アキュフェーズ、66万円のクリーン電源「PS-1220」

-「汚染された電源を改善し、画質/音質高める」


クリーン電源「PS-1220」

 アキュフェーズは、電源から歪みやノイズを除去し、接続するAV機器の画質・音質を高めるというクリーン電源の新モデル「PS-1220」を4月下旬に発売する。価格は66万1,500円。

 2005年に発売された「PS-1210」の後継モデル。デザインを含め、前モデルの全回路を見直したというフルモデルチェンジとなっている。

 発電所から家庭に送られる電源波形は、通常綺麗な正弦波で送電される。しかし、PCやテレビなどの電気製品では、交流電源を直流に変換して内部回路を動作させるために、直流に変換するための整流回路を内蔵しており、この影響で、電圧波形(正弦波)の頭がつぶれ、高調波成分を多く含むようになる。これが電源を通じ、オーディオアンプの増幅回路に侵入すると、音楽信号と干渉して混変調ひずみを発生し、音質を悪くするという。

 クリーン電源は、入力された交流を、制御回路により加・減算して補正し、交流で出力することで、「汚れた電源を改善し、クリーンな電源にする」というもの。出力電圧100V(±1V)、ひずみ率0.1%以下に改善できるという。また、出力する主なエネルギーは、入力された交流そのものであり、過不足分だけを補っているため、従来の交流定電圧装置に比べて効率が良く、発熱も少ないという。

 加・減算を行なうパワーアンプ部には、同社のパワーアンプで搭載している、ピュア・コンプリメンタリー・プッシュプル差動増幅回路を中心とした方式を採用。また、終段部にはパワーMOS FETを使うことで、前段回路の負荷を軽減。急激な負荷変動を安定に吸収し、常に一定の出力を供給できるという。

 さらに、出力段には最大定格10AのパワーMOS FETを20パラレル・コンプリメンタリー・プッシュプルで使用。定格出力電流12A、瞬時電流供給能力140Aの電流供給能力を持っている。

 接続されている機器の消費電力を把握できるメーターも装備。容量オーバーの場合はLEDが点滅して警告する。電源部には、大電力容量の大型トロイダルトランスを採用。整流器を通過して直流に変換するアルミ電解コンデンサには、47,000μFタイプを2個搭載している。

 入力用として、ホスピタルグレードの3Pプラグを使用した電源コードと、アース線付き2P ACコードの2種類を付属。

 AC出力用に、ホスピタル・グレードの3Pコンセントをリアパネル側に8個、フロントに2個装備。合計消費電力1,200VAまでのAV機器に給電できる。無負荷時の消費電力は60W。外形寸法は465×500.2×243.4mm(幅×奥行き×高さ)。重量は41.2kg。


(2011年 3月 23日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]