アキュフェーズ、約40万円の純A級ステレオパワーアンプ

-フルバランス構成の「A-35」。保証期間延長も


A-35

7月上旬発売

標準価格:399,000円

 アキュフェーズ株式会社は、純A級のステレオパワーアンプ「A-35」を7月上旬に発売する。価格は399,000円。

 2004年に発売された「A-30」の後継モデル。定格出力は150W×2ch(1Ω時)、120W×2ch(2Ω時)、60W×2ch(4Ω時)、30W×2ch(8Ω時)。ブリッジ接続でモノラルパワーアンプとしても動作可能。その場合は300W(2Ω時)、240W(4Ω時)、120W(8Ω時)の出力となる。リアパネルのスイッチでデュアル・モノ/ノーマル(ステレオ)/ブリッジが切り替え可能。

 信号経路はインスツルメンテーション・アンプ方式を導入。入力からパワーアンプ段までの信号経路をフルバランス伝送化し、機器内で発生する雑音を除去する能力やひずみ率を改善。周囲の環境変化にも強いとしている。

 回路方式には、独自の「MCS+(Multiple Circuit Summing-up)回路」を採用。MCS回路を進化させ、初段バッファアンプのバイアス回路を改善することで、回路安定性を向上。並列動作させる部分を電流-電圧変換部のA級ドライブ段まで拡張することで、低ノイズ化を図っている。

 増幅段には、パワーMOS FETをチャンネルあたり、3パラレル・プッシュプル駆動で採用。入力インピーダンスが高く、ドライブ段に与える負荷を軽減するほか、熱の変動にも強い安定した動作が可能だという。A級動作による発熱は筐体左右の大型ヒートシンクで放熱する。

 増幅方式は、出力信号を電流の形で帰還する「カレント・フィードバック増幅回路」を採用。ゲインの大小による周波数特性の変化がほとんどなく、広い帯域に渡って一定の特性を保てるのが特徴。位相回転が発生しにくく、位相補償の必要がほとんど無いため、少量のNFBで諸特性を大幅に改善。「立ち上がりに優れ、音質面でも自然なエネルギー応答を得ることができる」という。

 電源部には大容量の電源トランスを搭載するほか、整流器を通過した脈流を、直流に変換するアルミ電解コンデンサには。47,000μFの大容量タイプを2個使用している。スピーカーターミナルはYラグやバナナ・プラグに対応する大型なものを装備する。

 全高調波ひずみ率は0.05%(2Ω負荷/ステレオ時)0.03%(4~16Ω負荷/ステレオ時)、0.05%(4~16Ω負荷/モノラル時)。IMひずみ率は0.01%。周波数特性は定格連続出力時20Hz~20kHz +0 -0.2dB、1W出力時は0.5Hz~160kHz +0 -3.0dB。ゲインは28dB。S/N比はゲインMAX時で111dB、ゲイン-12dB時で118dB。 消費電力は270W(電気用品取締法)/200W(8Ω負荷定格出力時)。外形寸法は465×425×170mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は22.8kg。

 なお、同社はオプションを含む、オーディオ機器の無償保証期間を6月1日より、従来の3年から5年へと延長する。ただし、SACDやCDプレーヤー/トランスポート製品は従来と同じ3年で、それ以外の製品が5年になる。また、同社製品は製品付属の「お客様カード」に購入日を記入し、アキュフェーズから「品質保証書」(製品登録)を発行する形式になっており、この保証書が無い場合は有償修理となる。



(2009年 5月 28日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]