ソニー、最大1.5TBのアーカイブ用光ディスク

-IBC 2012で4Kなど映像制作ソリューションを展示


 ソニーは、オランダ・アムステルダムで7日から開催される国際放送機器展「IBC 2012」にて、「Believe Beyond HD」をテーマに映像制作ソリューリョンを展示。4Kの強化やIPライブ伝送システムの新製品などの取り組みを紹介するほか、12枚の光ディスクを内蔵したカートリッジを利用する「オプテカルディスク・アーカイブ」システムを発表した。

■ オプティカルディスク・アーカイブシステム

オプテカルディスク・アーカイブ

 オプテカルディスク・アーカイブは、小型のカートリッジに12枚の光ディスクを内蔵し、1つの大容量ストレージとして、ファイルベースでデータを扱えるアーカイブシステム。保存時の湿度や温度の変化の影響を受けにくく、防塵性や耐水性に優れたメディアを採用しているため、コンテンツの長期保存性に優れているという。また、メディア世代間の互換性により、アーカイブデータの再アーカイブコピー作業が不要になるため、コンテンツの長期間保存に適した高い利便性を有しているという。

 このオプティカルディスク・アーカイブシステムの第1弾として、USB 3.0のドライブユニット「ODS-D55U」と、専用メディア「ODC1500R(1.5TB)」などを10月より発売する。ドライブ・ユニットの価格は67万2,000円。メディアは300GB~1.5TBで、価格はオープンプライス。想定売価は2,800円~24,800円。

【メディアの市場推定価格】

型番容量仕様想定価格
ODC300R300GB1層
追記型
2,800円前後
ODC300RE300GB1層
書換型
3,800円前後
ODC600R600GB2層
追記型
5,800円前後
ODC600RE600GB2層
書換型
6,800円前後
ODC1200RE1.2TB3層
書換型
19,800円前後
ODC1500R1.5TB4層
追記型
24,800円前後

 また、このメディアを10カートリッジとドライブを2台まで格納できるロボティクスシステム「ODS-L10」を2013年初めに製品化。さらに大容量で拡張性のあるライブラリーを2013年後半に製品化予定としている。既に放送局で運用されているプロフェッショナルディスクによる棚管理を基本としたアーカイブシステム「XDCAM Archive」も2012年12月のversion1.6からオプティカルディスク・アーカイブ システムに対応予定。

 オプティカルディスク・アーカイブによる映像用アーカイブ市場の構築に向けた、「光ディスクアーカイブ・アドバイザリーグループ」には現在23社が参加。新たに「Golf Channel」が加わった。またメーカーも、新たにAdobeとAVIDの2社が賛同表明している。

■ IBC出展概要

Cinea Alta F65

 IBC 2012では、4K制作ソリューションやIPネットワークを活用した制作現場向けソリューションなどを展開。

 4K CineAltaカメラの「F65」は、ソフトウェアバージョンアップで120コマ/秒のハイフレームレート撮影に対応。また、新たにAutodeskがF65の記録フォーマットである「F65 RAW」へ対応した。

 4Kリアルタイム配信デモンストレーションも実施しており、配信した映像を84型4K BRAVIAに表示するなどのデモを実施。IPライブ伝送システム「NXL-IP55」やXDCAMカムコーダ「PMW-160」、スイッチャー「MVS-6500シリーズ」などの新製品も発表している。

 業務用の有機ELモニター「TRIMASTER EL」は販売好調で、全世界出荷台数15,000台を達成見込み。業界初という9型/フルHD液晶採用のマルチフォーマットモニター「LMD-941W」も参考展示する。


PMW-160MVS-6530

(2012年 9月 7日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]