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東芝、裸眼3DTV「グラスレス3Dレグザ」を12月発売

−20型はCELL内蔵/720pで実売24万。56型のデモも


グラスレス3Dレグザ

 東芝は、メガネなしで3D視聴を可能にする液晶テレビ「グラスレス3Dレグザ」を12月下旬に発売する。

 20型の「20GL1」と、12型の「12GL1」の2モデルを用意し、価格はともにオープンプライス。店頭予想価格は20型が24万円前後、12型が12万円前後。月産目標は各1,000台。

 発表会場では、56型の4Kパネルを使った製品も参考出展。今後大型化を目指していくという。実売価格について、「20型はスペックに比して安い。たくさん売れると困るものなのか?」との質問については、「20型については、24万円という売価で収まるものには到底なっていない。今後の大型化なども睨んでまずは出す。ポリティカルプライスといえる」(東芝VP社大角社長)と回答した。


型番 サイズ 3D/2D表示解像度 店頭予想価格
20GL1 20型 1,280×720ドット 24万円前後
12GL1 12型 466×350ドット 12万円前後
20GL1 12GL1 2モデルを展開
20GL1 12GL1 20GLはCELLなども内蔵しており、それなりに奥行きがある
東芝の技術力を活かしてグラスレス化を実現

 いずれも独自のインテグラルイメージング(光線再生)方式と、垂直レンチキュラーシートを組み合わせ、3D再生を実現する。同方式では、物体からの光を複数方向からサンプリングし、ディスプレイによりその反射光を再現。グラスレス3Dレグザでは、生成された9視差映像を1画素ごとに表示し、3D表示を実現する。

 同方式では、「解像度が低下しやすい」、「明るさのむらが出やすい」という欠点もあるが、専用の画素配列と専用の画素形状を施した液晶パネルにより、鮮鋭でムラのない3D映像を実現可能としたという。また、9視差の映像を同時に液晶パネルに描画し、画面中央、右端、左端に発する光線をそれぞれ最適な方向に制御する独自技術により、画面全体をきれいに見せることができる視域を確保。自然な3D高画質を実現するという。

 20型の「20GL1」は、フルHDの約4倍の画素数となる、総画素数約827万画素のパネルを用い、2D/3D表示解像度 1,280×720ドットを実現。パネルは東芝モバイルディスプレイと共同で開発した。バックライトは1,440個のLEDを液晶直下に配置し、明るさを確保している。


インテグラルイメージング方式を採用 9視差映像を利用して3D表示 自社開発のパネルと垂直レンチキュラーシートの組み合わせで高画質化
RGB縦配列の画素構造と垂直レンチキュラーシートを採用 独自の視域最適化技術を採用 20GL1では、829万画素のグラスレス3D専用パネルを採用する
20GL1は、CELLレグザエンジンで、高精度に3D化

 20GL1の映像処理には「グラスレス3D専用CELLレグザエンジン」を搭載し、入力した2D/3D映像から、動き検出に基づく奥行き復元「モーション3D」や構図識別による「ベースライン3D」などの技術から奥行きを推定。推定し奥行きから、9視差の映像をリアルタイム生成するとともに、超解像処理などのプロセスを用いて高画質化し、グラスレスで3Dを実現する。推奨3D視聴距離は90cm。

 2Dで入力した信号だけでなく、Blu-ray 3Dなどの3D信号についても、9視差の3D映像化を行なう。そのためチューナの入力映像だけでなく、HDMI入力した2D/3D信号なども、最適な形で3D化できるという。なお、パネルのスペックとしては、829万4,400画素と4K/2K相当の解像度があるが、2D表示時にこの画素情報を使うことはできず、2D表示時の解像度も1,280×720ドットとなる。コントラストは550:1。


元映像からグラスレス3Dへの変換プロセス 829万画素パネルを採用するが、4Kでの2D表示には対応しない

 ボディはスタンド一体型で、地上/BS/110度CSデジタルチューナを各2系統装備。USB HDDを最大4台接続可能で、デジタル放送録画にも対応する。Class-Dのデジタルアンプや高音質化技術「CONEQ」を採用したステレオスピーカーも搭載する。

 HDMI×4入力やビデオ入力×1、アナログ音声出力×1、ヘッドフォン出力×1、USB×1、Ethernetなどを装備。消費電力は230W、年間消費電力量は330kWh/年。スタンドを除く外形寸法は64×10.5×66.3cm(幅×奥行き×高さ)。スタンドを含む外形寸法/重量は64×41×101~112cm(同)/30.5kg。

20GL1のデモ映像
12GL1

 12型の「12GL1」は、パネル総画素数が約147万画素で、3D/2Dともに466×350ドットの表示が可能。デジタルフォトフレーム風のデザインが特徴で、映像処理回路として「グラスレス3D専用レグザエンジン」を搭載する。推奨3D視聴距離は65cm。

 地上/BS/110度デジタルチューナを各1系統装備し、USB HDDへの録画にも対応。SDカードスロットを備えており、JPEGやAVCHDの表示が可能なほか、ワンセグ放送の録画にも対応する。HDMI×1やビデオ入力×1、Ethernetを装備。消費電力は46W、年間消費電力量は53kwh/年。スタンドを含む外形寸法は33.7×20×27.2cm、重量は3.6kg。


12GL1のデモ映像

 5日から開幕するCEATEC JAPAN 2010の会場に展示する。実際に体感してみたところ、正面に立てばすぐに裸眼で3D映像が楽しめ、気軽に3Dを楽しめるテレビと感じた。ブースがほぼ暗室環境に近い環境ということもあるが、輝度もまずまず満足いくレベルで、視野角も左右30度程度は確保しており、軽く頭を動かす程度では、3D映像はぶれない。

