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アニメ「ブラック★ロックシューター」は無料DVD配布が基本

−セルBlu-ray/DVDも予定。ニコ動から生まれた50分の作品


左からグッドスマイルカンパニーの安藝貴範代表取締役、沢城みゆきさん、吉岡忍監督、花澤香菜さん、Ordetの山本寛氏

3月24日発表

 ニコニコ動画から生まれた、オリジナルアニメ「ブラック★ロックシューター」の詳細が24日、秋葉原UDXシアターにて行なわれた製作発表会にて明らかになった。本編が約50分の作品になる予定で、発表メディアとしてはDVDやネット配信、上映会などを予定。いずれも無料で提供するのが特徴となっている。

アニメ版「ブラック★ロックシューター」
(C)huke/B★RS Project
 具体的には「ブラック★ロックシューター」拡大キャンペーンと名付けられた展開が、6月25日〜8月31日までの期間限定で実施。キャンペーン第1弾として、6月25日に発売される「月刊ホビージャパン」8月号に付録として、本編を全て収録したDVDを同梱。その後もイベントや店舗などでの本編DVDの無料配布、ネット無料配信、上映会など、様々な方法でユーザーに本編映像を届けるという。

 また、無料配布以外にも、コレクション性を高めたBlu-ray版やDVD特装版などを、有料で販売する事も予定されている。


 「ブラック★ロックシューター」とは、イラストレーター・huke氏がネット上で公開した一枚のイラストにインスピレーションを受け、ミュージシャンのryo氏が中心となっているクリエイター集団supercellが、初音ミクを歌わせた楽曲を製作。2つの才能がコラボレーションする形で、動画投稿サイト・ニコニコ動画において、歌とイラストを組み合わせたプロモーション動画が公開されたのを発端としている。

 このプロモーション動画は290万再生(2010年3月時点)を突破する人気コンテンツとなり、フィギュアを手掛けるグッドスマイルカンパニーが注目。イラストを1/8スケールのフィギュア化して発売し、人気を集めた。

 その後、2009年夏に、アニメ製作会社のOrdet(オース)がアニメ化を発表。Ordetは「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンディングや、「らき☆すた」のオープニングダンスを手掛けたことで知られる山本寛氏が率いる会社である事も注目要因の1つとなった。そして、既報の通り、同年9月30日にはアニメのパイロット版を収めたBlu-ray/DVDが、新録音源を収録するCDと共にグッドスマイルカンパニーから発売されたというのがこれまでの経緯。

 パイロット版BD/DVD発売後も、このアニメ作品がテレビアニメなのか、劇場用アニメなのかといった情報は発表されていなかった。しかし今回、作品の追加情報やキャスト情報と共に、無料DVD配布を中心とした、特徴的なリリース形態が明らかになった。

 グッドスマイルカンパニーの代表取締役で、アニメ版のプロデューサーでもある安藝貴範氏は、同社が2009年12月に発売した「ブラック★ロックシューター」の最初のフィギュアと、2010年4月に発売が予定されている「Black Blade Ver.」(手にしている銃器が剣になっている新バージョン)について、「(予約を含めて)合わせて5万体という、フィギュアの中でもかなりの記録を打ち立てている」と、人気ぶりを説明。

フィギュア第1弾
(C)huke/B★RS Project
4月発売予定の「Black Blade Ver.」
(C)huke/B★RS Project

 無料DVDの配布や無料配信などを中心とした展開については、「まずは皆さんに観ていただく機会を沢山作りたい。できるだけ全編映像を数多くの人にお届けしたい。そのためにどれだけハードルを下げればいいのかを考え、こういう方法もあるだろうと考えました。ホビージャパンさんの付録DVDは現在決まっている第1弾で、これに限らず、今後も雑誌付録、イベント配布、店頭配布など、配布・布教活動を続けたい」(安藝氏)と語り、まずは作品を広め、世界観やキャラクターに触れる機会を多くする事が重要と説明。

 アニメ製作のコストについては、DVD/BDのプロモーションとしてテレビ放送をしているテレビアニメのように「盤(セルBlu-ray/DVD)だけで解消するという形だけでなく、フィギュアの販売にも繋がる」(安藝氏)と語り、作品やキャラクターのファンを増やすことで、フィギュアなどの関連商品の販売に繋げる、プロモーション的な側面を持つアニメである事を説明。

 同時に、販売用BD/DVDについても、「大事なモノを手に入れる喜びというのはあって、手元に良いものをコレクションしたいという人もいると思う」(安藝氏)と語り、無料配布DVDなどと比べ、特典を追加するなど、商品としての価値を高めたセル版BD/DVDが予定されている事が明らかになった。


■ 「アニメ界の風通しを良くする作品に」

発表会はUDXで行なわれた
 発表会場には安藝氏に加え、Ordetの代表取締役で、今回のアニメでは監修を務めている山本寛氏、Ordet所属のアニメーターで、今回監督に挑戦する吉岡忍氏の3人が登壇した。

 安藝氏はブラック★ロックシューターとの出会いについて、「もうニコニコ動画のプロモーションを観た瞬間に、これは“良いものだ”と感じました」と振り返る。

 山本氏はアニメの監督を吉岡氏に任せた理由について「僕のキャリアで言うと、カッコよく、ソリッドで、エッジの効いた路線をやった事が無く、自信が無いので吉岡に任せました(笑)。吉岡は以前からブラック★ロックシューターにハマっていたので、理解が深かった事もあります」と説明。

