【IFA 2012】パナソニック、世界最大の103型裸眼3D PDP

-スマホ/タブレット放送転送などネットワークも強化


パナソニック グローバルコンシューマーマーケティング部門AVCマーケティング本部の西口史郎 本部長

 ドイツ・ベルリンで8月31日(現地時間)より行なわれる「IFA(国際コンシューマエレクトロニクス展) 2012」の開幕に先駆け、29日にパナソニックのプレスカンファレンスが行なわれた。

 テレビなどのAVC製品については、グローバルコンシューマーマーケティング部門AVCマーケティング本部の西口史郎本部長が説明。同社テレビにおけるこれまでの技術革新や、他社に先駆けてテレビへ導入したサービスなどを振り返りつつ、IFAで発表する新モデルの特徴を紹介した。


テレビからタブレットへの放送転送のデモ

 VIERAのネットワーク機能では、スマートフォン/タブレットの写真などをテレビと共有する機能を拡張。これまでの、ワイヤレスで「テレビに送る」だけでなく、テレビから受け取るという操作をスワイプで実現。手持ちの端末で撮った写真を、テレビを介して他の人と共有することなどができる。さらに、ハイエンドモデルの「WT50」シリーズでは、新たにスマートフォン/タブレットへの放送転送機能にも対応。これらの機能について実際にデモを行なった。

 同社は、グローバルでのテレビ需要について、「スマートテレビ」の求められる割合が2009年は9%(1,500万台)に過ぎなかったが、2011年は26%(5,700万台)、2013年は41%(1億500万台)、2015年は54%(1億5,400万台)まで拡大すると予測。テレビ全体の需要も2011年は2億2,200万台、2013年は2億5,800万台、2015年は2億8,400万台と少しずつ伸びていくという見方を示した。

 このほか、テレビの大画面化を進めていくことも発表。前述のハイエンドモデル「WT50」シリーズに新たに55型を加えることを明らかにした。さらに、「ET5」シリーズには60型を追加する。


パナソニックの「Smart AV Life」コンセプトテレビビジネスにおける「世界初」の例
テレビのネットワーク連携では、スマートフォンからテレビへの転送だけでなく、テレビからスマートフォンへの転送にも対応。タブレットへの放送転送も可能にテレビ全体と、スマートテレビの需要予測大画面化も加速

 加えて、「未来のディスプレイ」として、世界最大とする103型でグラスレス3D対応のプラズマディスプレイを出展。このディスプレイは家庭用ではなく、主に美術館や広告、ショウルームなどでの利用を想定している。

 さらに、145型/8K解像度のスーパーハイビジョンプラズマディスプレイ、International CESでも披露された20型4K液晶を紹介。そのほか、360度どこからでも3D立体視できる「Interactive Multiview 3D System」もIFAに出展する。

 デジタルカメラのLUMIXでは、日本でも7月に発表された無線LAN搭載モデル「DMC-SZ5」や、全域F2.8の高倍率ズーム「DMC-FZ200」などを紹介した。SZ5は、スマートフォンからライブビューが行なえるほか、パナソニック独自という自動画像バックアップ機能や、5つのクラウドサービスと同期できる機能、操作系の「Smart Operation」を採用している。

145型/8Kのスーパーハイビジョンプラズマや、20型4K液晶も展示Interactive Multiview 3D Systemと、世界最大という103型のグラスレス3DプラズマディスプレイDMC-SZ5の無線LANを使った機能
SZ5をタブレットから遠隔操作して写真撮影タブレットからテレビに画像を転送友人のスマートフォンにその画像を再び転送できる


■ 「Smart Living」が現実に

Panasonic Europe Chairman and CEOのLaurent Abadie氏

 Panasonic EuropeのChairman and CEOを務めるLaurent Abadie氏は、日本の神奈川県藤沢市で計画されている「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」を例に、「Smart living is a reality」と述べて、生活家電を含むネットワーク化/スマート化が進行していることを紹介。

 2011年からシンガポールで始めているプロジェクト「Punggol Eco Town」も進行しているほか、新たにロシアのスコルコボ(Skolkovo)においてもスマートシティ化を推進することを発表した。

 Abadie氏は、スマートフォンを介して生活家電が連携するというイメージのデモ映像も紹介。スマートフォンのアプリでエアコンを外出先から操作したり、電子レンジを離れた場所から操作するといった利用例を挙げて、スマートフォン連携がAV家電だけでなく多様な機器に広がっていく未来を示した。

スマートフォンを使った生活家電の操作イメージ。電子レンジや冷蔵庫などがスマートフォンから操作可能に神奈川県藤沢市で計画されている「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン


(2012年 8月 30日)

[AV Watch編集部 中林暁]