au携帯電話'09年夏モデル。720p動画撮影やソーラー発電など
-3.5型480×960ドット液晶「biblio」や、「G'z One」も
auは25日、携帯電話の2009年夏モデル新ラインナップを発表した。発売は5月29日より順次行なう。新モデル8製品のうち、ワンセグを搭載するのは7機種で、それらはLISMO Musicにも対応。うち6機種はLISMO Videoもサポートする。
型番 | メーカー | 発売時期 | メイン ディスプレイ | LISMO Video/Music | 着うたフル プラス | Bluetooth | 特徴 | 外形寸法 (縦×横×厚さ) | 重量 |
Mobile Hi-Vision CAM Wooo | 日立 | 7月 下旬 | 3型 IPS液晶 480×854ドット | ○/○ | ○ | ○ | 720p動画撮影 HDMI端子 3WAYオープン | 約118×50×19.9mm | 約152g |
biblio | 東芝 | 6月 中旬 | 3.5型液晶 480×960ドット | ○/○ | ○ | ○ | データフォルダ7GB 無線LAN タッチ操作 | 約113×56 ×17.4~18mm | 約164g |
SOLAR PHONE SH002 | シャープ | 6月 上旬 | 3型 IPS液晶 480×854ドット | ○/○ | ○ | ○ | ソーラー充電 防水 | 約111×51×17.4~18.8mm | 約142g |
Sportio water beat | シャープ | 5月 29日 | 3型 IPS液晶 480×854ドット | ○/○ | ○ | ○ | 防水 タッチ操作 | 約98×51 ×14.8mm | 約108g |
G'z One CA002 | カシオ | 5月 29日 | 2.7型 IPS液晶 240×400ドット | ○/○ | - | ○ | 防水/耐衝撃 電子コンパス | 約107×50 ×20mm | 約134g |
T002 | 東芝 | 6月 中旬 | 3型液晶 480×854ドット | ○/○ | ○ | - | 防水 | 約110×50 ×16.2mm | 約131g |
K002 | 京セラ | 5月 29日 | 3型 IPS液晶 240×400ドット | -/○ | - | - | 薄さ10.9mm | 約110×50 ×10.9~13.5mm | 約117g |
日立製の「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」は、1,280×720ドット/30fpsの3GPP2フォーマットで動画撮影が可能なモデル。ハイビジョン撮影対応の携帯電話は国内初としている。ビデオ撮影用の機能として、手ブレ補正や顔検出AF、コンティニュアスAFなどに対応。光学3倍ズームを搭載する。
さらに、携帯電話として初となるHDMI端子(ミニ)を装備。テレビなどに接続することで、撮影した動画などのハイビジョン表示も行なえる。microSDHCカードは最大8GBまでサポートし、最長4時間(長時間:HLモード時)の動画記録ができる。なお、「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」についての詳細な機能は別記事で紹介している。
発表された新製品 | 日立Mobile Hi-Vision CAM Wooo | 東芝のbiblio |
■ biblio
biblio。別売ケースを着けた状態 |
本体は、本を読むスタイルをイメージした横型スライド式。ディスプレイは覗き見防止モードも搭載する。操作はキー/タッチ操作の両対応で、画面を横向きにしてすると、キーイルミが10キーからQWERTY表示に変化。横画面時はパソコンのような感覚で利用できるとしている。
電子書籍の「EZブック」向けの機能では、新たなリーダー「Book Player」を搭載。作品が複数のファイルに分かれているものでも、一つのファイルを読み終えると自動で次に誘導し、連続して読むことができる。コミックや写真集などでのお気に入りのシーンを保存できるスクラップ機能も用意する。
そのほか、無線LANにも対応。biblioの発売時期に合わせて新サービス「Wi-Fi WIN」(月額525円)が開始され、IEEE 802.b/gの無線LAN経由でEZウェブやPCサイトビューアーなどが利用できる。「PCサイトビューアー」のブラウザには新たにOpera Mobile 9.5を採用。ズームイン/アウトといったブラウジングや、YouTubeのストリーミング再生などが行なえるとしている。Ajaxにも対応し、動的な表示の更新などPCサイトの再現性を高めている。
ワンセグの連続視聴時間は約3時間20分。カメラは511万画素CMOS。手ブレ補正やAFに対応する。別売オプションとして、ブックカバーのような「biblioケータイケース」(カラー5色)も「au shopping mall」で販売する。
■ SOLAR PHONE SH002
SOLAR PHONE SH002 |
ソーラー充電により、晴天時では10分間の充電で2時間の待ち受けまたは1分の通話が可能。太陽光発電で待ち受け時間を延ばせる「エコ充電」といった新たな利用スタイルを提案するとしている。また、電池残量を%で表示することでより正確に把握できるバッテリーメーターも搭載。
