【IFA 2012】パナソニック、103型裸眼3Dや145型SHVのPDP

-「タッチで動かせる3D」や、TV/BDのタブレット連携など


パナソニックブース

 8月31日~9月5日までドイツ・ベルリンにて開催されている「IFA 2012」から、パナソニックブースの展示をレポートする。

 今回の展示で目を引くのは、大型ディスプレイの様々な活用方法の提案。中でも、29日のプレスカンファレンスでも発表された103型プラズマで裸眼3D表示を行なっているコーナーなどが人気だ。

 裸眼3Dの103型プラズマ試作機は初公開で、裸眼3Dでは世界最大になると見られる。同社にとって、裸眼3Dへ本格的に取り組んだのも初だという。4K解像度のパネルを用いて、視差バリア方式により3Dメガネ無しでの3D表示を実現。主に、デジタルサイネージでの利用を想定している。製品化の時期や価格については未定。

 今回の試作機において立体視できるスイートスポットは8視点。立体視の最適距離は3mに設定されており、展示コーナーには最適な場所の立ち位置が分かりやすいように指定されている。実際に映像を観たところ、立つ場所によっては二重像になってしまうこともあるが、一度最適な場所に立てば、少し体を動かす程度ならば違和感なく3Dで観続けられた。

 NHKのスーパーハイビジョンに合わせた、8K解像度の145型プラズマも出展。日本ではNHK技研公開で出展されているが、海外では初の展示となる。流している映像はNHKが制作したもの。

 そのほか、ユニークな展示として一つの対象物を様々な角度から3Dで眺められる「Interactive Multiview 3D System」というコーナーも用意。これは、あらかじめ3D静止画で撮影しておいた画像を組み合わせて、手元のタッチパネルを操作して回転や拡大/縮小といった操作ができるもの。貴重な宝石など簡単には触れられないものを見せるときや、オークションで実物に近い写真を見せたい時などに活用できるとしている。今回のデモでは、横長の103型と、縦長の65型という2種類のプラズマディスプレイを使用している。

 20型の4Kディスプレイも展示。216ppiという高精細ながら、フルHDパネルと同等の消費電力を実現したことが特徴で、パネルの薄さは3.5mm。今回の展示では縦2枚×横2枚を並べた形になっており、日本、アメリカ、フランス、ブラジルの4カ国を案内するような映像を表示。4枚で一つの世界地図を表したり、4枚それぞれに異なる映像を流すといったデモになっている。

103型の裸眼3Dプラズマディスプレイ145型のスーパーハイビジョンプラズマ手元で3D画像の視点を操作できる「Interactive Multiview 3D System」
20型4Kパネルを使った展示手元のボタンを押すと、その国の映像がアナウンスとと共に流れる4つの画面を活用して様々な情報を表示


■ タブレット連携の体験コーナーが充実

同社テレビのラインナップ

 テレビなどAV機器のコーナーでは、タブレット/スマートフォン連携の「VIERA Remote」や「Blu-ray Remote」などのネットワーク連携のデモが中心となっている。

 29日のプレスカンファレンスでも触れられた「Swipe & Share」は、手持ちの静止画/動画/音楽をテレビがある方向にスワイプ操作する(画面をなぞる)ことで、テレビ画面でコンテンツを再生。さらに、そこから他のスマホ/タブレットで同じコンテンツを共有することも可能になる。VIERA Remoteは、Android/iOS端末で利用できる。

 「Smart Browsing」は、テレビのWebブラウザをタブレットなどのタッチパッドで操作できるというもの。スマホ/タブレットのWebブラウザをテレビの大画面で表示することもできる。BDプレーヤー用の「Blu-ray Remote」は、タブレット画面上に、実際のBDプレーヤーのリモコンと同じUIを再現。タッチで直感的な操作が可能なほか、複数の機器を使うときにもリモコンを持ちかえず、アプリを切り替えることで操作できる。


Swipe & ShareSmart BrowsingBlu-ray Remote

 オーディオ製品では、日本でも発売されているAirPlay対応オーディオシステムを展示。iPhone/iPodドックを備えた「SC-HC57」や、オーディオ入力を持たないAirPlay専用の「SC-AP01」などをラインナップしている。

 テレビなどとBluetooth接続するスピーカー「SC-MC07」も展示。直径10.3cm、高さ4.19cmのハンバーガーのような本体にステレオスピーカーとBluetoothを搭載。「Full Digital Clear Stereo Sound System」によりクリアな声や会話でテレビなどを楽しめる。本体にバッテリを内蔵するほか、USB給電でも動作する。

AirPlay対応でiPod/iPhoneドック装備の「SC-HC57」AirPlay専用システムの「SC-AP01」(下)などBluetoothスピーカー「SC-MC07」
Blu-rayシアターシステムなどのコーナーデジタルカメラLUMIXは、光学24倍ズーム搭載で全域F2.8レンズ搭載の「DMC-FZ200」、マイクロフォーサーズ用レンズの「Xレンズ」などを展示している


(2012年 9月 1日)

[AV Watch編集部 中林暁]