【CES】東芝、タブレットとスマートTVの連携を訴求

-防水/非接触充電タブレットや裸眼立体視TVなど


東芝ブース

 米国時間の10日にラスベガスで開幕した「2012 International CES」。東芝ブースは、タブレット、スマートTVとタブレットの連携、そしてUltrabookを中心としたノートパソコンの展示の割合が大きく、情報機器がメインの内容になっている。

 テレビ製品の注目は、北米でいよいよ発売となる4K2Kパネル採用の裸眼立体視3D対応機。そのほか、スマートホーム関連の展示も人気を集めている。



■ タブレット押しのブース展開

 タブレットの展示コーナーで人気を集めていたのは、日本で発売中の「AT700」相当の製品。北米向けには「EXCITE X10」として発売される。「世界最薄の10インチタブレット」として展示されていた。

 10.1型、Gorilla Glass採用の液晶パネルを搭載し、解像度は1,280×800ドット。OMAP 4430/1.2GHz、メモリ1GB。薄さ7.7mm、重さ535gといった基本スペックは日本向けモデルと同じ。北米での価格は16GBモデルが529.99ドル、32GBモデルが599.99ドルで、近日中に発売が予定されている。

北米では「EXCITE X10」として発売される10型タブレット。10型では世界最薄テレビの展示コーナーでは、このタブレットを実際に活用したスマートTV機能を実演

 13.3型タブレットはコンセプト展示の段階だが、フルHD未満、720pのHD以上の解像度が予定されている。テレビ放送のデジタルチューナを内蔵する計画もあるとのことで、ポータブルテレビ的な機能の搭載も予定されている。2012年内の発売を予定しているが、詳細は不明だ。

 7.7型のタブレットは有機ELパネルを搭載した高画質モデル。解像度は不明だが、CELL REGZA用のデモ映像を表示するなど、その高画質性能をアピールしていた。AV機能を重視したモデルと予想されるが、発売時期や詳細スペックは非公開。

ポータブルテレビ的なコンセプトも与えられそうな13.3型のタブレットのプロトタイプ7.7型の有機ELタブレットのコンセプト機


「他にはない」という意味では最もユニークだった5.1型のシネスコ・タブレット

 5.1型のタブレットは21:9のアスペクト比が与えられたユニークなモデル。横縦比は2.33:1となり、これはシネスコの2.35:1に近くなる。このことから、ポータブルムービープレイヤー的なコンセプトを色濃く与えての設計開発が進められているという。縦長画面はWebやメーラーなどの縦長アプリとの相性も良さそうだ。発売時期については未定。

 また、AT700をベースに、非接触型充電に対応させ、さらには完全防水に対応させた10.1型タブレットも展示。タブレット実機を実際に水槽に沈め、充電機ベースを水槽の外に配置して、耐水性能をアピールしながら同時に充電もするという、驚きの展示を行なっていた。

 スペック的には水深1メートル、30分の耐水能力があるとのこと。水場での使用が可能になると、入浴しながらの使用をはじめ、タブレットの新しい使われ方が発見できそうでなかなか楽しみな製品だ。こちらも技術展示ということで、実際の発売計画に関しては明らかにされていない。


10.1型のタブレットをベースに防水/非接触型充電機能を搭載した試作機。CES会期中は8時間連続で水槽に沈めたままになるが問題はないらしい非接触型充電機。10cm程度ならば離れていても充電が可能


■ スマートホーム事業に関連した展示

 東芝は、北米地区でスマートホーム事業を展開していくことを表明しており、ブースではその事業コンセプトを分かりやすく説明するための展示を行なっていた。

 ブースの展示では、その住宅が使用するであろう予想使用電力を求め、その時点でソーラー発電による蓄電池に内蔵された電気を使用するべきか、電力会社から配電された電気を使用するかを適宜選択して住宅内部に供給するという仕組みを示していた。いわば、究極のスマートホームの形を提示した格好だ。

 用いる蓄電池としては現実的にはEVに内蔵されるバッテリーを流用することがコストパフォーマンス的に優位であると言う説明がなされており、ブースでは三菱自動車製のi-MiEVも展示されていた。ちなみに、i-MiEVのバッテリーは東芝製のリチウムイオンバッテリーとのこと。

北米でのスマートホーム事業展開に乗り出す東芝電気自動車をスマートホームのバッテリーとして利用する。つまり、電力状況によっては電気自動車が家屋内に電気を供給することもあるということ


■ 日本のREGZA X3とは若干異なる北米版55型裸眼立体視テレビ

 このほか、2012年の北米市場向けテレビ製品ラインナップも展示。

 これらの製品と日本での発売モデルとの共通点はないが、北米モデルのL7200シリーズとL6200シリーズについては、日本の2012年春夏モデルのREGZAのデザインテイストを先行採用しているという。

 具体的には、約8mmの狭額縁部分がそうで、日本モデルにもこの狭額縁デザインが採用されるとのことだ。

東芝の2012年の北米市場向けテレビ製品のラインナップ展示北米モデルの3D対応の最上位機L7200シリーズ約8mmの狭額縁性能。最外殻の金属フレームの部分を除けば段差無しの1枚板デザインになっているのも特徴だ


北米でもやはり注目度が高い裸眼立体視テレビ

 テレビの展示コーナーでは、この他、4K2Kパネルを採用した裸眼立体視対応の3Dテレビを展示。これは日本ではトップエンドの「REGZA X3」として発売済みのものの北米モデルになる。

 しかし、日本では直下型バックライトシステムを採用していたのを、北米モデルでは薄さ重視のエッジライトバックライトシステムとするなど、仕様は微妙に異なる。

 展示コーナーでは、裸眼立体視のデモ映像の上映の他、1,920×1,080ドットの2D映像を、超解像技術で3840×2160ドットにアップコンバートして表示するデモも行なわれていた。なお、REGZA X3に提供される予定のリアル4K2K入力が可能なインターフェイスボックスは展示されていない。

裸眼立体視テレビの北米モデルはエッジライトを採用4K2Kデモ。ブースでの来場者の反応を見た限りでは、裸眼立体視よりも、4K2K表示の方が驚いている人が多かった
ノートPCの北米モデルも展示。北米では薄型モバイルパソコンよりもやはり大画面ハイスペックノートの方が人気が高い裸眼立体視対応ノートPC「QOSMIO F755」。日本モデルのQOSMIO T851相当カムコーダーの展示。全て北米専用モデルで日本での発売予定はなし
Ultrabook仕様のノートPC
内部構造を公開した展示も


(2012年 1月 11日)

[AV Watch編集部 トライゼット西川善司]