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パナソニック、TV番組のネット配信用ファイルを自動生成する放送事業者向けシステム

 パナソニックは、地上/BS/110度CSなどの放送番組からインターネット配信用動画コンテンツを自動生成する「放送番組リアルタイムアーカイバシステム」を放送事業者向けに3月下旬から発売する。価格はオープンプライス。

上が現状のワークフローイメージ、下が放送番組リアルタイムアーカイバシステムを使ったフロー

 インターネットを通じ、パソコンやスマートフォンなどで番組を視聴できる見逃し配信サービスなどへの対応を放送事業者が加速させているが、そうしたサービスに番組を提供するためには、番組のデジタルファイル化、編集、動画配信フォーマットへの変換、メタデータの付与といった作業が必要となる。

 パナソニックが開発した「放送番組リアルタイムアーカイバシステム」は、放送した番組をVOD用として再配信する際のワークフローを自動化するもので、オンエア時のマスター映像を取り込み、EPG情報に基づいて番組の境界をフレーム単位の精度で検出、自動的に切り出す。EPGの放送時間と実際の放送時間には数フレームの誤差があるが、その誤差も検知し、フレーム単位の補正が自動で可能。インターネットで配信しないシーンの境界(カット点)情報を入力することで、シーン削除も自動化できる。

 これにより、手作業によるファイル化が不要になるほか、完パケ映像が用意されていないスポーツ中継やニュース番組等のライブ放送番組も速やかに配信できるという。

 配信向けにトランスコードするフォーマットはMP4に加え、Hybridcastで採用されたMPEG-DASHにも対応。コンテンツを蓄積するCMSサーバーに格納でき、そのままネット配信サービスに提供できる。

 通信環境に応じて自動的にコンテンツの品質・サイズを変更するABR(Adaptive Bit Rate)にも対応し、標準で任意のビットレートを指定した2ストリーム同時出力もサポート。今後は、地上デジタル放送などで採用されているMPEG-2 TS形式やiPhoneなどで動画を再生するときに必要なHLS形式への対応も検討されている。

 番組のEPGを取り込み、番組タイトル、ジャンル、出演者等の番組情報をアーカイブした番組に自動的に付与。ネット配信用動画ファイルの番組情報として活用でき、メタデータ入稿作業を簡略化。放送予定のEPGから、必要な番組のみVODファイルフォーマット変換の対象とする番組予約設定もできる。

 番組表形式で、コンテンツ管理画面や変換した番組内容の確認が可能。番組詳細画面で、番組のプレビュー再生、メタデータ編集もできる。

コンテンツ管理機能の画面イメージ