サブディスプレイには1.1型の電子ペーパーを採用。太陽光発電時の受光状態を示すアイコンを用意しており、それを見ながら充電に最適な向きなどを調整できる。なお、太陽光発電はバッテリ残量が80%以上になると自動停止する。
IPX 5/7相当の防水機能を装備。また、TANITAの体組成計「BC-504」との連携機能を備え、体重/体脂肪などの測定データをBluetooth経由で携帯電話に転送し、健康管理に活用できるという。そのほか、ゴルフでグリーンまでの残りヤードを計測できる「GPSゴルフナビ」なども利用できる。ワンセグの連続視聴時間は約3時間50分。カメラは520万画素CMOSで、手ブレ補正に対応する。
■ Sportio water beat
タッチ操作対応の3型480×854ドットのIPS液晶を搭載。スポーツの最中でも簡単に音楽プレーヤーなどの操作が行なえるという。カーソル操作が可能なサイドキーも用意する。
TANITA体組成計との連動機能を搭載。また、「GPSゴルフナビ」も搭載する。歩数計も利用可能で、“生活活動量”を表すエクササイズや“歩行強度”を示す米スポーツ医学会の指数「METs」に対応している。ワンセグの連続視聴時間は約3時間50分。カメラは300万画素CMOSで、手ブレ補正に対応。
■ その他
「CA002」は、防水/耐衝撃機能を備えたカシオの「G'z One」シリーズ最新モデル。カラーはブレイズレッドとストーンブラックの2色。ディスプレイは2.7型240×400ドットIPS液晶。
Run & Walk機能がモーションセンサーに連動。カロリー計算や、運動データをアプリで管理できる。また、電子コンパス/温度センサーなどのセンサーアプリ「G'zGEAR」では、新たに現在地や任意の場所をコンパス上に登録でき、対象物の方角やおおよその距離を表示する「CUSTOMIZED COMPASS」などの機能が追加されている。ワンセグの連続視聴は約5時間20分。カメラは200万画素CMOS。サブディスプレイは1.1型電子ペーパー。
「T002」は、IPX 5/7相当の防水機能を備えた東芝製端末。ディスプレイは3型/480×854ドット液晶。カラーはメローピンク、ファインホワイト、シェードパープルの3色を用意する。上記のbiblioと同様に、EZブック向けの「Book Player」も搭載する。また、今回の新モデルで唯一、GSMローミングにも対応する。カメラは319万画素CMOS。
京セラ製の「K002」は、最薄部10.9mmの筐体に、3型240×400ドットIPS液晶や、320万画素CMOSカメラを搭載した端末。カラーはインテリジェントブラック、ディープレッド、プラウドホワイト、ピンクゴールドの4色。ワンセグでは、番組ジャンルに応じた画質モードに切り替える補正機能を搭載。液晶には強化ガラスを使用し、キーエリア/フォントサイズを大きくしたシートキーを搭載する。ワンセグの連続視聴は約4時間40分。
■ テーマは「去年と違う夏。」
サービス面では、携帯電話で撮影した静止画をソニー液晶テレビ「BRAVIA」の対応機種にコメント/テンプレート付きメールで送信できる<ブラビア>ポストカードが、5月25日よりau全機種で使えるように拡大したことを発表。これまでは「Cyber-shotケータイ S001」など一部機種に限られていたが、新モデルを含め全機種で利用できるようになった。
電子書籍のEZブックでは、ポータルサイトをリニューアルして、実用書や雑誌カテゴリを拡充したほか、検索機能と連動したランキング表示なども用意。週刊ヤングジャンプ(集英社)の雑誌発売と同時に、セレクトされたコンテンツを電子コミックで配信する「ヤンジャン・モバイル・リアルタイム」も開始する。
そのほか、新たなニュース配信サービス「EZニュースEX」も提供開始。テレビ朝日/朝日新聞との連携で、従来の「EZニュースフラッシュ」の情報を量/質ともに拡充し、操作性も高めるというもので、対応端末はbiblioとT002の2機種。料金は月額262円。
料金面での新サービスも発表。指定した3件までの国内通話が24時間無料になる月額390円の「指定通話定額」を8月10日から開始する。また、月額390円からのパケット定額「ダブル定額スーパーライト」も8月1日から提供する。
発表会では、取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏が新機種などについて説明。独自機能を持つ「biblio」と「Sportio」、「Wooo」、「SOLAR PHONE」の4機種を「去年と違う夏。」というキャッチフレーズで訴求する。電子書籍、スポーツ、ハイビジョン動画、太陽光発電というそれぞれの機能で新たなライフスタイルを創造するとした。また、太陽光発電つき携帯電話はソフトバンクも既に発表しているが、8月下旬以降発売としたソフトバンクに対し、auは6月上旬発売予定で「名実ともに我々が初」とアピールした。
4月に発表したiidaを含めると夏モデルのラインナップは13機種。「新機種が他社に比べ少ないのでは」という指摘に対して小野寺正社長兼会長は「外観だけ変えて中身が同じものを出すということも1つの方法だとは思うが、それを増やすだけでは、新機種としては意味がないと考えている。今回のように世界初/業界初などの機種を出していくことが、新しいニーズを開拓していく意味で重要。メーカーとの協力で、機種/コンテンツ/料金の改善により、全体的な底上げを図っていきたい」と述べた。
(2009年 5月 25日)
[AV Watch編集部 中林暁]