パナソニック、最高画質プラズマテレビ「VIERA ZT5」
“一枚ガラス”デザインの65型/50型。階調表現改善
VIERA ZT5シリーズ |
パナソニックは、黒の表現力を向上した「フル・ブラックパネルIIIプラス」を搭載したプラズマテレビ最上位シリーズ「VIERA ZT5シリーズ」を6月下旬より発売する。65型の「TH-P65ZT5」と50型の「TH-P50ZT5」を用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は65型が65万円前後、50型が41万円前後。
従来のフラッグシップシリーズ「VT5」のさらに上位シリーズとなり、特に画質とデザインを強化。新パネルの採用などにより高画質化を図っている。録画機能やスマートフォンや外部サービス連携などは、VT5シリーズなど「スマートビエラ」と共通。
TH-P65ZT5 | TH-P50ZT5 |
■ VIERA最高画質モデル
フルブラックパネルIIIプラスを搭載 |
プラズマパネルは、3D対応のフルHD「フルブラックパネルIIIプラス」。65/50型ともに1,920×1,080ドットのフルHDで、フレームシーケンシャル方式のフルHD 3D表示に対応。3Dメガネを組み合わせることで、3Dに対応する。
フル・ブラックパネルIIIプラスは、ピーク輝度を高めることで、ネイティブコントラストを550万:1まで向上('11年モデルのVT3シリーズは500万:1)。白のダイナミックレンジが向上したことで、より質感豊かな映像が楽しめるという。新駆動方式の「1/4サブフィールドドライブ」により、明るさの最小単位を1/4にし、微妙な明るさの違いの表現力を向上した(シネマプロモード時)。
ピュアイメージクリエーション |
プラズマパネル前面板と一体化した低反射ブラックフィルターIIIを採用し、明所コントラストを約1.3倍向上。明るい環境でも外光の映り込みを抑え、引き締まった黒に加え、鮮やかな色表現が可能とする。「ピュアイメージクリエーション」を搭載。斜め線や映像圧縮ブロックの境界を高い精度で検出し、それぞれに「斜め線超解像」、「絵柄適応型ノイズリダクション」を施すことで、滑らかな映像とする。自動画質調整機能も搭載し、「オート」モード時に、コンテンツや周囲の明るさにあわせて最適な画質に調整する。
色信号はYUV 4:4:4に対応。Blu-rayなどは(YUV 4:2:0)と色信号が1/4に圧縮されているが、同社のブルーレイDIGAではYUV 4:4:4へのクロマアップサンプリングが可能。ZT5ではYUV 4:4:4に対応し、30bitの信号処理を搭載。BDビデオなどで色域圧縮されてしまう映画オリジナルの色をリマスターする「ハリウッドカラーリマスター」と組み合わせて、色解像度の高い映像を楽しめるという。各シーンの映像情報を元に、色や階調、周波数補正を行ない、クリアな映像にする「ナチュラルカラースムーサー」も搭載している。
動画解像度を高める駆動制御により、次世代PDP開発センター(APDC)の動画性能基準「フルHD動画解像スピード」では1,700ppsを実現。3Dのクロストーク(2重像)も抑制している。
ネット動画の画質も改善。フレームレートが低いネットコンテンツに対し、独自の分析技術でコンテンツの動き特性を抽出し、通常のテレビ放送と同じ60Hzの映像信号に変換する「ネットコンテンツスムース」を搭載し、ネット動画も滑らかに再生する。
3Dにも対応。3Dメガネは別売で、フルHD 3Dグラス・イニシアチブ規格に準拠し、Bluetooth方式で通信する「TY-ER3D4MW」(Mサイズ)、「TY-EW3D4SW」(Sサイズ)が用意される。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はM/Sサイズともに13,000円前後。
サイドバイサイドやトップアンドボトムなどの3D方式を自動で認識し、3D表示する「3D方式自動認識機能」も搭載。2D-3D変換機能や、3Dの奥行きを調整する「3D奥行きコントローラ」、24コマ映像で自動的に中間フレームを生成し、3Dでもなめらかな表示を実現する「3Dシネマスムーサー」も備えている。
■ 一枚ガラスとメタルの新デザイン
画質とともにデザインにもこだわった。一枚ガラスとメタルデザインが一体感を演出する新デザインを採用。画面全体を覆う一枚ガラスと、本物素材にこだわったスリムメタルベゼルで「上位機種にふさわしい気品」を演出。前面のスリムスピーカーも画面下のスリットから正面に向けて音を放つことで、高音質カを図ったという。
スピーカーは総合出力18Wの2.1ch構成で、8連スピーカーユニット×2と10cmウーファ×1(65型)/8cmウーファ×1(50型)を内蔵。本体のスピーカーだけで上下の広がりあるサウンドを実現するほか、音が画面の中央から聞こえるように調整する「音像アップ」機能も搭載。フロントスピーカーのみで、仮想的にサラウンド実現する「バーチャル3DサラウンドシステムIII」も搭載する。
一枚ガラスとメタルの新デザイン |
■ 録画やネット連携も強化
番組表 |