 ただし、視聴者が前後に移動した際には、3Dとしてきちんと見えなくなることもある。20型で90cm、12型で65cmという推奨3D距離が決められているが、この近辺で見られるよう、きちんと設置することが肝心だろう。また、12型の12GL1は3D表示時の画素数が466×350ドットと今日のディスプレイとしては低いので、画素が見えてしまうこともある。しかし、メガネなしで3Dという気楽さは、この製品からも体験できた。

56型/4Kのグラスレス3Dディスプレイを参考展示

 会場には、56型/3,840×2,160ドットの4K/2Kパネルを使った大画面テレビの参考展示モデルや、全画面だけでなく、部分的に3D表示が可能な12型ノートPCなども展示する。いずれも発売時期や製品化の具体的なめどが立っているわけではなく技術展示となる。

 4Kについては、パネル解像度とインテグラルイメージング方式ということ以外の情報は公開していない。デモにおける3Dの表示解像度や視差数も非公開だが、「HD解像度はあり、20GL1とそれほど変わらない」とのこと。

 実用化の目途は未定としてる。映像変換/出力側については、20GL1と同様にCELLを使うことで解決可能で、今回のデモでも利用しているが、大型のレンチキュラーレンズの量産性や、大型化に伴う直下型LEDバックライトの増加(20型の20GL1ですら1,440個のLEDを採用している)などの課題があり、実用化にはこうした問題を解消する必要があるとする。


56型/4Kのグラスレス3Dデモ

 パソコン用の部分3D表示は、12型/1,400×1,050ドットパネルを採用し、9視差で全画面を3D表示できるほか、任意のウィンドウや部分“だけ”を3D化できるというもの。例えば、YouTubeを3Dで再生しながら、メイン画面ではテキストを読む、といった応用を想定しているという。こちらは2011年の製品化を目標にしているという。

パソコン用のグラスレス部分3Dデモ 全画面の3D表示にも対応

 


 

■ 世界初の裸眼3Dテレビを訴求。Appsはサードインパクト

東芝VP社大角社長

 東芝執行役上席常務でビジュアルプロダクツ社 社長の大角正明氏は、「テレビにイノベーションを起こす二つの未来を発表をしたい」と切り出し、「グラスレス3Dレグザ」と「レグザAppsコネクト」について紹介した。

 その一つ「グラスレス3Dテレビ」については、「東芝が目指すものは究極のリアリティ。専用のメガネをかけずに楽しめる3Dテレビは、リアリティ追求の姿だと思っている。東芝はいち早くグラスレス3Dテレビを発売する。東芝のパネル技術、エンジン技術を生かし、パネルは東芝モバイルディスプレイ製、エンジンについてはCELL REGZAで培ったCELL Broadbandエンジンを採用する。東芝の総合力で実現したのが、世界初グラスレス3Dテレビです」と語り、20型と12型の新製品を披露。説明ビデオにより、インテグラルイメージング技術により、9視差の裸眼3D表示が可能なことなどを紹介した。

 さらに、ブース内で56型の4Kパネルを使った3Dディスプレイを展示していることに言及し、「われわれはグラスレス3Dの大型化を加速していきたいと考えている」とアピールした。

FOLIO 100を用いて操作を実演

 続いて、レグザAppsコネクトについては「東芝クラウドテレビ構想」として紹介。「ホームエンタテインメントの中心であるテレビにおいて、クラウドを利用して、様々な機器を有機的に結合し、視聴スタイルに革命を起こす」と述べるともに、VHSによるタイムシフト、RD-StyleによるHDD録画に続く、2010年の“サードインパクト”としてレグザAppsコネクトを披露した。

 大角氏は、IFAで披露したAndroid採用のタブレット端末「FOLIO 100」を用いて、リモコン操作やタイムバーサーチを使ったテレビ、レコーダ操作を実演。新CELL REZAや、ブルーレイレグザで利用できるほか、「約200万人の東芝のRDシリーズのうち、すべてのネットdeナビ対応機種でこのAppsに対応しています」と語り、新製品だけでなく、既存製品でもRZコマンダーによるリモコン機能を使えることをアピール。さらに順次Windows PC版やAndroid版を展開していくことを紹介し、「東芝は進化を加速していく。テレビの普遍的な価値である、映像を見る楽しみを追求したもの。技術革新に今後も取り組んでいく」と訴えた。


レグザAppsコネクトを紹介 タグリストからお気に入りシーンにジャンプ 旧RDシリーズへの対応もアピール
世界初のグラスレス3Dテレビをアピール

 質疑応答では、グラスありと、グラスレスの2方式での3D展開のすみわけについて、質問が出たが、大角社長は「メガネの有る、無しでいえば、やはりメガネ無しのほうが自然。大きな技術の流れ、大きな時間軸で見ればグラスが無しに行くのではないかと私は考えている。まだ大型化はできていないが、市場に出す決断をしたのは、今この時点でもパネル技術と回路技術というイノベーションによりグラスレスが可能であるということ。少し技術オリエンテッドな部分がある。コストやサイズで、ユーザーの満足いくところまではいっていないかもしれないが、まずは出すことが重要」と説明した。

 海外展開とともに大型化については、「欧米の展開を考えると40型以上を実現しないといけない。今回の20型や12型をどう展開するかは、否定するものではないが、メインは40型クラスになると考えている」とした。



(2010年 10月 4日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]