【IFA 2012】シャープ、進化したICC-4KやIGZOパネルなど

-90型AQUOSなど大画面や、ネットワークオーディオも


ミスIFAも登場したシャープのプレスカンファレンス

 シャープは、ドイツ・ベルリンで8月31日(現地時間)より開催される「IFA 2012」の開幕前プレスカンファレンスにおいて、60型の「ICC-4Kテレビ」試作機や、「IGZO(酸化物半導体)」液晶パネルなどを披露した。

 同社は、創業100年となる9月15日を間近に控え、改めて自社の強みを活かした事業展開を進めることを強調。デジタル家電では、「未来のテレビ」として、90型のフルHD/3D対応液晶AQUOSなどで大画面への需要に応えるとした。

 さらに、2012年内の発売に向けて開発を進めているICC-4Kテレビを展示。来場者が体験できる視聴コーナーを設けている。このICC-4Kテレビを「Ultra High Definition」として製品化することで、「映像がSDの時代からHDへ変化した時のような体験をもたらす」とアピールした。

 今回出展されたICC-4Kテレビの試作機は、昨年のIFAや今年のCESで展示されたものよりもバージョンが上がっており、自然な見え方の追求や、量産化に向けた取り組みがさらに進められ、より製品化に近づいたものとなっている。なお、ICC-4Kテレビの詳細については、別記事でも掲載予定。

90型など、AQUOSの大画面モデルICC-4Kテレビのデザインイメージ。本体右上に「Ultra HD」という文字が記されていたICC-4Kの映像を体験した。左が通常のHD映像、右がICC-4K。カメラのフォーカスが合った部分だけでなく、全体をくまなく精細に表示することで、かえってリアルな奥行きを感じられた
IGZO液晶の展示コーナー。様々なサイズが並んでいる

 IGZO液晶ディスプレイも展示。In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)により構成される酸化物半導体に結晶性をもたせたもので、高精細やタッチパネルの正確な応答性、低消費電力などが特徴。ブースでは、モバイル向けから大型ディスプレイ向けまで、様々なサイズのパネルを展示して従来の液晶との違いを体験できるようになっている。


IGZO液晶を使った試作機。「Electronic Stationery」とするPDAのような端末タッチパネルの精度を比較するデモ。右がIGZO液晶で、タッチした部分以外が反応するような誤差が生まれない同じ7型WXGAでも、IGZOでは写真の右側のように狭額縁化できる

 ワイヤレステレビの「フリースタイルAQUOS」も出展。52型/46型/40型という大画面のモデルをラインナップしている。業務用ディスプレイでは、タッチ操作できる大画面モデル「BIG PAD」の60/70/80型を出展していた。

 オーディオ製品も出展。DJなどの利用を想定した低音強化モデル「GX-M10」は、iPhone/iPodを装着可能なオーディオシステムで、出力100Wの強力なスピーカーを装備。2つのフルレンジスピーカーと2つのウーファで構成しており、円筒形の本体は「80年代のリバイバルデザイン」としている。そのほかにも、無線LAN搭載/DLNA対応のネットワークオーディオシステム「XL-HF40PH」を展示。天面にiPod/iPhoneを装着可能で、CD再生にも対応。サブウーファ出力も装備している。

ワイヤレスのフリースタイルAQUOS強力な低域が特徴のオーディオシステム「GX-M10」ネットワークオーディオ「XL-HF40PH」


(2012年 8月 31日)

[AV Watch編集部 中林暁]