チューナは地上/BS/110度CSデジタルを各3系統で、別売のUSB HDDへの録画機能を搭載し、2番組同時録画に対応する。USB HDDへの録画はMPEG-2 TSのストリーム録画だけでなく、MPEG-4 AVCエンコードによる長時間録画に対応。「標準」、「長時間1(6Mbps)」、「長時間2(3Mbps)」の3モードを用意し、500GBのHDDの場合最大350時間録画できる。録画番組のシーンの切り替わりを自動的に検出し、自動的にチャプタを作成する「オートチャプター」にも対応。録画した番組は、DLNA/DTCP-IPを使ったネットワークダビングに対応したブルーレイDIGAなどにダビングできる。
番組表はG-GUIDEで、3/5/7/9/11/15/19チャンネルの表示が選択可能な「インテリジェントテレビ番組ガイド」に対応。1カ月先までの注目番組を写真付きでチェックできる「注目番組」や、ジャンル検索機能、音声読み上げ機能などを装備。裏番組の一覧表示機能やPinP表示機能も備えている。
Ethernetのほか、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANを搭載。DLNA/DTCP-IPサーバー機能の「お部屋ジャンプリンクサーバー」機能も搭載し、VIERAで受信したデジタル放送やUSB HDDに録画した番組、SDカードやUSBメモリに保存した写真を、無線LAN経由で、お部屋ジャンプリンク対応のテレビやレコーダ、スマートフォンなどに転送し、家中のいろいろな場所で楽しめる。録画番組だけでなく、放送中の番組をお部屋ジャンプリンク対応機器に転送する「放送転送」にも対応する。
裏番組を確認 | お部屋ジャンプリンクに対応 |
対応クライアントは、お部屋ジャンプリンク対応「VIERA」など。スマートフォンはパナソニック製のDTCP-IP対応端末で、同社ホームページで案内する。クライアント側がVIERAの'12年モデルの場合、お部屋ジャンプリンク再生時でもチャプタスキップやレジューム再生に対応する。
スマートフォン向けのアプリとして「ビエラリモート 2.0」を無償提供。Androidスマートフォン版とiOS版が用意される。ビエラリモート 2.0は、携帯電話やスマートフォン内の写真や動画をVIERAに直接出力できるほか、リモコン機能なども備えている。
スマートフォンでは、JPEGのほか、MPO形式の3D写真もVIERAで視聴できる。動画はMP4に対応する。また、Android版のビエラリモート 2.0では、AACとWAVの音楽ファイルも無線LAN経由でVIERAに出力し、VIERAのスピーカーで音楽を楽しめる。
ネットワークサービスの「ビエラ・コネクト」も強化。民放キー局5社が中心となり、4月にスタートしたVODサービス「もっとTV」に対応する。放送済みの番組や録画を忘れた番組にもリモコンの「もっとTV」ボタンからアクセスできる。テレビ視聴中にもっとTVボタンを押すと、該当放送局のVOD一覧を表示し、その中からおすすめ番組などを案内。見たい番組を選んで、再生できる。また、ジャンルやワード検索、ランキング機能なども備えている。
もっとTV | ビエラ・コネクト |
リモコン | ビエラ・タッチパッド リモコン |
「エコ視聴」も搭載、電力減、「小」、「中」、「大」を選択可能で、「大」の場合映像信号をオフで音量無操作5秒後にパネルもOFFになる。例えばradiko.jpアプリでラジオを聞く場合は、画面を消して音声だけを楽しむ、といった使い方が可能になる。
HDMI入力は4系統で、デジタルカメラやビデオカメラを接続して写真を表示するときには鮮やかで深みある色合いとし、写真表示に適した画質に調整する(「プロ写真」ON時)。また、DIGAと接続した場合、映画コンテンツではしっとりとした画質に調整、さらにDIGAのEPGなどのグラフィック画面では、輪郭や色調を補正して、文字を読みやすくするなど機器連携による自動画質調整を強化している。
USB×3やSDカードスロットも装備。消費電力は60型が585W、50型が465W。年間消費電力量は65型が200kWh/年、50型が165kWh/年。通常のリモコンのほか、「ビエラ・タッチパッド リモコン」も付属する。
品番 | TH-P65ZT5 | TH-P50ZT5 |
サイズ | 65V型 | 50V型 |
解像度 | 1,920×1,080ドット | |
消費電力 | 585W | 465W |
年間消費電力量 | 200kWh/年 | 165kWh/年 |
スピーカー | 8連スピーカーユニット×2、 10cm径ウーファ×1 | 8連スピーカーユニット×2 8cm径ウーファ×1 |
音声最大出力 | 総合18W | |
入力端子 | HDMI×4、D4×1、コンポジット×2、 アナログ音声×2 | |
出力端子 | 光デジタル音声×1、ヘッドフォン×1 | |
その他の端子 | Ethernet、USB×3 | |
外形寸法 (スタンド含む 幅×奥行き×高さ) | 149.9×40×93.9cm | 117.1×33.5×75.4cm |
重量 (スタンド含む) | 約48kg | 約29.5kg |
(2012年 5月 29日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]