 吉岡監督は、「それまでもsupercellや初音ミクの曲は好きだったのですが、投稿されたプロモーションを観た時に、1人のファンとして“凄い”、“いいな”と感じました。僕もソリッドな作品は得意ではないのですが、“これは挑戦したいな”と思わせる作品でした」と、作品に対しての熱意を語った。

会場huke氏とryo氏からのメッセージも紹介。huke氏のメッセージの中で「安藝氏が(ブラック★ロックシューターの)高さ10mのフィギュアを作ると言っていた」というエピソードが紹介されると、会場では山本氏や吉岡監督が「本当!?」、「お台場あたりに飾るの!?」と安藝氏を追求、安藝氏が「お台場が許してくれないですよ」と笑う一幕も。さらに、製作中の映像の一部を使い、プロモーションビデオ風に編集した1分弱の映像も上映された(写真右)

 吉岡監督によれば、アニメは約50分で、「元となるストーリーは無いのですが、hukeさんからイメージを伝えてもらい、そこから膨らませ、Ordetなりに解釈してストーリーを仕上げました」とのこと。

(C)huke/B★RS Project

 音楽はアニメ版でもryo氏が担当。山本氏は音楽の重要性について、「もともとのプロモーションビデオの時にも感じていましたが、fukeさんとryoさんの音楽のタッグというか、せめぎあいがこの作品を構成している。なので、今度のアニメはOrdetの作画陣とryoさんの音楽のせめぎあいになると期待しています」と説明した。

 また、山本氏はニコニコ動画で活躍するアーティストとコラボレーションしたアニメが誕生する意義として、「今のアニメには、狭い業界の中でモノを作っている“息苦しさ”みたいなものがある。僕も学生の頃に映像を作っていて、プロになったが、プロになったら息苦しくなるというのも妙な話。なので、(ニコ動のアーティストと)直接的なコミュニケーションで交流する事で、こちらの(アニメ)業界の風通しも良くなるのではないか。また、様々な原作がアニメ化され尽くされる中で、(今後)どうすれば良いかという一例になるのでは」と語った。

(C)huke/B★RS Project


■ 出演声優もゲストで登場

 登場するキャラクターは、ブラック★ロックシューターとデッドマスターという2人に加え、普通の少女も2人登場する。黒衣マトと、小鳥遊ヨミというキャラクターで、発表会では黒衣マトを花澤香菜さん、小鳥遊ヨミを沢城みゆきさんが演じることも発表。両名がゲストとして登場した。なお、ブラック★ロックシューターとデッドマスターの声優は未発表。

ブラック★ロックシューター
設定画
(C)huke/B★RS Project
デッドマスターの設定画
(C)huke/B★RS Project

声優陣もゲストとして登場
 「ブラック★ロックシューターの曲は前から知っていて、iPodにも入っていて、よく聴いている曲でした」と語るのは花澤さん。「それがアニメになると聞いて、何か学園も出てくる。そんな作品に参加できるという事で、凄く楽しみです」とコメント。

 沢城さんは「オーディションも何も無く、『花澤さんがヒロインで、面白い形でリリースされる作品だよ』とだけ聞いていたのですが、花澤さんの同級生役と知って、無理だよ!!と思いました」と笑い、山本氏が「俺がらみの某作品でやったじゃない」とツッコミ、会場を湧かせる一幕もあった。


黒衣マト(くろいまと)
(C)huke/B★RS Project
小鳥遊ヨミ(たかなしよみ)
(C)huke/B★RS Project

 演じるキャラクターについて花澤さんは「普段私が演じているキャラクターよりも、元気で活発なんだろうなというイメージで、今から楽しみです」とコメント。「昨日絵コンテを見せていただいた」という沢城さんは、作品について「私生活で『やったことあるなぁ』と、自分の過去とダブる部分もあり、女子なら誰もが一回はやったことがあると思います。そういう意味で、主観として(キャラクターに)入っていく分には、ヨミの気持ちがわかるなと思いました」と、ストーリーのヒントになる感想を語った。

 会場では製作中の映像の一部を使い、プロモーションビデオ風に編集した1分弱の映像も上映。これは明日(25日)から東京ビッグサイトで開催されるアニメフェアのグッドスマイルカンパニーブースでも上映されるという。

 さらに同ブースでは25日から予約開始となる、「figma ブラック★ロックシューター」(2,800円/7月発売予定)、「ねんどろいど ブラック★ロックシューター」(3,500円/7月発売予定)など、新作フィギュアも多数展示予定。また、25日の21時からは、ニコニコ動画「とりあえず生中」において、B★RS特集コーナーも配信され、作品がアピールされるという。

会場にはデッドマスターのフィギュアも展示された。発売日などは未定
(C)huke/B★RS Project
こちらはアニメ版のデッドマスター。参考展示
(C)huke/B★RS Project
ねんどろいど ブラック★ロックシューター
(C)huke/B★RS Project
figma ブラック★ロックシューター
(C)huke/B★RS Project
アニメバージョンのブラック★ロックシューターも参考展示
(C)huke/B★RS Project


(2010年 3月 24日)

[ AV Watch編集部 山崎健太郎]