旭硝子、世界最薄0.28㎜のタッチパネル用ガラス基板

-スマートフォン/タブレットに。15%薄型/軽量化


0.28mmのタッチパネル用ガラス基板。右は100円玉

 旭硝子(AGC)は、タッチパネル用ガラス基板として世界最薄という0.28mmのソーダライムガラスの開発に成功したと発表した。4月下旬より量産を開始し、「スマートフォンやタブレット端末の軽量化に貢献する」としている。

 ソーダライムガラスは、酸化ナトリウムや二酸化ケイ素などを主成分とし、建築物/自動車や電子機器に使われている一般的なガラス。


投影型静電容量式タッチパネルの構造

 タッチパネルは、表面を保護するカバー材と、電極層を配置する基板材で構成される。基板材には、熱による変形に強く、紫外線などによる変色が少ない、耐候性が高い、加工性に優れ化学強化処理ができるといった特徴から、ソーダライムガラスが広く用いられている。

 これまで、世界で最も薄いタッチパネル用ガラス基板は同社製品を含め0.33mmだったが、新製品では約15%の薄型化に成功。さらに15%の軽量化も実現した。

 4月下旬からの量産には、高い平坦度のガラスを効率的に製造できるフロート法を用いて、売上高は2013年で100億円以上を目指す。同社は1月より、化学強化用特殊ガラス「Dragontrail」も発売。これらディスプレイ用特殊ガラスなどの新製品を、2013年に売上高1,000億円以上へ拡大することを目標としている。

 なお、今回のタッチパネル用ガラス基板は、5月15日より米ロサンゼルスで開催される展示会「Society for Information Display」(SID)のAGCブースに展示される。



(2011年 4月 21日)

[AV Watch編集部 中林暁]