ソニー、9,980円の電子書籍リーダ「Reader PRS-T2」
-白黒反転改善、FB/Evernote連携。アプリで続き
PRS-T2 |
ソニーは、電子書籍端末「Reader(リーダー)」の新モデルとして、6型ディスプレイを採用した「PRS-T2」を9月21日より発売する。価格は9,980円。カラーはブラック、レッド、ホワイトの3色で、ブラックは従来モデルの光沢処理をやめ、マットな表面処理とした。なお、'11年発売の3Gモデル「PRS-G1」は継続して販売される。
ディスプレイは6型/800×600ドットのモノクロ電子ペーパー(e-Ink製)を採用。電子ペーパーの世代は、従来モデルのPRS-T1/G1から変更はないが、電子ペーパーの弱点である画面書き換え時の白黒反転を15ページに1回までに抑え、「紙のような読書体験に近づけた」とする。また、「ホーム」、「ページ送り/戻し」などのボタンをより画面に近づけることで、操作性の改善を図っている。なお、T1からの変更点として、ヘッドフォン出力と音楽プレーヤー機能が省かれている。
IEEE 802.11b/g/nの無線LANを搭載。パソコンを経由せずに、Reader本体だけでReader Storeから電子書籍を購入できるほか、パソコンのReader Storeで検索/購入した書籍を、ReaderからStoreにアクセスしてダウンロードできる。新たに初期登録を簡易化し、My Sony Clubの登録と機器認証、3G登録(PRS-G1のみ)までを一画面で完結可能としたほか、FacebookへのシェアやEvernoteによるWebページのクリッピングなどの機能を追加した。
型番 | PRS-T2 | PRS-T1 (’11年モデル参考) |
画面 | 6型/800×600ドット | |
Facebook/ Evernote連携 | ○ | - |
ヘッドフォン ジャック | - | ○ |
外形寸法 | 173×110×9.1~10mm | 173×110×8.9~9.6mm |
電池持続時間 (1日30分読書 ワイヤレスオフ) | 30,000ページ (2カ月) | 14,000ページ (5週間) |
重量 | 164g | 168g |
ホーム画面 |
2GBの内蔵メモリ(うちユーザー領域は1.3GB)を備え、約1,300冊の電子書籍を収録できる。また、microSDメモリーカードスロットも装備し、32GBまで容量を拡張可能。
基本機能はPRS-T1から大きな変更はなく、拡大/縮小表示はピンチイン、ピンチアウト操作に対応。指を開く動作で画面を拡大、閉じる動作で画面縮小が行なえる。日本語フォントも従来通りの筑紫明朝。
画面UIは一新しており、ホーム画面をよりシンプルに読書を中心とした構成とし、「アプリケーション一覧」で、辞書や手書きメモ、テキストメモ、写真、Evernote/Facebook連携などを案内している。
対応の電子書籍フォーマットは、Reader Storeの配信コンテンツ(.mnh)、XMDF(.zbf)、.book、EPUB(.epub)、PDF(.pdf)、TXT(.txt)。バッテリの充電無しで、1日30分読書時で約2カ月の使用が可能(ワイヤレスOFF時)。
PRS-T2では、新たに「Reading Position Sync(RPS)」を搭載。これはReader Storeで購入し、途中まで読んだ位置を、Reader(PRS-T2)でだけでなく、Sony TabletやXperiaのAndroid用Readerアプリとの間で同期して、どの端末からも続きが読めるようにする「しおり」的な機能。PRS-T2で123ページまで読んだ本を、対応Readerアプリ搭載端末から開いた場合、123ページから読むことが出来る。なお、XperiaやSony Tablet以外のAndroid端末にも対応するReaderアプリも今秋提供予定としている。
Syncの対象項目は最後に表示したページとなる。なおRPSに対応するのはReader Storeで購入したコンテンツだけで、パソコンから転送したPDFやEPUBファイルでは利用できない。またT2以外のReaderでは対応しない。
ソーシャルリーディング機能として、Facebook連携機能を新搭載。FacebookのタイムラインにReaderで読書中の書籍情報とコメントを投稿できる。また、Evernote連携にも対応し、パソコンなどでWebサイトの情報をEvernoteにクリッピングすると、クリップした記事がReaderの「書籍」一覧に自動追加され、Reader上で読むことができる。
アプリケーション | Facebookにシェア | メモ |
Reader Storeもコンテンツの拡充を図っており9月3日時点のReader Store取扱い点数は約63,600冊(書籍約39,200冊、コミック約22,400冊、雑誌約2,000冊)。
充電はmicroUSBケーブル経由で行ない、マイクロUSB端子を装備。Reader Storeで購入したコンテンツは、無線LANや3G経由で端末にダウンロード可能だが、PDFなどのデータはパソコンから転送する必要がある。専用の転送/管理ソフト「eBook Transfer for Reader Ver.3.0」を9月11日より提供開始。Windows XP/Vista/7のほか、Macintoshにも対応する。
アクセサリも9月21日に発売。ライト付きブックカバー「PRSA-CL22(5,975円)」や、ブックカバー「PRSA-SC22(3,675円)」を発売。ACアダプタは既発売の「PRSA-AC10(3.675円)」が利用できる。
また、対象商品を購入して、Reader Storeに登録すると電子書籍版「ハリー・ポッターと賢者の石」を先着10万人にプレゼントするキャンペーンも実施する。実施期間は9月15日10時からで、機器登録が10万台に達した段階で終了となる。詳細は同社ページで案内している。
(2012年 9月 3日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]