに主催する「Cinematic Quantum」の一環として行なわれたマスタークラスを同施設で実施した例を挙げた。
同セミナーでは、現役のシネマトグラファーであるオーレン・ソファー(Oren Soffer)氏を講師に迎え、プロフェッショナルを対象としたハイレベルで実践的な内容を展開したという。
設立の背景について、中川氏は「米国と英国のDMPCを視察した際に、日本に同じ拠点が欲しいと強く感じた」と意義を強調。特に日本に拠点を構えることの利点について、エンジニアの8割が日本国内に所属していることから、撮影現場に近い環境でクリエイターの声を聞くことができるため、製品開発に活かしやすい環境を構築できると述べた。