ニュース

ハイレゾナビなどカーオーディオ集結。スマホへのハイレゾ生配信やVR体験も

 オーディオ・ビジュアル関連の展示会「OTOTEN AUDIO・VISUAL FESTIVAL2017」が、東京国際フォーラムで5月13日と14日の2日間に渡って開催中。入場は無料。主催は日本オーディオ協会。入場受付がある地下1階から、カーオーディオや、音楽配信サービス各社の展示を紹介する。

OTOTEN 2017会場の東京国際フォーラム

人気のカーオーディオ体験コーナー。VRも

 カーオーディオのコーナーでは、パイオニア(カロッツェリア)やJVCケンウッド、三菱電機(車載用DIATONE)などが出展。各社のデモカーを同じ場所で体験できることもあって、いずれも順番待ちの列ができる人気コーナーとなっている。

各社デモカーに、試聴待ちの列ができていた

 カロッツェリアは、カスタムフィットスピーカーのフラッグシップモデル「Vシリーズ」や、ハイグレードモデルのCシリーズを中心に展示。ハイレゾ対応AVナビに、フロントスピーカー「TS-V173S」、サブウーファ「TS-WX70DA」を組み合わせたデモカーで、「史上最高のVシリーズ」をアピールしている。

カロッツェリアのハイレゾ対応スピーカー「Vシリーズ」を試聴可能

 また、Cシリーズについては、ワンボックスカーに専用の試聴ルームを設けた「移動式ライブシアター」を用意。一般的な純正スピーカーと「TS-C1730S」を横に並べて聴き比べできるようにしている。カーオーディオの試聴は、1つのスピーカーをしっかりセッティングしたデモカーを使うことが多いが、今回はそもそも「車のスピーカーを入れ替えることを想定していない人」などにも向けて、簡単に比較できる環境を用意。トレードイン取り付けにより音質を向上できることを紹介している。

比較試聴できる「移動式ライブシアター」

 JVCケンウッドのデモカーでは、ハイレゾ再生対応ナビの「彩速」シリーズを体験可能。音楽を聴くだけでなく、イベント用に開発したVRコンテンツも体験可能。スマホを使ったVRゴーグルを装着すると、ドライブデートをしているような雰囲気を味わいながら、彩速ナビの新機能紹介などが分かる動画コンテンツとなっている。

JVCケンウッドのハイレゾ対応彩速ナビのデモ
VR体験コーナー

 三菱電機は、車載用のDIATONEスピーカーとして、70周年モデル「DS-SA1000」シリーズを中心に展示。メルセデス・ベンツの「A180スポーツ」に、高音質ナビの「NR-MZ2000PREMI プレミアムモデル」や、DS-SA1000シリーズのツイータとウーファ、ブラックスのMATRIX-MX4パワーアンプなどを組み合わせたデモカーで試聴できる。

DIATONEスピーカーのDS-SA1000シリーズ
デモカーの構成

 クラリオンは、「フルデジタルサウンド」技術を軸に、カーオーディオとヘッドフォンの2つのコーナーを用意している。ヘッドフォンのコーナーでは、販売中のフルデジタル対応モデル「ZH700FF」に、著名人による独自の音質パラメータを適用した「スペシャルチューニング」モデルの試聴体験コーナーを用意。

クラリオンのフルデジタルスピーカー搭載デモカー

 ZH700FFでは、インターネットからダウンロードしたデータを適用することにより、ヘッドフォンの音質をチューニングできる機能を既に持っている。これを活かし、今回の展示ではオーディオライターの野村ケンジ氏、多くのアニメソングなどを手掛ける音楽プロデューサーの佐藤純之介氏、「ガールズ&パンツァー」などの音響監督として知られる岩浪美和氏が、それぞれオススメのチューニングを行ない、ヘッドフォンに適用。会場で音の違いなどを体験できるようになっている。

フルデジタルヘッドフォンの試聴コーナー

 野村ケンジ氏は「女性ボーカルの最新J-POPを聴くチューニング」、佐藤純之介氏は「アニソンが明るく楽しく聴こえるアニソン専用チューニング」、岩浪美和氏は「女の子の声がかわいらしく聴こえる、ガルパンにおすすめのチューニング」を行なったという。

野村ケンジ氏、佐藤純之介氏、岩浪美和氏のチューニングで聴ける

 こうしたチューニングのデータを今後サービスとしてユーザーに提供するかどうかは現時点では未定で、今回のOTOTENでの反響などを見て検討するという。

 アルパインは、「究極のリアルサウンド」と「圧倒的臨場感」を実現するという「X」シリーズをデモカーで試聴可能。カーボングラファイト振動板で繊細な音の違いを描き分けるツイータや、レンスポンスとクリアさが特徴のナノファイバー振動板を用いたウーファを備え、磁気回路にはナノ結晶技術により駆動力を高めた「超高密度ラジアルリングマグネット」を搭載している。

アルパインのXシリーズをデモカーで試聴できる

 カロッツェリアブランドで2004年に登場した車載用のDSP搭載デジタルプリメインアンプ「RS-A9x」から、約10年に渡ってDSP技術を提供してきたエタニ電機は、実測データをもとに完璧な音場補正ができるというハイレゾ対応の高級カーオーディオプレーヤー「ETANI ONE」をデモ。実測した音場特性を元に、位相を含んだ周波数特性を補正する新技術「Wave EQ(波形等価)」を採用。全帯域に渡って音圧と位相の周波数特性を補正し、自然な音を実現するという。192kHzまでのハイレゾデータに対応したミュージックサーバー機能も備える。ETANI ONEの価格は88万円で、7月発売予定としている。

エタニ電機のデモカー
サウンドアナライザーのASA-10mkIIも展示

Spotifyやe-onkyo musicなどの音楽配信体験。4K映像/ハイレゾ音声のストリーミングも

 音楽配信サービス体験ブースでは、Spotify、AWA、LINE MUSIC、mora、e-onkyo music、レコチョク Best、ビデオマーケット、OTOTOY、クリプトンHQM、ナクソス・ジャパン、my sound(ヤマハ)などのサービスをヘッドフォンで聴くことが可能。

音楽配信の体験コーナー

 iPhone/Androidスマートフォンでハイレゾ音源のライブストリーミングができるアプリ「NeSTREAM」を開発しているラディウスは、OTOTENのライブイベントを、スマホでストリーミング受信してハイレゾで聴けるコーナーを用意している。このアプリはまだストアで提供開始されていないため、会場限定のコンテンツが体験できる。

ラディウスの「NeSTREAM」アプリを体験できる

 アプリは、NTTが開発したロスレスオーディオのMPEG-4 ALS形式の受信に対応。OTOTENのイベント配信では、映像は4K HEVC/H.265対応エンコーダやデコーダを通じて4K対応テレビに表示。音声は96kHzのMPEG-4 ALSでラディウスのアプリを入れたスマートフォンや、4Kテレビ、PCに配信。さらに、元の4K映像/96kHz音声から、2K映像/48kHz音声にダウンコンバートして、無線LANで配信し、来場者が自分のスマホで再生できるようにする。さらに、VRゴーグルでライブ会場の映像と音を楽しめるコーナーも用意している。

OTOTENでのライブストリーミングの概要
VRで楽しむことも

 ラディウスは、今回のアプリを使って、既存の配信プラットフォームなどと協力する考えで、今回のイベントなどを通じてパートナーシップ締結に向けて取り組む。音楽コンサートなどの生配信だけでなく、アーカイブされた作品のオンデマンド配信も想定。さらに、ユーザーが配信する生放送サービスのプラットフォームとの提携も目指しているという。