【CES】オンキヨーのAVセパレートアンプなどハイエンド機器
-USB DAC搭載BDプレーヤーや、「iTransport」新モデルも
高級オーディオメーカーが多数参加しているThe Venetianでの展示を中心に、ハイエンドAV機器の新製品を紹介する。
■ オンキヨー
上から、BDプレーヤー「BD-SP807」、AVプリ「PR-SC5507 Pre/Pro」、AVパワー「PA-MC5500」 |
THX認証のAVセパレートアンプや、Blu-ray Discプレーヤーなど、米国で春に発売する新製品を展示。
AVプリアンプの「PR-SC5507 Pre/Pro」は、9ch/3ゾーン出力に対応。DLNA 1.5をサポートし、Windows 7対応モデルとなっている。THX Ultra 2 Plus認証も受けたパワーアンプ「PA-MC5500」は、出力150W×9chで、XLRバランス入力も装備する。
BDプレーヤーの「BD-SP807」は、12bit/297MHzのビデオDACを搭載し、高剛性シャーシを採用。HDMIソースダイレクトモードを備える。BD Profile 2.0に準拠する。
各モデルの背面。左から「BD-SP807」、「PR-SC5507 Pre/Pro」、「PA-MC5500」 |
なお、同社は日本と同様に米国でも2010年春にHDMI 1.4対応AVアンプの発表を予告している。HDMI 1.4規格に含まれる3D映像やオーディオリターンチャンネル(ARC)などをサポートし、今後各社からの発売が見込まれる3D対応Blu-rayプレーヤーと連携する“3D Ready”製品として発売するとのこと。
会場では試作機などの展示は見られなかったが、ハイエンド向けだけでなく、幅広いクラスのAVアンプでHDMI 1.4対応モデルを発売するとのことで、今後が楽しみだ。
■ Ayre
DX-5 |
東京インターナショナルオーディオショウでも参考出展されたBlu-rayユニバーサルプレーヤー「DX-5」を展示、デモ再生を行なっていた。米国では2月に発売し、価格は未定だが10,000ドル前後となる見込み。
特徴は、Blu-rayやDVD/SACD/CD再生のほか、USB DACも内蔵し、PCなどの音楽を高品質で再生できること。オーディオ用のUSBは前面と背面に各1系統備えるほか、USBホスト用の端子も装備する。
HDMIはAV用と、オーディオ専用の2系統を搭載。デジタル出力端子はXLRバランスで、アナログはXLRバランスとRCAアンバランスを各1系統備える。
内部構造 | 背面端子部 | 既に発売されている単体USB DAC「QB-9」(2,500ドル)も展示されていた |
■ Wadia
上から順に171iTransport、151iPowerDAC mini、試作機のクリーン電源 |
iPod用デジタルトランスポートとして日本でも注目されている「iTransport」に、新モデル「171iTransport」が登場。新たにiPhoneもサポートする。2010年第1四半期末の発売予定で、価格は579ドル。「170」より200ドル高価となる。
従来の「170iTransport」から電源部が改良されたほか、より高品質なコネクタパーツを採用。音声出力は光/同軸デジタルで、コンポーネント映像出力も装備。また、リモコンも改善され、プレイリストやアルバムなどの操作ができるようになった。
なお、「170」はiPodを直挿しするドックを天面に備えているが、「171」ではケーブル接続も可能となり、ドック接続時は付属アダプタを装着してからiPod/iPhoneを載せて使用する。
iTransportなどと組み合わせて利用できるDAC内蔵パワーアンプ「151iPowerDAC mini」も同時期に発売。価格は1,200ドル。出力は4Ω時が50W×2ch、8Ω時が25W×2ch。24bit/192kHzまでの入力に対応し、24bit/384kHzへのアップサンプリングが可能。入力は同軸デジタルが1系統と、光デジタル/USBが各1系統。
そのほか、試作機として上記2モデルとデザインマッチしたクリーン電源も参考展示。価格や発売時期などは不明だが、上記2モデルとの組み合わせ以外にも幅広く使用できるとのことだ。
リモコンはボタン数が増えた。右が「171iTransport」、左が「151iPowerDAC mini」のもの | iPod接続は、ドックまたはケーブルのどちらかを選べるようになった | 170iTransport(中段)を使ったデモも行なわれた |
■ KEF
ワイヤレスサブウーファの「HTB2SE-W」(右)。左隅に見えるのがトランスミッタ |
Las Vegas Hiltonのスイートに出展していたKEFは、12月に発売されたワイヤレスサブウーファ「HTB2SE-W」などのシアター製品を中心にデモ。
「HTB2SE-W」は、出力250WのクラスDアンプを内蔵し、250mm径ウーファとパッシブラジエータを搭載するモデル。2.4GHzワイヤレス伝送を使用し、伝送距離は約25mとしている。3点支持のフットにより横置きも可能。テーブルなどの下のスペースにも設置できるという。価格は1,200ドル。
無線トランスミッタ部 | 横置きも可能 | 側面 |
また、サウンドバーの新製品も2モデル展示していた。「HTF8003」は、独自の点音源ユニット「Uni-Q」など、75mm径ユニットをL/Rとセンターに3基ずつ搭載した3ウェイ構成。再生周波数帯域は70Hz~22kHzで、インピーダンスは8Ω。本体幅は962mm。価格は800ドル。
「HTF7003」は、19mmツイータ1基と50mm径ウーファ2基をL/Rとセンターに配置した2ウェイスピーカー。再生周波数帯域は120Hz~22kHz。インピーダンスは8Ω。本体幅は785mm。価格は500ドル。
HTF8003 | HTF7003 |
Concept Blade |
そのほか、米国では初披露となるコンセプトモデルの3ウェイフロア型スピーカー「Concept Blade」のデモも行なっていた。
前面に備えた「Uni-Q」の10世代目となるユニットを両脇で挟む形で、4基の250mm径ウーファを左右側面に2基ずつ対称に配置。エンクロージャの振動を抑えつつ、広帯域の音声を単一仮想点音源として放射するという。エンクロージャ素材はカーボンファイバーを使用。クロスオーバー部は別筐体となっている。
左右側面にウーファユニットを配置する | クロスオーバーユニットも左右にそれぞれ1台ずつ |
(2010年 1月 11日)
[AV Watch編集部 中林暁]